ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『横道世之介』

2013-01-17 22:08:41 | 新作映画
『南極料理人』『キツツキと雨』沖田修一監督の新作!

----『横道世之介』って、
ニャんかふざけた名前。
これ、本名ニャの?
「そう、少なくともこの物語の中ではね。
この映画は、そのふざけた名前の彼が
上京して大学に入ってからわずかの間のことを、
彼と出会った人たちの
<その後>を挟みながら描かれるんだ」

----えっ、横道世之介のその後は?
「う~ん。
そこを言うと、
この映画の構成の軸を喋ってしまうことになるからなあ。
ただ、この映画は、
ある特殊な語り口となっていることは言っておいた方がいいだろうね。
ヒロイン・与謝野祥子(吉高由里子)を始め、
入学式のときに出会う友だち・倉持一平(池松壮亮)、
世之介が憧れる年上女性・片瀬千春(伊藤歩)、
女性に興味を持てない同級生・加藤雄介(綾野剛)…。
彼らとのとりたててどうということのない
“普通”の交流が描かれてゆく」

----そうニャんだ。
でも、その割には、スゴク話題になっているよね。
「そう。
ほんとうに、たいした事件が起こるワケでもない。
でも、この“普通”というのが、
いまの時代から見ると、とても魅力的。
世之介は、
今の言葉で言うところの“空気を読む”なんてことはまったくしない。
自分の思ったままに、なんかクラゲみたいにヘラヘラと行動する。
同じく今でいうところの“天然”というヤツかな。
ただ、こういう人って、
あの頃、けっこういたような気もする。
この、
“どこにでもあったような、どこにでもいたような”
ごく普通の人のなんてことない日々が心をじわ~っ。
思うにそれは、この時代が、
普通に生きることさえ、難しくなってきているからなんだな、きっと」

----ふうん。舞台はいつニャの?
「1987年。
テロップには一切出てこないけどね。
それでも、その時代の空気を感じさせるところが、
この映画のもう一つの魅力。
ファッション、町並みは言うまでもなく、
あのきらきらしていた時代を
まるごと切り取っている。
35ミリ撮影というのも、その理由の一つかなあ…。
ただ、その時代を知っているぼくなんかは観ていて楽しかったけど、
いまの若い人の目にはどう映るのかなというのも、
片方では気になったけどね。
87年に青春を謳歌していた若者たちが
60年代の日活青春映画を観て抱くような
そんな不思議な感慨になるかも。
言葉遣いひとつとっても
今と全然違うし…。
あっ、それとこの映画の製作幹事会社が日活。
これも意味を持っている(と思う)」

----どういうこと?
「これ、言っちゃうと怒られるかもしれないけど、
あるロマンポルノの傑作と
そのラストシーンを構成するアイテムが同じなんだ。
桜吹雪、階段、そして子ども…。
さあ、分かるかな?」

----そりゃあ。分かるよ。
フォーンをニャんだと思っているの?



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「答は相米慎二『ラブホテル』ニャのニャ」いいねぇ



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