ダリム・３

人間が嫌なことをするのは
自分がついている嘘が
ばれるのが怖いからです

本当の自分を隠して
盗んだ美を着こみ
まったく違う人間の振りをしている
その嘘を保つために
ひどいことをしている
そんな愚かな人間だということが
たまらなくつらいからです

嘘偽りのない自分をやっている
本当の人間が一人でもいれば
自分の嘘が明らかにわかってしまう
それがたまらなくつらくて
嘘の人間は嫌なことばかりして
本当の人間をいじめるのです

謀略の限りを尽くして
本当の人間に嫌なことを押し付け
あっちの方が馬鹿なのだとして
自分を救おうとする

二度といやだという
あまりにも
馬鹿なことをした
自分など自分ではないのだ
この嘘で作った自分の方が
自分なのだ
そういうことにするために
すべての本当の人間を滅ぼす

嘘の人間は
何千年の月日を
そのためだけに生きてきた

二度とない自分の人生を
それだけのために使った
人を馬鹿にして
いやなものにし
自分を本当にいいものにするために

それで何が残ったのか
何も残りはしない
何もいいことはしてこなかった月日の中で
あふれかえる罪の反動の嵐の前に
何もできない本当の自分が
取り残されるだけなのです