日々是サンゴ礁

普段の生活の中でサンゴ礁保全ができるような話題を綴ってみたいと思います

プラスチックでサンゴが病気に??

2018-01-27 01:27:01 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること

渡嘉敷島で観察されたサンゴの病気(黒帯病) 撮影:番田武六

サイエンスに「プラスチックでサンゴが病気に」なっている可能性があることを示唆する論文が発表されました。関連する記事が以下でご覧いただけます。

サンゴに大量のプラスチックごみ 米チーム調査、細菌付着し病気に

Billions of Plastic Pieces Litter Coral in Asia and Australia

コーネル大学等の研究チームがオーストラリア・インドネシア・タイ・ミャンマーの159か所のサンゴ礁におけるプラスチックごみの影響を調べる中で、プラスチックが多いサンゴ礁にはサンゴの病気も多いことが分かりました。すなわち、プラスチックごみに関する規制が強いオーストラリアではサンゴの病気は少なく、規制が弱いインドネシアではサンゴの病気が多かったのです。

サンゴの病気とプラスチックの関係としては、例として「病気の原因となりうるビブリオ菌群がポリプロピレン樹脂を好む」、ということが英語の記事に書かれています。

ビブリオ菌がサンゴの病気を引き起こす、というのは良く知られているようで、検索するとサンゴを飼育するアクアリストの方の記事が沢山出てきました。一方、ポリプロピレンとビブリオ菌の関係についてはちょっとネット検索をした範囲では出てきませんでした。ご存知の方は教えていただけると嬉しいです。

海のプラスチックごみについては近年国際的な議論が高まっており、生物多様性条約(CBD: Convention on Biological Diversity)の締約国会議(COP: Conferece of the Parties)・科学技術助言補助機関会合(SBSTTA: Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice)・条約実施補助機関会合(SBI: Subsidiary Body on Implementation)でも継続して議論されています。この対策として欧州を中心に包装容器やストローを使い捨てしないようにする規制が検討・実施されつつあります。周囲を海に囲まれた日本でも、漁業における海洋ゴミ被害や沿岸での漂着ゴミ問題が大きくなっています。海洋ゴミの8割程度は陸由来であるということが幾つかの調査で分かっていますので、海洋ゴミ問題を解決するには、陸ゴミに手を打つことが重要です。国際的な議論や動向を国内で活かせるよう、議論や提言を進めたいと思います。


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