活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

欺瞞に満ちた自民党政権公約

2010-04-25 23:17:40 | Weblog
自民党が夏の参院選用の政権公約の骨子を発表した。それによれば、冒頭に「雇用なくして安心なし」と見出しするそうだ。

冗談もいい加減にしてもらいたい。雇用の破壊を進めてきた張本人が自民党そのものであるからだ。小泉構造改革による規制緩和は派遣や契約社員のような不安定雇用の非正規雇用を大量に生み出した。

すべて財界や産業界が競争力強化の名のもと、安い労働力を求める声に自民党政治が応じたものだった。この結果が、年収2百万円未満の人たちが1千万人を超えたこと、すでに報道されたとおりである。

さらに自民党は首切りが簡単にできる労働法制に手を加え、資本家に貢いだことから派遣社員等の失業者も増加の一途を辿った。それは若年層から中高年層までまんべんなく広がった。

また、生活保護世帯の急増、国民健康保険料の未・滞納の増加など貧困層が拡大した。すべて自民党政治によるものだ。(これには公明党も加担している)

このように悪政が続いたため、その日の生活に追われる低所得層、貧困層はいまや国民全体の2割に達する勢いで、歯止めの目処さえ立たない状況が続いている。こんな政治をしてきた自民党に政権担当能力はない。

先ず自民党がやるべきことは、日本から活力を奪った小泉・竹中亡国政治の総括である。それもせずに欺瞞に満ちた政権公約をすることは、国民に対する愚弄でしかない。

派遣法改正案の骨を抜く連合

2010-04-24 21:40:50 | Weblog
今国会で審議されている労働者派遣法改正案はすこぶる評判が悪い。

それもそのはず派遣労働を原則禁止としながら、登録型派遣は「専門26業務」を、製造業派遣は「常時雇用」を、それぞれ例外としているからである。規制強化とは名ばかりで、使用者側には巧妙な抜け道だけが用意された。

これでは野放し状態の違法派遣の根絶は、とても無理である。派遣社員の保護より派遣元・派遣先の使用者側を手厚く保護していることは、民主党の政権公約に違反する。

日弁連や他の労組が、この法案の修正を求めているのに対して、民主党の支持母体である連合は修正するより、鳩山政権に法案の早期成立を働きかけていることも報道された。

連合こそ派遣社員の敵ではないだろうか。これから見えてくるのは、経営者と同じ目線で「雇用の調整弁」として派遣労働者を必要としていることだ。安定した雇用の保障を拒む、連合の姿勢は許せるものではない。何よりも連合が派遣社員たちの格差是正や低賃金労働の解消にまったく努力していないことを示すものである。

連合が働く人たちの味方と思ったら大間違いだ。「労働の総本山」ともいわれる組織がこの体たらくぶりだから、民主党離れが進むのも当然の成り行きである。

占領軍の基地はいらない

2010-04-22 19:54:39 | Weblog
日本に米軍基地はいらない。普天間移設問題で鳩山政権は窮地に立たされているが、すべて自民党政権が続けてきた対米隷属外交のせいである。

新聞・TVは連日、移設問題が進展していないことで政権批判を展開しているが、沖縄県民のことなど何も考えていないことだけは、はっきりしている。県民の苦しみを解放するためには、基地撤去が絶対の条件である。

マスコミの主張するところは、米への依存を深めて安全保障を求めるという安易な姿勢は自民党にそっくりである。これでも独立国の報道機関だろうか。なんとも恥ずかしい姿ではないか。

そもそも安保条約が日本の平和に貢献するという論調が流されているが真っ赤なウソである。在日米軍は日本を防衛する部隊ではない。日本の基地を足場にして、アフガニスタンなど海外に出動することが主な任務である。基地提供のわが国が米の戦争に加担しているといわれる所以である。

また、ことさらに中国・北朝鮮の脅威を煽るが、日本にこれだけ米の基地があれば緊張が高まること当たり前である。基地がなくなれば中国・北朝鮮に攻められるなど盛んに宣伝しているが、被害妄想の保守主義者が喚いているにすぎない。生活不安が覆っている中、国民の税金を湯水のごとく、米軍のために浪費する連中こそ反愛国者である。

そして真の独立国家を目指すため、一刻も早く安保条約の破棄に向け米政権と交渉することだ。新安保条約からすでに50年が経過した現在、一方的な通告で、その1年後には条約が終了すること同条約10条に明記されている。これにより中・朝との緊張緩和に一歩近付くことは明らかだ。「善は急げ」だ。

経済苦で年金未納433万人

2010-04-20 21:10:01 | Weblog
厚労省の発表によれば、08年3月末時点に於ける国民年金保険料の未納者数は433万人に達したとのことである。

早急な解決が図られなければ65歳に到達したとき、年金をもらえないか、もらえたとしても少額で、生活設計の目処が立たない人たちが多数に上ることいまから危惧される。

未納の理由に「高過ぎる保険料」が65%を占めていることは、生活が一段と苦しくなっていることの表れである。誰も払わないで済まそうとする人はいない。払えないのだ。

経営者が従業員と折半する保険料負担を逃れるため、非正規社員ばかりを増やしていることも未納増加の原因である。不景気のため保険料負担を出来ないとしているが、利潤追求のため、馬鹿馬鹿しいと思っている経営者の何と多いことか。モラルの低下は著しいものがある。

このため従業員自らが保険料を納めることになるが、年収2百万円以下が1千万人を超えている現実を考えれば、今後ますます未納者が増えることは有っても減ることは考えられない。

これを解決するためには、政府の年金財政への積極的な支援が必要である。そして高過ぎる保険料の低減や25年と長過ぎる納付期間を短縮するなど、喫緊の課題に取り組むことしかない。肝心の財源は法人税を充当したらいい。決して税率を下げてはいけない。下げたからといって非正規雇用が減り、納付率が上がるわけではないからだ。喜ぶのは「欲の皮」の突っ張った経営者だけだ。

「コンクリートから人へ」を標榜する鳩山政権は、社会的責任を放棄する企業・経営者をきびしく監視する必要がある。自民党政権は企業・経営者の不法行為を放任し加速させてきた。これが年金未納433万人を招いた自民党政権の偽らざる姿である。

消えた年金記録もほとんど回復されていない。いかに、いい加減な年金行政であったことか。老後の保障さえままならない、これが先進国といわれる日本の実態である。

晩節汚した与謝野元財務相

2010-04-10 20:27:22 | Weblog
変われぬ自民党に愛想をつかした与謝野元財務相が、無所属の平沼赴夫元経産相と組んで新党を旗揚げした。その新党の代表には平沼が就任することも決まった。旗揚げに積極的に動いた与謝野がなぜ代表に就任できなかったのか。

結党に怖じ気づいた与謝野が、よこしまな思想を抱く平沼に飲み込まれたものとみられる。平沼はきっての改憲論者であり、また、歴史を改ざんしたい議員連盟の会長を務めている。その歪んだ歴史観はあきれるばかりである。

平沼の歪んだ歴史観を擁護し、同調する「平和嫌い」の中曽根康弘元首相や石原慎太郎都知事、渡辺恒夫読売新聞社主の3人も新党をバックアップするという。日本の支配層と自認したい「3人組」も平沼同様、憲法改正を念願としている。

言うまでもなく中曽根らが意図するところは、平沼を擁して、わが国を戦争できる国に変えたいことにある。老い先短い3人組が、これから戦地で動き回ることはない。もちろん戦地で死ぬこともないだろう。そんな使い物にならない「3人組」の、この世の置き土産としての「憲法改正」の野望を叶えさせるわけにはいかない。

与謝野は改憲には口をつぐんでいた。新党結成についても自らが代表に就くものと国民の多くは受け取っていた。平沼が新党の代表になったことは与謝野の経済政策より、自主憲法制定を喫緊の課題とする「老いぼれ3人組」の意を受けてのものである。

それにしても与謝野は取り返しのつかない失敗をした。なぜならば、沈没しかけていた平沼に新たな舞台を用意したからだ。あまりにも不用意な与謝野の行動である。それもすべて自己保身のためだった。年を重ねた与謝野の末路に哀れさえ感じる。相手を観察する能力もなさ過ぎだ。

長官銃撃   「オウムのテロ」発言は意外

2010-04-02 20:08:06 | Weblog
95年3月、国松警察庁長官(当時)が東京・南千住で銃撃された事件は3月30日、犯人不詳のまま時効が成立した。

警視庁は「オウム信者に似た男が現場から姿を消した」という目撃証言だけを頼りにして、最初からオウム真理教による犯行と見込んで捜査をしてきた。これをもとに教団の元信者や元幹部を逮捕したものの、裏付けとなる証拠がなく立件することができなかった。典型的な見込み捜査をしていたわけだ。

犯人逮捕へ延べ48万人の捜査員が投入されたともいう。結果的には「無駄足」であったが、この捜査を主導した警視庁公安部長が時効成立を受け、30日に記者会見した。

公安部長は「(銃撃)事件はオウムによる組織的かつ計画的テロだった」と理解に苦しむ発言を披露した。立件できずにオウム教団が関与していることをきっぱりと断定しているからだ。

断定した理由については元幹部・元信者らの行動や会話の内容から判断して、犯人を匿名としながらも間違いないものとして特定したというものである。元教団員の犯行と断定しながら、立件できない矛盾は説明しないまま棚上げした。これでは憶測で発言していると言われても仕方がない。

これらの疑問を解明することなく、証拠もそろえずに一方的にオウムのテロと結論したことは不可解であり乱暴な決めつけである。公安部長の発言は「負け惜しみ」して責任転嫁しているようにみられ、とても世間の理解は得られまい。この事件は初動捜査のつまずきが、すべてを象徴しているが、部長発言でますます混迷の度が深まった。