気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

 The Forgotten Girls by Sara Blædel

2017-07-18 19:12:58 | 読書感想

デンマークの都市、RoskildeとHolbakの間にある森の中で中年の女性の死体が発見される。女性は誤って5メートルの崖から落ちたと思われ事件性はないと考えられた。女性は顔半分を覆う酷い火傷の跡があり身元はすぐに判明すると思われた。しかし、4日経っても警察は彼女の身元を確認できず、新設されたSpecial Search Agency(失踪人特捜班?)に身元の特定は任されることになる。

毎年、デンマークでは1600件の失踪が報告され、多くは、所在が発見されたり、死体として発見される。しかし、未解決の失踪人のうち5人のうち1人は犯罪に巻き込まれていることが警察の統計で明らかにされていることから、一年の期限付きで、未解決の失踪人を捜査する特捜班が新設される。新設された班の責任者に任命された元殺人課の刑事Louise Rickは、特捜班の存在の必要性が認められるかは、この一年にかかっているので彼女は何らかの成果を見せる必要があった。。彼女の最初の仕事は、Holbakの森の中で発見された女性の身元を突き止めることだった。


Louiseは女性の年齢を30〜50歳と推定し過去の失踪人届に該当者がいないか調べて行く。発見された女性には顏半分を覆うほどの火傷の跡があるという大きな特徴があり、マスコミに彼女の情報を公開したら、親族や隣人が連絡してくる可能性が高いと思われ、彼女は情報を公開して一般からの情報を求める。

その一方、彼女は死体が発見された現場の検証と死体を発見した森林作業員から事情を聞きに現場に向かう。彼女は事件現場に向かう途中、泣き叫んでいる乳幼児たちを発見し、彼らを保護するが、彼らを連れてきた保育士の女性が無残に殴打された上レイプされて殺されているのを発見する。Louiseは事故現場が近いことから、身元不明の女性とこのレイプ殺人と関連性を疑うが、女性は急斜面を滑り落ちて死んだことや急斜面の上に残っていた足跡は彼女のものしかなかったこと、衣服に乱れがなかったことなどから事件の関連性はないと思われた。

そんな時、女性を知っているという電話が入る。昔、精神障害者の収容施設Eliselundで介護士として働いていたという女性は発見された女性は彼女の顔の火傷の痕からLisemetteという名前で3歳の時にEliselundに入所してきたと伝える。そして入所した子供達を両親が訪ねることはなく子供達は’forgotten children’と呼ばれていたと話し、介護士たちは子供達の両親の名前を知る必要はなくLisemetteの両親の名前は分からないと話す。我が子が精神的障害があるとわかると親子の縁を切り見捨てる親に怒りを感じながらも、Louiseは、入所した時の記録が保管されていると思い、現在は収容施設からデイトリートメントセンターに変わった施設に向かう。

当時の資料を発見した彼女は女性の名前がLise Anderson、顔に受けた火傷は8歳の時に受けた傷で彼女には双子の妹Metteがいることが分かる。そして、Liseは31年前、18歳で死亡したという死亡証明書が添付されていることに愕然とする。死んだ女性は検死解剖の結果、火傷の痕ばかりではなく、判明した手術痕がLiseの資料と一致していることからLise本人に間違いなかった。だが、彼女は、はるか昔に死んでいたことになる、理屈が通らない結果に彼女は困惑する。さらに死亡証明書によると双子の妹も同日同時刻に死んでいた。彼女は、住民登録で双子の死亡が登録されているかチェックするとともに、Liseの両親の住所を突き止め、彼らが姉妹の埋葬を行なったことを確認しようとするが、Liseの父親は埋葬に立ち会っていなかったことを認める。

もし、死亡証明書が偽造さていたら、もう1人の双子もまだ生きている可能性がある。彼女は父親にMetteの失踪人届を提出させ、妹Metteの捜索に全力をあげる決心をする。

そんな中、Louiseは、森の中で最近続けざまに起きているレイプ犯とLiseがつながりが持っていたことを知る。

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事件の舞台はデンマーク。発音できない町の名前や人々の名前、それらの名と事件とを結びつけるのに戸惑ってしまった。また、双子の姉妹の名前Lise,MetteをLisemetteと一つにして呼んでいることにも違和感を覚えた。

精神障害のために親からも縁を絶たれ、世間と隔絶して生活している子供達(forgotten children)というテーマは、ユニークで非常に興味深く読ませてもらった。子供たちは誰も来ないゲートの傍で佇み、ひたすら誰か来るのを待ち焦がれている。子供達の孤独を感じてジーンとくる。

ヒロインLouiseのすこし軟弱なところは不満。事件の捜査中、昔、彼女に起こった悲劇的な出来事を知っている人間に出会ったとたん、意気消沈して、捜査を続行することができず、仕事を休んでしまう。

また捜査の手順が滅茶苦茶、事故死だと思われるせいかもしれないが。警察がこういう場合、こう行動するという捜査の常識があると思うのだが…例えば、女性について知っているという電話があった場合、その人に会いに行くのが捜査の常道だと思うのだがやらない。また姉妹の1人が生死不明というのにも関わらず緊張感も感じられなかった。


E-book(Kindle版)★★★ 307ページ 2015年2月出版 527円(2017年購入)





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