製造業への派遣が解禁されて、はや5年を数える。トヨタやキャノンをはじめとする、大手製造業は千載一遇とばかりに派遣社員を大量採用した。
低賃金を背景に、これら大企業は毎年、最高益を更新することができるようになった。この利益に貢献したのが派遣社員たちである。いわば最大の功労者であった。
昨秋の米金融バブル破綻による世界同時不況で、わが国大手製造業も販売不振を極め、最大の功労者である派遣社員が真っ先に「雇い止め」された。
大手製造業は優越的立場を利用して、約束の雇用契約の期間を履行せず、一方的に派遣会社との契約を解除した。この違法行為を所管する厚労省には、罰する規定さえ備わっていなかった。
製造業への解禁を急ぐあまり、派遣社員にはセフティネットが、なにひとつ用意されていなかったことになる。政・官・財界の癒着による犠牲者といえる。
大手製造業は雇用破壊をしておきながら、この5年間で内部留保金額を軒並み増加させた。キャノンにいたっては3倍である。この内部留保について種々議論はされているが、強欲経営者たちは、競争力低下を懸念して取り崩しに消極的という。
彼らの口癖は、このまま継続して派遣社員を雇えば、資金流出で財務内容が悪化して、企業体質が弱るともっともらしい言説を展開するが、説得力のない言葉を繰り返すばかりだ。
国内も海外も販売低迷のいま、土地・建物の取得や設備投資熱も減退を余儀なくされ、現金および預金は豊富である。このうちの数%を取り崩しても、体力が消耗することはない。
派遣が解禁されて以来、大手製造業経営者の質の低下は、とどまるところを知らない。また解禁以来、アタマの弱い経営者でも、利益計上ができることになったことと、カネの有効利用を知らない無能さは特筆すべきことである。
低賃金を背景に、これら大企業は毎年、最高益を更新することができるようになった。この利益に貢献したのが派遣社員たちである。いわば最大の功労者であった。
昨秋の米金融バブル破綻による世界同時不況で、わが国大手製造業も販売不振を極め、最大の功労者である派遣社員が真っ先に「雇い止め」された。
大手製造業は優越的立場を利用して、約束の雇用契約の期間を履行せず、一方的に派遣会社との契約を解除した。この違法行為を所管する厚労省には、罰する規定さえ備わっていなかった。
製造業への解禁を急ぐあまり、派遣社員にはセフティネットが、なにひとつ用意されていなかったことになる。政・官・財界の癒着による犠牲者といえる。
大手製造業は雇用破壊をしておきながら、この5年間で内部留保金額を軒並み増加させた。キャノンにいたっては3倍である。この内部留保について種々議論はされているが、強欲経営者たちは、競争力低下を懸念して取り崩しに消極的という。
彼らの口癖は、このまま継続して派遣社員を雇えば、資金流出で財務内容が悪化して、企業体質が弱るともっともらしい言説を展開するが、説得力のない言葉を繰り返すばかりだ。
国内も海外も販売低迷のいま、土地・建物の取得や設備投資熱も減退を余儀なくされ、現金および預金は豊富である。このうちの数%を取り崩しても、体力が消耗することはない。
派遣が解禁されて以来、大手製造業経営者の質の低下は、とどまるところを知らない。また解禁以来、アタマの弱い経営者でも、利益計上ができることになったことと、カネの有効利用を知らない無能さは特筆すべきことである。