ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

ALSOを学ぶ意義は?

2012年10月30日 | 周産期医学

日本国内の総分娩件数は年々減少してますが、それ以上のハイペースで国内の分娩取り扱い施設数が減少してますので、地域によっては限られた分娩取り扱い施設に分娩が集中し、施設の分娩件数が年々急増しています。当飯田下伊那地域内の総分娩件数も長期的に年々減少し続けてますが、地域内の分娩取り扱い施設数減少のために当科の分娩件数は最近の数年間で倍増しました。最近は月100~120件程度で推移してます。

地域の産科医療提供体制を維持していくためには、産婦人科医だけではなく、小児科医、麻酔科医、助産師、手術室ナース、救命救急医、救命救急士など、いろいろな職種の人達が、周産期の緊急事態に対して、一つのチームとして一致協力して仕事をするシステムを作ることが重要です。

多くの職種の人達が救急医療チームとして協力して仕事をしていくための世界共通の教育・トレーニングシステムとしては、BLS(Basic Life Support、一次救命処置法)、ICLS(Immediate Cardiac Life Support)、ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support、二次心肺蘇生法)、PALS(Pediatric Advanced Life Support、小児二次救命処置法)、NCPR(Neonatal Cardiopulmonary Resuscitation、新生児心肺蘇生法)などがあり、これらのプロバイダーコースは世界的に普及し、いろいろな職種の人達が一堂に会して学んでます。

産科領域でも、いろいろな職種の人達がチームで一致協力して周産期救急に対応していくための世界共通の教育・トレーニングシステムとして、ALSO(Advanced Life Support in Obstetrics)というものがあり、日本での普及に熱心に取り組んでいる人達がいらっしゃいます。私がALSOの存在を初めて知ったのは昨年暮れで、まだALSOコースには3回しか参加してませんが、これからはこの活動にもっと積極的に参加してALSOマインドをとことん学び、地域の産科医療提供体制を維持・発展させたいと考えてます。

ALSO-Japnのホームページ

ALSOとは?

第72回ALSOプロバイダーコース(日本産科婦人科学会関東連合地方部会プレコングレス)