活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

郵政人事  止まらぬ亀井の暴走

2009-10-28 19:36:03 | Weblog
日本郵政の社外取締役に作家の曽野綾子氏(78)が就任することを亀井郵政改革相が明らかにした。曽野氏は沖縄戦で「集団自決はなかった」と主張する右派言論人である。歴史認識に欠ける人物の登用で、はたして大丈夫だろうか。もっと、ましな人はたくさんいるのに。

亀井氏は曽野氏を選任した理由について「感性、見識、知恵が申し分ない」と語ったそうだが説得力はまるでない。

小泉改革を支持する新自由主義の社外取締役の大半も辞任することはたいへん結構なことであるが、いくら引き受け手が少ないからといって、民営化のかじ取り役を安易に選任しているというそしりは免れない。

一方、引き受ける曽野氏も親族が、郵便局長をしていたから郵政事業への思い入れは、特別、強いとしているがそれだけでは無理である。経営陣の若返りも必要なため、体力や年齢等を考慮すれば、引き受けるにも、より慎重な判断が欲しかった。名誉職のつもりで引き受けたとしたら24万人の郵政職員はあまりにも可哀相だ。

鳩山首相にも言いたい。郵政人事を亀井氏に丸投げしてはいけない。若くて清廉潔白な人物を見つける努力をすることだ。今回の人事は民主党が目指す路線とは異なるとしか言い様がない。郵政職員の平均年齢のほぼ2倍にあたる年寄り経営陣を選んで、この変化の激しい時代に対応できるとはとても思えない。

国民や民主党が描いている路線から明らかに亀井氏の構想は逸脱している。軌道修正を急ぐことだ。

普天間移設  民主党の腕が試される

2009-10-27 21:19:00 | Weblog
沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設する問題は、日米の政府間で協議されている。ゲーツ国防長官は前の自民党政権との合意を盾に、早く辺野古に新基地を建設するよう強硬に主張している。

新聞・TV等では詳しく報道しないが、180haの新基地建設費用はすべてわが国の税金が投入される。その費用はおよそ1兆円と言われている。米の隷属国家といわれるゆえんである。

米国発の金融危機による景気悪化で国民生活そのものが脅かされている時に、米側の不当な恐喝行為に日本政府は屈してはいけない。時間をかけてでも国外移転で譲らないことだ。

基地の騒音や治安の悪化は沖縄県民の悩みの種だ。とても独立国とは言えない環境を考えれば、海岸を埋め立て、基地を拡張するなどもってのほかである。

普天間から辺野古に移転を認めた沖縄県の自民党、公明党議員たちは先の総選挙で全員落選の憂き目をみた。県民感情の檄に触れたからである。代わって民主党のマニフェストが評価され、政権運営を託された。

基地反対を唱える沖縄県民に民主党は応えなければいけない。アフガニスタン侵略を続けるオバマ政権が、のどから手が出るほどこだわっている辺野古に新基地建設を認めれば民主党は重大な「公約違反」を冒すこととなる。

せっかくつかんだ政権が瓦解することのないよう、ここは民主党の「踏ん張りどころ」で一歩も退いてはいけない。

小泉ー竹中政治で広がる貧困層

2009-10-22 09:25:39 | Weblog
前の自民党政権がひた隠しにしてきたわが国の貧困率について、政権交代した民主党政権が発足後30日あまりで調査し、公表した。

それによれば07年における貧困率は15.7%であった。08年分は金融危機による景気悪化もあり、09年のいまごろは20%に達する勢いも懸念されている。

小泉ー竹中一派の構造改革による規制緩和で、雇用の流動化が一気に進み、非正社員の増加は止どまるところを知らない。一方、正社員での採用はほとんど見当たらないのが現状である。

経営者に都合のよい政策が進められたからだ。この結果、収入の激減でワーキングプアが増加。収入格差も著しく、親の置かれた環境により子の教育にも悪影響を及ぼす深刻な事態になっていることはすでに新聞・TV等で報道されているとおりである。彼らは小泉ー竹中政治に翻弄された人たちといえる。政権与党は小泉改革による今の格差社会を是正することが急務である。

10月21日付の朝日新聞「司令塔なき民主党経済政策」で竹中平蔵へのインタビュー記事が掲載された。規制緩和を続けることで雇用の増加が図れると竹中が主張していた。あきれたことにデタラメで的外れな自説を恥ずかしくもなく展開した。「経済が成長したのは規制緩和のお陰。悪くなったのは規制緩和が足りない」と相変わらず、訳のわからない自己弁護に終始し、日本を貶めた無責任ぶりには頬被りしている姿は悪人そのものと言えよう。

繰り返すが日本をここまで悪くした根本原因は小泉ー竹中政治にある。先進国では米国に次いで第2位の貧困率の汚名も着せられた。弱肉強食と格差社会を作った張本人たちを糾弾しなければ、いつまでも貧困は「自己責任」で片付けられてしまうことをおそれる。

そして、一番腹立たしいことは竹中が資本家に労働者を売り飛ばし、ピンハネして生活保証を得ている姿にある。あこぎな人間の典型そのものだ。

竹中が民主党政権云々を語る資格がどこにあろうか。朝日新聞も大切な読者に、面白半分でインチキ経済学者を登場させたり妄言を掲載してはいけない。

経団連  「政策評価」の傲慢と退廃

2009-10-20 18:37:46 | Weblog
日本経団連は加盟する企業の献金額の指標となる政策評価を「今年は時間が足りない」との理由で来年に先送りすることを発表した。時間の問題ではなく、国民の厳しい視線に耐え切れないための先送りが正直のところであろう。

経団連の07年度献金額は自民党28億円。民主党9千万円であったから、自民党を最大限に利用し、利権を取り込んでいたことが明らかにされている。

A~Eまでのランクを付けて、言いなりの自民党に多額の献金が流れるよう、恣意的な評価もしていた。国民の怒りを買って退場させられた自民党には最高ランクのAが10個だったのに対し、民主党には1個もなかったという。ずいぶん国民感情と乖離した、いい加減な評価をしていたものである。

この評価に気を良くしたのか金権自民党は経団連のロボットと化して、国民の生活破壊を進め、大企業の提灯持ちまで買って出ていた。経団連が国民の生活に直結する憲法問題を始め、税制度や医療、労働法制などさまざまな分野に我が物顔で口出ししていることに自民党は遮ることなく「やりたい放題」を黙って見過ごしてきた。

あこぎな利益ばかりを追い求める経団連と、それに追随する自民党の存在は「社会悪」でもあった。強欲経団連が日本経済に与えた影響は計り知れない。市場原理主義のもと、社会的弱者や貧困層を生み出し、格差社会形成の役割を担いだ経団連の責任を問う必要がある。

政策評価で政治を買収するヒマがあったら、社会貢献活動に軸足を移すことである。いまの経営者たちには、それだけの器量を持つ人物は残念ながら見当たらない。欲の皮の突っ張った経営陣が揃っているからだ。

今回政策評価が先送りされたことは自民党同様、経団連没落の象徴として捉えることができる。おごれるもの久しからずだ。

派遣法 規制強化は民意を反映

2009-10-08 22:25:18 | Weblog

労働者派遣法改正に向け、厚労省で労使を含む審議会がスタートしたという。派遣法見直しでは、民、社、国民新の3党連立政権合意では「日雇い派遣」「登録型派遣」は原則禁止である。また、製造業への派遣も専門業務以外原則禁止である。

当たり前のことだが、この規制強化に経営者側が猛反発している。製造業派遣の場合、、その理由は経営への影響を懸念して、「コストアップで競争力が損なわれる」「自前で人集めできない」ということが主らしい。これでも経営者だろうか。

反対の理由を分析すると、「賃金の安い労働力で、いつでも派遣切りできる人であれば誰でもいい」ということになる。労働者派遣法が経営者たちにどれほど役に立っているかよくわかる。これほど都合のいい法律はあるまい。だから規制強化に反対しているのだ。これは受け入れ先の話である。

一方、供給側の派遣会社も規制強化に大反対している。使用者の立場を利用して、労働者たちに規制強化に反対するよう、不当な署名集めもした。規制強化は労働力の搾取ができなくなることから死活問題なのだ。

本来、派遣会社は自らが正規雇用して、従業員との折半の厚生年金や社会保険料を控除して、満足のいく福利厚生を従業員に提供し、そのうえで従業員を派遣することがあるべき姿である。夢のような話ではない。そんな会社が見当たらないだけだ。

9割以上の派遣会社はお客の派遣先に都合を合わせるため、「日雇い」「スポット」「登録型」が一番好都合なのである。当然のことであるが不安定な雇用と低賃金労働を強いられることになる。そのうえ契約も細切れである。これほど経営者に都合のいいことはない。

これに加え、審議会では労使の調整役である公益委員の大学教授が規制強化に難色を示しているという。経営側には願ってもない味方であろう。これこそニセ学者というべきである。いたずらに経営側に組しているからだ。世間の動きに疎い人物が公益委員とは聞いてあきれる。

政府は来年の通常国会に改正案を提出する段取りであるが、経営側の反発は強い。しかし、3党連立政権合意は民意を反映した結果である。忠実に派遣法を規制強化しなければならないことである。万難を排して成立させなければ政権瓦解へまっしぐらだ。


亀井金融相   経団連を痛烈批判

2009-10-07 21:10:53 | Weblog
日本経団連の前身、日経連が95年に発表した「新時代の日本的経営」は雇用について、正社員の幹部候補生以外は、必要な時だけ使う派遣や契約社員、さらにはパートやアルバイトに任せるという内容のものである。

これの発表があってから労働法制の規制緩和が進み、99年には橋本政権下で派遣法が原則自由化された。その後04年には小泉政権により、製造業や医療業界にまで派遣労働が認められるようになった。

これにより雇用の流動化は止どまることを知らず、いまだ経験したことのない貧困社会が形成された。そして、わが国は米国に次いで、世界第2位の貧困大国となってしまった。

働けど働けど生活が向上しないため、将来不安は募る一方である。時の自民党政権はこれにテコ入れもせず、貧困は「自己責任」と一方的に押し付けてきた。経団連も自民党政権の下、まるで国政を取り仕切るかのように自民党に同調。破廉恥な振る舞いをして、その見苦しさを国民に披露した。

先の総選挙では、国民の怒りを買った自公政権は退場させられ、代わって民主党連立政権が誕生した。折りしも、鳩山内閣の亀井静香金融相が国民新党代表代行のとき、経団連御手洗富士夫会長と今年3月に懇談した際、大企業は労働者を大切にする日本的経営を捨てたと批判していたことが紹介された。

曰く「大企業は内部留保をため込んでおきながら、リストラした。人間を尊重せず道具として扱っていた」と。また貧困化により親族間の殺人事件や家族の崩壊現象を招いたのは「経団連に責任がある」と手厳しく批判したともいう。

亀井氏の言うとおりである。経団連は利益を掠め取るため、献金攻勢で自民党政権を籠絡し、貧困化する社会の形成に加担してきた。民主党を始めとする与党は、犯罪者集団とも言うべき、経団連の罪状を国民の前に晒すことが必要である。

当然のことながら鳩山新政権は、経団連と距離を置く政策に専念しなければいけない。また3年と言わず、すぐさま企業・団体の献金の禁止を法制化することだ。

日本郵政  広告368億円ずさん契約

2009-10-06 18:48:20 | Weblog
07年度146億円、08年度222億円、合計368億円の商取引で契約書も取り交わさないずさんな会社がある。発注先「日本郵政」受注先「博報堂」だ。

肝心の契約書も取り交わさないことから、なにやら後ろめたい取引がありそうだ。それも利権絡みのドロドロしたものではないか。

日本郵政は07年10月に民営化されたが、その直後に博報堂と宣伝・広告について独占契約を結んだ。民営化以前は大手の「電通」や「大広」などとも分散して契約していたため、公平性は保たれていた。これだけの取引をしながら、日本郵政は博報堂の「言いなり」ではなかったか心配されるところだ。

通常の常識であれば、3~5社で競争させることで取引過程の透明化は図れるが、日本郵政の場合、明らかに異常と言う他はない。どのような過程で契約に至ったのか公表する必要がある。

それにしても日本郵政経営陣は、一体なにを考えているのだろう。西川善文社長は、所管の鳩山元総務相を辞任に追い込んだ人物だ。前代未聞のことであった。不透明な「かんぽの宿」売却問題を起こしながら、居座りを決め込んだ西川氏こそ辞めるべきことだった。

現職の地位にしがみついていることは、余程、うま味のあるポストなのだろう。その他の経営陣もわが国を代表する一流企業トップが社外取締役として就任しているが、小泉ー竹中構造改革一派同様に、日本を閉塞状態に陥れた問題経営者たちばかりだ。

この労害経営陣の一掃こそ、日本郵政再生への近道である。繰り返すが役に立たない人物ばかりが揃ったものだ。早く辞めてもらうしかない。

協会けんぽ  保険料格差は憲法違反

2009-10-05 20:55:52 | Weblog
中小企業のサラリーマンや、その家族約3500万人が加入する「協会けんぽ」の保険料率は、これまで全国一律の月収×8.2%(労使折半)であったが、9月から都道府県単位の保険料率に改定された。保険料負担が増えるところもあれば、減る地域もある。しかし、いつ増加に転じるか安心はできない。

このことは、各都道府県に医療費抑制を競わせ、トータルした医療費に応じ、料率が都度改定されることから、高齢者の多い地域や医療過疎地で暮らす人たちに大きなハンディを与えることとなり「法の下の平等」に違反する。

すでに北海道、大阪、中国、四国、九州のほとんどの地域は料率アップにより、10月支給分の給料から、今までに比べ、多く徴収されることも決まっている。

今回の料率改定は2013年9月までの4年間は、「激変緩和」がされているものの、2013年10月以降は歯止めもなくなり、保険料格差は野放し状態になることが懸念されている。

4年後の料率も公表されたが、相変わらず北海道、大阪、近畿、中国、四国(除く愛媛)九州は今以上の高負担に泣かされ、地域間格差が一層広がることは間違いない。

本来、同じ国民でありながら、居住する地域により、保険料負担の多寡が生ずることがあってはいけないことだ。神聖な医療の世界に競争原理を持ち込んで、不平等と格差を生じさせる政治が、自公政権時代に行われてきた。国民の怒りを買い、自公は退場させられたが、負の遺産は民主党政権でも引き継がれようとしている。

誰も好き好んで病気になる人はいない。料率に格差を設けることは、受診させないための格好の手段である。政府の姑息で国民の健康が冒されようとしている。

政府は協会けんぽの赤字を解消するために、事業主や従業員に負担を押しつけ、同時に地方を疲弊させる間違った政策を改め、国庫負担を増やすことで、いびつな保険行政を軌道修正し、高福祉を国民に提供する義務があることの認識がまるでない。

森田知事  「完全無所属」で不起訴

2009-10-01 21:43:40 | Weblog
今年3月の千葉県知事選で、自民党員で東京都衆院選挙区第2支部長でありながら、千葉県民に「完全無所属」とだまして立候補、当選した森田健作氏は、市民団体などから公選法違反(虚偽時項の公表)で刑事告発されていた。

これを受け、捜査にあたっていた千葉地検は9月30日、嫌疑不十分として不起訴処分にした。不起訴理由は自民党から森田氏へ「公認されていないから」という。れっきとした自民党員でありながら、この処分理由はなんとも不可解である。

この結果もある程度予想されたこととはいえ、あっけなく不起訴処分に終わったことは、自民党政権と癒着した検察官僚が、本腰を入れて捜査したのか、はなはだ疑わしいものとなった。

それは本件捜査が自民党政権時に着手したことで、期待はずれに終わること危惧されていたからである。やはり「案の定」の結果になってしまった。最初から「結論ありき」ではなかったのか。

森田氏には東京都支部が受けた企業献金を自己の「森田健作政経懇話会」に寄付されたとされているが、知事選の選挙活動に充当したとの「黒い噂」が立ち込めた。衆院法務委員会でも「政党支部を介した違法献金」と追及されていたが、堕落した自民党政権が、のらりくらりとかわしていた経緯もある。

このように問題だらけの森田知事であるが、本人はなんら責任を感じている様子もなければ、県民への詳しい説明もない。残念ながら知事としての資質に欠ける人物である。