2016年 Shamus Award for Best Paperback Original PI Novel
サンフランシスコの私立探偵Jack Diamondは、聖パトリックの夜、友人とバーをはしごする。二日酔いで迎えたの最悪の翌朝、彼は地元マフィアのTony Carlucciから従兄弟の息子Benny Carlucciが警察に窃盗、殺人の容疑で逮捕されたので何とかして欲しいと頼まれる。裁判所に向かった彼は審理を終えたBennyを発見、Carlucci一家のお抱え弁護士Lionel Katzから事件の概要を聞く。Bennyはトランクに死体があるのを知らずに、たまたま鍵付きの車を見つけ家まで乗って行こうとした窃盗だけを認め、殺人は否定していた。Carlucci家は、Jakeにトランクに入れられた男を誰が殺したか突き止めるよう要求する。Jakeは今日が最悪の1日になる事を予感する。
SFPDの巡査部長 Rocky Johnsonは高層マンションの夜勤の管理人が殺されたという通報を受け現場に向かう。現場に着いた彼は、そのマンションの35階に住む検事補のRoberto Sandovalが銃殺されているのを発見する。犯行は深夜に行なわれ、殺人犯はガードマンの首を捻って殺した後、35階に上がり検事補を銃で殺したと思われた。マンションの住人の1人が犯行時刻と思われる時間帯に、顔をサングラスとスカーフで隠した女性がマンションから出て来るのを目撃していたが、髪や目の色などの特徴を述べる事ができなかった。
現場を捜索していたJohnsonは休暇のはずのLaura Lopez警部が現れたのに驚く。また証拠品としてテーブルの上に置かれていた手紙を、彼女が秘かに持ち去ろうとしているのを彼は目撃する。不審な彼女の行動を問いかけようとした彼に、Lopezは彼をこの捜査から外し、昨夜起きた車のトランクの中に発見された死体についての事件を担当するよう命じ、彼を戸惑わせる。彼は、この事件から外されることに反論しようとするが、何時もと違う彼女の様子に何かを感じ命令を受け入れる。
彼は現場を去る時に、死体を発見、現場保存をしていた警官に女性を目撃した男に再度、事情聴取を行い、女性について具体的な情報を得るよう求める。その警官から聴取の結果を聞いた彼は、目撃された女性がLopezだった可能性が高いと思い始める。そして、直接、彼女から事情を聴こうとした彼は彼女から回答を拒否される。彼女の名誉を守るため警察内の誰かに相談することができないと考えた彼は、Lopezの不審な行動を探ってもらうために、Jake Diamondを雇うことを考える。
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Jakeが主人公のこの本はシリーズ4作目のようだが、いきなり4作目から読んでも問題なかった。場面展開が早く、劇画コミックを読んでいるよう。ちゃらんぽらんな探偵Jakeと生真面目な刑事Johnsonという対比でストーリーは進んでいくが、Johnsonの捜査のほうが迫力があり面白い。別々に進められた捜査がやがて絡み合い、もつれて面白くなっていくのだが、とにかく登場人物が多すぎて誰が誰だかわからなくなって混乱してしまう。冒頭に人物紹介の一覧があるが電子書籍では戻るのが面倒である。
また、本の紹介で刑事と探偵は犬猿の仲と書かれていて、どうやって折り合っていくのか興味津々だったが、JohnsonがJakeに調査を頼むなど、彼とJakeは仲が悪いように見えず、ちょっと期待外れ(?)だった。
他の誰かが感想に書いているが、短い小説のわりにいろいろエピソードを詰め込みすぎだと思う。
E-book(Kindle版) ★★★ 242ページ 2015年4月出版 512円(2016年購入)
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