ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ホステージ』

2005-05-01 01:58:32 | 新作映画
------今夜はブルース・ウィリスのアクションだね。
「これは拾いモノだったね。
監督が『ズズメバチ』のフローラン=エミリオ・シリ。
今回はハリウッドに招かれての作品だけど、
物語の構図がそっくりで、これは彼の十八番の世界だね」

------分かりやすく説明してよ。
「うん。『スズメバチ』はマフィアの最高幹部を護送中の特殊警察チームが
幹部奪還を目指すマフィアの戦闘部隊に襲われ、倉庫に逃げ込むところから始まる。
ところがこの倉庫には、すでに窃盗グループが“仕事”のために侵入。
そこを守っていたのは初老の警備員。
かくして手を握るはずのない警察、窃盗グループ、警備員は、
この軍隊並みの重装備をマフィアを相手に戦わざるを得なくなると言う話さ」

-----なるほど。単なる敵と味方で撃ち合うドラマではなかったわけだ。
「そういうこと。この『ホステージ』の主人公はジェフ・タリー。
彼はかつてLAPDで凄腕交渉人としてならしながら
自分の判断ミスから目の前で二人の人質の命を失ってしまったことを
心の深い傷として生きている。」

-----おっ、『シックス・センス』みたいだな(笑)。
「うん。ぼくもそう思った。
さて、タリーは今では小さな地方の町で警察署長を務めているわけだけど、
そんな中、3人の若者が豪邸に押し入るという事件が起こる。
中にいるのはウォルター・スミス、10歳の息子トミー、
そして14歳の娘ジェニファー。
人質交渉など二度とやる気はない彼は、
軍警察に事件を引き継ごうとするが、
そうはできない<事件>が起こる」

-----えっ、なに?なに?オモシロそう。
「妻のジェーンと娘アマンダが“ある組織”にさらわれてしまったんだ。
その組織の要求とは、屋敷に主が持つ、あるDVDを見つけるまでは、
タリーが指揮を執り、現場に誰も入れるなと言うもの。
そこにテレビを見てタリーのことを知ったトミーから電話が。
タリーは中にいる3人の命、自分の家族の命、
その両方を救出するべく、ぎりぎりの判断を迫られるというわけだ」

-----うまいシチュエーションの作り方だね。
そうなると、3人の犯人たちにもドラマがありそう。
「うん。『スズメバチ』にも仲間割れがあったように、
ここでもつまらないリーダーシップ意識が
事態をややこしくしていく。
しかもこの豪邸が完全セキュリティシステムのため難攻不落。
やはり脚本がうまいんだね」

-----でも、そうなると監督の手腕じゃないのでは?
「う~ん。でもこの一夜限定のドラマを
緊迫感を持って描くには相当の手腕がなくては難しい。
タッカー、犯人、人質、そして謎の組織。
それぞれの思惑をきっちり描き分けつつ、
クライマックスのタッカーVS.謎の組織VS.犯人の
三つ巴の戦いへと繋げていく。
映像に吸引力があるから、
観ている間、そんなこと考える暇、まったくなかったけど、
キャメラワーク、カッティング、そして照明など、
すべてが計算されつくしていたんだろうね」

-----ベタぼめじゃん?
「一つだけ、惜しいなと思うのは、
重要データが隠されているDVD。
そのタイトルは『Heaven Can Wait(天国は待ってくれる)』。
でもタリーからの指示を聞いたトミーは
『Heaven Can Wait(天国から来たチャンピオン)』と一瞬迷うんだ。
結局、彼は二つとも持ってくるんだけど、
このエピソードをもう一枚、ドラマに生かしてくれると、もっとオモシロかったのに、
残念ながらこれは肩すかしだったね。
あっ、そうだ。あと、ブルース・ウィリスとデミ・ムーアの子どもが出ているよ」

----えっ、だれ?だれ?
「全部言うと、楽しみなくなるから、これは観てのお楽しみに」
(byえいwithフォーン)

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