月の岩戸

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アケルナル・11

2017-02-18 04:39:24 | 詩集・瑠璃の籠

醜悪期とは
自己存在が乗り越えていかねばならない
試練の時期である

幼い頃は神が美を着せてくれ
また感じる心も小さいがゆえ
自分の形を見て苦しむことはない

だが人間ほどに大きくなり
感受性が発達してくると
明らかに自分の姿が見えるようになる

その姿が
自分より進んだ存在と比べると
決して優れているとは言えないということに
気付く
そこから新たな難が始まる

人間は
自分より美しいと感じたものに嫉妬し
馬鹿なことをやり始め
一層醜くなり
きついことが増える
それをごまかすために
馬鹿をやればやるほど醜くなり
それを嘘と技術でごまかそうとして
また一層おかしな姿になる

その泥のように暗い苦悩の海を進む
それが醜悪期というものなのである

自分が醜いということほど
自分にとってつらいことはない
だがそこを本当に乗り越えるためには
どうすればいいのかを学ぶためにあるのが
醜悪期でもあるのである

美とは一体何か
愛とは一体何か
真実の姿をつかむことができた時
人間は本当の自分の美の姿を求め始める
真っ正直に生きることが
一番美しいことなのだとわかる

それが美しいということなのだと
心が理解したとき
そのものはすでに美しい

それはもはやかつてない美だからである




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