背中にうそぶく 獣の刺青を
上等なスーツの下に隠し
人の血からひねり出した
金を食い
人の肉で作った
家に住み
人の目玉を埋めて育てた
巨大な林檎の実をかじり
魂のない自分を
幻のごとくぼんやりと生きる
歩いているのは誰だ
わかりはすまい
ずいぶんと あわれなものになったな
にんげんよ
いや もはやにんげんではない
人の魂を 古新聞の代わりに
焚きつけにつかい
沸かした風呂にくつろぐ
たらふく血を吸ったダニが
だるまのようにぶくぶくと太り
湯船で讃歌を歌う
蝋の涙を流す 水銀のダニよ
殺してほしかろう
今すぐにでも 誰かの剣に
すがりついて 死んでしまいたいだろう
安心せよ
ゆっくりと みごとに
殺してやる
骨も肉も ばらばらになるほどに
阿鼻叫喚の地獄を
貴様一人の芝居でやるように
その罪をすべて
薪と燃やして海を沸かさんごとくに
たっぷりと 殺し
骸を水の餌にしてやる
麦を刈るように
その首を刈り 山と積んで
黒い記憶の眠る果てもない砂漠の中に
おまえたちが殺した嬰児の幽霊の住む
りっぱな城を造ってやろう
待っているがよい