気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Last to Die by Tess Gerritsen

2014-10-12 12:20:09 | 読書感想


ボストンPDのJane Rizzoliは母のAngelaと父親Frankの口論の仲裁に忙しいとき、上司のCroweから電話がありすぐ殺人現場に来るように命令される。
現場は高級住宅地のBeacon Hill、犠牲者は銀行家で慈善家としても知られるBernard Ackermanと妻Cecilia、そして3人の養女。いずれも銃で撃たれて殺されていた。家族の中で唯一難を逃れた里子の14歳の少年、Teddy Clockはショック状態にあり誰とも口を利こうとはしなかった。Croweは少年の心を開かせるには女性であるJaneが適任であるとして彼女にTeddyの事情聴取を命ずる。現場に着いたJaneは一つ一つの部屋を丹念に回り住んでいる人すべて皆殺しにしようとした殺人者の手口に戦慄を覚える。呆然としているTeddyと話そうとしたJaneは、彼を保護した隣人から里子として彼がAckerman家にやってきた経緯を聞いて衝撃を受ける。2年前Teddyとその家族はヨットで世界一周旅行をしていた。ある夜、西インド諸島に停泊中、何者かに就寝中を襲われ両親と妹を殺され、彼だけが唯一の生存者として海に浮かんでいた。
そして、やっとJaneに心を開いたTeddyは彼が寝台の下に隠れていて男の靴以外なにも見ていないと話すが、両親を殺した男が彼を殺しにやってきたと確信していて、また自分を殺しにやってくると絶望な眼差しでJaneに告げる。
Teddyの絶望的な表情を見て、Janeは2年前の未解決の事件と今回の事件の関連性を考える。

しかし、犠牲者宅には押し入った形跡がないことや警報装置が解除されていたことから、この家の鍵と警報装置の解除の仕方を知っている家政婦Maria Salazarとその恋人Andres Zapataが有力な容疑者として浮かび上がる。Zapataは窃盗や麻薬密輸で逮捕歴があり、侵入路と思われる台所から彼の指紋が検出されたことから警察は彼を犯人と断定して指名手配する。Janeは強盗にしては夫妻の財布が手つかずに残されていることや高価な宝石なども盗まれていないことなどからZapataが犯人と決めた捜査方針に疑問を感じる。

そんな中、ボストン警察のMEで親友でもあるMauraからJaneの携帯電話にメッセージが届く。
Mauraはかってワイオミングの山中で共に生死の境をさまよったJulian Perkinsという少年と2週間の休暇を過ごすために彼が学ぶ寄宿学校にいた。Mephisto Societyが運営する、その施設は人家から離れた森の中の広大な敷地に厳重な警備システムを設置し、親や兄弟を殺された子供たちに一般の授業のほかに社会でのサバイバルの仕方を教えていた。
そしてその子供たちの中に、最近、Teddyと同じように2年前に両親を殺され、先月里親を殺されたClaire Ward,Will Yablonskiの少年少女二人が加わっていることをMauraは知り、ただちにJaneに知らせてくる。
Janeは里子を狙った事件が他に2件もあったことに驚き、Teddyの事件との関連を調べるためTeddyを訪ねる。そこで彼女は何者かがTeddyを預かった里親の家に侵入しようとする場面に遭遇するが、侵入者は警官であるJaneの存在を察知したのか何もせずに去り、事なきを得る。しかし、警察関係者など一部の者しか知らないTeddyの居場所を侵入者が知っていたことに危機感を持ったJaneはMauraの勧めに従いTeddyを警備が万全で関連性が疑われる二人もいるという寄宿学校に連れていく。

JaneはWards家、Yablonskis家、Clocks家の両親と子供が場所は異なるが同じ年の同じ週に殺されていて、2年後、その惨劇から生き残った子供たちが再び命を狙われたのは偶然ではないと捜査会議で主張するが、2年という月日の経過、同じ犯人とするには犯行現場がロンドン、Maryland州、そして西インド諸島とあまりにも離れすぎている、として彼女の主張は却下される。
しかし、Janeは3人の家族にはつながりがあると確信し、それが何か?そして、そのつながりの中に殺人者が潜んでいると考え 捜査方針に反して単独で3家族の捜査に取り組んでいく。そして、殺人者がまたTeddy達3人の命を狙ってくると確信し、Janeは彼らを殺人者から守りぬくことに全力をあげることを決意する。

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最初、この本を読み初めて感じたのは昔々、読んだミステリーのプロットのことだった。
幸い、僕の思ったそのミステリーの展開にならなかったが。両親が殺されて孤児になった子が2年後また狙われるという設定に興味を魅かれ、物語に引き込まれていった。そして予想以上の思いがけない展開があり面白く読めた。

また、殻に閉じこもっていた少年たちが同じ境遇にある仲間に徐々に心を開いて立ち直っていく様子は、読了後、さわやかな気持ちにさせてくれる。


久しぶりにこのシリーズを読んだ。前に読んだときはJaneが妊娠中だったと思う。その子が産まれて一児の母親になっている。JaneとMaura、年齢が書かれていないか読み落としたかわからないが、Mauraはすごく落ち着いて見え、Janeの方がMauraより若いように思う。Mauraの静とJaneの動、Janeが捜査に動き回り、捜査に行き詰まったときなどにMauraがアドバイスする。このパターンが僕は好きで、たまにMauraがメインになって活躍する物語もあるようだがあまり読書欲をそそられない。

 本の長さ 353ページ  ★★★★  Kindle版 873円


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