気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Hide by Lisa Gardner

2010-10-10 12:33:57 | 読書感想

Annabelle  Grangerは 両親と共に7歳のときから今に至るまで 理由も分からないままに 頻繁に転居を繰り返し 行く先々で名前を変える生活を送っていた。その間に 母が死に やがて父親が死に独りぼっちになってからも 偽名を使って喫茶店の店員をしながら、かって住んでいたボストンの町にもどり友人も作らず、ひっそりと暮らしていた。
そして 32歳になった今、彼女は新聞に自分の死亡記事が載っているのを発見する。

マサチュウセッツ州警察のBobby Dodgeはかって州警察のエリートチーム、狙撃班に所属していたが、ある事件をきっかけにチームを抜け 殺人課の刑事に転進してわずか二日目。かって恋人同士で今は仕事仲間であるボストン市警の殺人課捜査主任のD.D.Warrenから捜査協力の依頼をうける。
刑事としての経験の浅さに不安を感じながらも 現場に出向いた彼は その悲惨な状態に慄然とする。
現場は 元精神病院の跡地で 発見された地下の穴倉の中にプラスチックバッグに入れられたミイラ化した少女の全裸遺体が6体置かれていた。

二人は 少女を誘拐して地下の穴倉に監禁するという手口から 80年に起きた事件を思い出していた。
Richard Umbrioという男が12歳の少女 Catherine Gagnonを誘拐し 地下の穴倉に閉じ込めて性的暴行を加えていた。およそ 一ヵ月後 たまたま通りかかったハンターたちによって救い出され、Richard Umbrioは逮捕され刑務所に送られた。

遺体の様子から 数十年前の事件だと考えたぼBobbyは これらの少女もRichard Umbrioによって起こされた事件なのか調べようとする。
そんな中 Annabeleが警察にやってくる。
Bobbyたち 警察は殺された少女の遺体が身に付けていたペンダントから 少女の一人をAnnabeleとして記者会見していた。
理由もわからずに偽名を使い各地を転々としていたというAnnabeleの話を半信半疑で聞いていたBobbyとWarrenだったが Annabeleがかっての被害者Catherine Gagnonに 双子と思われるほどそっくりな様子に気づく。
Annabeleの話によると、遺体をAnnabeleと断定したペンダントは 彼女が親友のDori Petracelliに貸したものであることが判明する。 

Bobbyが Annabeleの話に基づいて捜査してみるとそのDoriは Annabeleたち家族がその地を去った7日後 行方不明となっていることが分かる。
 また、Bobbyが地元の警察に調査を依頼すると、当時、彼女の父親は 警察にAnnabeleに対するストーカー被害を再三にわたって訴えていたことがわかる。そして、彼女の向かいの家の屋根裏に何者かが秘かに忍び込んでいた形跡があり その男が撮ったAnnabeleの写真や彼女の日課が克明に記入されたメモなどが発見される。それにたいして警察が なんの手も打たないことを知った数日後 Annabele一家は忽然とその地を去っていた。

しかし、Annabeleがストーカー被害を受けたのは82年、疑わしいと思われたRichard Umbrioは 刑務所に収監されていた。
彼が連続殺人の犯人である可能性はない。しかし、犯行の手口、CatherineとAnnabeleの相似性、二つの事件に関連があるのではないかと考えたBobbyは CatherineとAnnabeleを会わせてみることにする。
そして、そのことから衝撃的な事実がわかり、BobbyとWarrenは事件について発想の転換を迫られる。

Annabeleは自分の身代わりとなって殺されたDoriについて 深い悲しみを感じ、犯人に対して激しい怒りを覚え、今度は逃げることなく犯人に対決することを決意し、Bobbyたち、警察に協力しながら自らも積極的に調査を開始する。

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アメリカのミステリーには こういう少女に対する性的暴行を加える事件を題材にした話が多い。それだけ あちらではこういう事件が頻発しているということなのか。アメリカ社会の退廃を感じて アメリカのリッチな社会にあこがれる僕は がっかりする。
(おそらく著者が取材したと思われる)Catherineが誘拐されてからの30日間の出来事はなかったかのようにふるまう、実は何が起きていたのか興味津々の家族や友人など周りの人々の態度に対する彼女の辛さや憤りは 性的被害者の気持ちを伝えていると思う

ミステリーとしてもおもしろかった。
ストーカーから逃げるだけなら 何故、そんなに引越しを繰り替えすのか?闇に隠れていた犯人が再び動き出したのか、Annabeleがまた何者かに狙われる。犯行の手口について前ふりがあって こいつが犯人だろうと読者に思わせておいて 実は そいつにはしっかりしたアリバイがあって・・・など最後まで楽しんで読みました。


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