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詩的断章「雉鳩」







        雉鳩


雉鳩の
Ruphlattatah
Ruphlattatah
Ruphlattatah
朝のけだるい音楽は
気の遠くなるほど長かった
小学校の年月
あの朝
雉鳩の聲を聞いてから
五十年は経っている
それまで
仲好く遊んでいた
栗田くんとは
別れ際
きまって夕日の中へ
自転車を倒して
逃げたっけ
ぞくぞくした
嫌な奴だったな オレ
栗田くんの
怒って叫ぶ顔が見たかった
インディアンにとても似ていたから
日の終わりの栗田くんの叫び
てめぇぇ なんで そんなことすんだよ!
理不尽との付き合いも半世紀か
翌日はけろっとまた仲好くなって
Ruphlattatah
Ruphlattatah
Ruphlattatah
いま雉鳩が啼いている
変わらない聲で
桶中の校庭は
少女たちの
発声練習の聲で溢れている
こんにちはー
さようならー
ありがとうございましたー
少女たちの聲はずいぶん変わった
その抑揚
その歌い方
わたしの子宮が疼くよ
子宮のないわたしの
あの頃のように
悪いいたずらはしなくなったが
善いことをしているつもりで
とてつもない悪をなしている
どこかの
栗田くんに
そんな気がしてならない
Ruphtottatah
Ruphtottatah
Ruphtottatah
Ruph
Tottatah
Ru
Ph
To
Tta
Tah
Ruph
Rui
Rui
Rui
Ruines














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一日一句(1157)







涼しさや欅の空は揺れのこり






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