ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『北の零年』

2004-12-11 00:55:11 | 新作映画
----この『北の零年』は行定勲監督なんだって?
「うん、『GO』を撮ったとき、
次回の東映作品は大作を、と言うことになったらしい。
それにしても大抜擢だ。なんと2時間48分!
これほどのスケールの大きな作品を
いわゆる巨匠ではなく、現代的感覚が売りの監督に任せるんだから」

-----でも、今年は「セカチュー」もヒットさせたわけだし、
行定監督ももうベテランのうちに入るのかもよ。
「確かにそうも言えなくはないけど、彼は器用だよね。
作品に応じた撮り方ができる。
この作品の場合は比較的オーソドックス。
でも一つ一つの画を観ていると、
力が入ってるなと感じずには入られないね。
たとえば初めて北海道に上陸するところなんか、
思いっきりカメラを引いてまるで『ライアンの娘』。
もちろん、デビッド・リーンとまではいかないけどね」

-----じゃあ、雪は『ドクトル・ジバゴ』だ(笑)。
でもどんな話なの?
「明治の初め。徳島藩から分離独立しようとして、
藩から襲撃を受けた淡路の稲田家は
明治政府の命令で主従546名が北海道へ渡ることに。
新しい土地に自分たちの国を作ろうと希望に燃える元武士たちは
慣れぬ農作業に勤しむ。
ところが第二陣の乗った船が難破した上に、
廃藩置県で、彼らの開墾した土地は政府管轄になってしまう。
失望の中、自らマゲを切ってこの地に踏み止まる家臣たち。
しかしこの北の土地では稲が育たず、生活が困窮してしまう。
そこで渡辺謙扮する小松原が
ここでも育つ稲を探しに札幌に行くわけだ」

-----ほほう。それじゃ豊川悦司は?
「まあ、待って。実は、主人公はこの小松原の妻・志乃。
演じているのは吉永小百合で、ちなみにこれは彼女の映画出演111作目にあたる。
で、その小松原がいない間に
彼らに近づき食い物にしようとするのが香川照之演じる商人の倉蔵。
彼は美しい志乃にも言い寄ってくる。
そんな彼女を救ったのがアイヌとともに暮らすアシリカで、
この謎の男を演じているのが豊川悦司。

※ネタバレ注
で、この後、映画は思わぬ展開を見せていく。
なかなか町から帰ってこない小松原。
いったい彼はどこで何をしていて、そしてなぜ帰ってこないのか?
映画はこのことへの興味で観る者を引きつけていく。
で、最大の危機にあらわれるのが…」

-----ああ。それ以上言わないで。
「でも一つだけ。
豊川悦司がとにかくカッコよくキメル。
彼こそ“ラストサムライ”だ」

-----あ~あ、言っちゃった。

(byえいwithフォーン)
※雪深い度


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