月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アルフェラッツ・16

2017-06-30 04:14:59 | 詩集・瑠璃の籠

こんなに
嫌なことばかりする
馬鹿な人間を
愛してくれる神など
馬鹿なのだと言って
しまうのが馬鹿なのだ

きついことをしても
痛いことをしても
永遠に許してもらえると思っている
馬鹿のままでいたら
永遠に
神に何でもやってもらえると
思っている

最も大切なものを
愚弄しつくして
滅ぼし尽くしても
まだ神が許してくれるのではないかと
追放の門が近くに寄って来ても
神の空をぼんやりと横目で仰ぎつつ
待っているのだ

助けてやるという
あの懐かしい声が
聞こえてくるのを
馬鹿め

その声の持ち主は
今さっき
おまえたちが全部消してしまったのだ
それすらわからないのか

嫌なことをやりつくせば
神が許すことのできる
永遠の蔵を全部
殺してしまうのだ
そうすれば
神は愛をひっくり返すことを
未だに知らないのか
阿呆よ

出て行くがよい
おまえが望んだとおり
馬鹿な神のことなど馬鹿にして
永遠に自分だけが
神よりも偉い
自分の世界に出て行くがよい

帰って来てはならぬ




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