日々是サンゴ礁

普段の生活の中でサンゴ礁保全ができるような話題を綴ってみたいと思います

みんなでサケさがそ!フォトコンテスト2015(投票1/24まで)

2015-12-25 23:23:23 | 生物多様性
野生生物保護MLより転載します。

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みんなでサケさがそ!フォトコンテスト2015開催のお知らせ

SWSPでは、みんなでサケさがそ!で多くの市民の方にサケの写真のご投稿を頂きました。
2015年シーズンでは86枚の写真が投稿されました。投稿された皆様、ありがとうございました。

さて、1月30日で開催されるSWSP市民フォーラムで「SWSPケータイフォト作品表彰式」が行われます。
表彰作品は以下のように選考します。

【審査員賞】1名
審査員により優秀な作品を選考します。
受賞作品は当日会場で発表し、SWSPオリジナルグッズをプレゼントします!

【市民賞】1名
ホームページより一般の皆様からご投票いただき、最多得票作品を表彰します。
受賞作品は当日会場で発表し、SWSPオリジナルグッズをプレゼントします!
ルール :
      ※お一人様一回限り、写真3枚まで選んで投票
      ※多数回投票防止のため、メールアドレスの入力のご協力をお願いします。
      ※ご自分の投稿写真の自薦は可能です
投票期間:2015年12月25日(金)~2016年1月24日(日)

【ラッキー賞】1名
市民賞の投票にて、最多得票の作品にご投票頂いた方の中から抽選で1名様に素敵な景品をプレゼントします!


結果はSWSPフォーラム及びメールにてお知らせします。皆様の多くのご投票お待ちしています!

50羽からの挑戦 アホウドリ先生に学ぶこれからの海洋保全(1/16@池袋)

2015-12-19 23:23:23 | 生物多様性
国連生物多様性の10年市民ネットワーク会員MLより転載します。

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長谷川博先生 海洋立国功労者表彰受賞記念シンポジウム
「50羽からの挑戦 アホウドリ先生に学ぶこれからの海洋保全」

 50羽という絶滅寸前の数まで減少したアホウドリ。多くの困難に直面しながらも、あきらめずにその保護に取り組み続けた長谷川博先生、混獲回避の取り組みをされている南浩史先生とともに、今後の海洋環境の保全を考えていきます。

日 時:2016年1月16日(土) 13:30~16:30(開場13:00)
会 場:立教大学 マキムホール(15号館) MB01教室
    東京都豊島区西池袋3-34-1
アクセス
   *キャンパスマップ
参加費:無料
定 員:200名
申込み:不要、直接会場にお越しください

共 催:環境省、立教大学
協 力:バードライフ・インターナショナル東京、(公財)日本野鳥の会

<プログラム>
■受賞記念講演 長谷川博先生
「50羽からの挑戦:アホウドリ研究とその保全を続けた40年」
■講演       南浩史先生
 「混獲回避の努力:海洋生態系の保全に向けて」
■話題提供    バードライフ・インターナショナル東京/ 日本野鳥の会
 「海鳥の重要海域マリーンIBAの選定」
■パネルディスカッション
 「アホウドリの保護事例から今後の海洋の生物多様性保全を考える」

講師プロフィール、詳細はホームページをご覧ください。

[ICRI](12/4)国際サンゴ礁イニシアティブ第30回総会 セッション5&6

2015-12-04 22:04:01 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
セッション5 会合の成果
○特別委員会報告
・実施・調査委員会 Dave Gulko氏
10人からコピー依頼され、3人からフィードバックを貰った。ITMEMSの前にさらに説明が必要と考えている。2つのコンポーネントを追加する予定にしている。

・ミノカサゴ委員会 Francis Staub氏
他の侵略的外来種についても取り扱うべきという意見となった。
C(Dave):他の海域でのカリブ海産の海草繁茂があり、課題となっている。強く賛同する。

○その他
・南アジアサンゴ礁タスクフォース Muhammand Khurshid氏

南アジアの8か国でタスクフォースを構成した。インド洋での取り組みに5か国が合意し、南アジア海洋プログラム(South Asia Seas Programme(SASP))を開始した。地域戦略策定やオイル流出対応などに取り組んでいる。この海域は他地域と同様の脅威にさらされている。我々は特に医薬品や食料に関してサンゴ礁の重要性を認識している。
タスクフォースは各国から政府官僚2名、専門家1名、TF窓口1名、NGO1名?などで構成されている。当面はバングラディシュ・インド・パキスタン・マレーシア・スリランカを対象とし、海洋保護区の改善やサンゴ礁の再生などに取り組んでいる。特に能力開発に注力し、地域での協働・コミュニケーションとデータ管理を行っている。
ICRIに「SACRTFの重要性の認識、持続的資金調達、南アジアのサンゴ礁の重要性の認識、2016-2017年の活動プランへの参画」を提言したい。

・GCRMNサイドイベント Jerker Tamelander氏
GCRMNは現在地球規模コーディネーターが不在状態にある。そのため、GCRMNの重要な機能である地球規模報告書の作成が円滑に進んでいない。強化を進め、2020年にその発行を目指す。また、テーマ別(ex.白化)の地球規模レポートについても作る必要がある。データ集約についてはGEOBON/GOOSによるデータ・報告ガイダンスがGCRMNの参考になる。
次のステップとしてGCRMNのコーディネーションについてICRI事務局で資金を含めて議論を継続する。また、白化データをNOAA等に提供し、ICRSセッション#65"Improving the understanding and management of coral reef socio-economic systems througgh community and stakeholder engagement"で報告する。
Q(Hugh): Metadataの重要性が抜けている。
A:メタデータは重要。そのデータベースについても進んでいる。しかし、モニタリングデータはメタデータ化されていない事が多いため、地域レポートに含めるように進めると良い。
C(Clive):FishCenterは新しいデータが無い。NOAAへのCoral-list運営と白化データ収集について謝意を示したい。
Q(Mark):白化のデータ収集についてどのレベルのデータをどのような資金でどこに入れるか?
長期的に。
A(Greg):リーフチェックがデータベースを持っていれば話が早かったのだが。Google Earthデータベースは構築中。資金調達については残念ながらコメントできない。Jermyが資金調達の良い取り組みをしているので参考にすると良い。
A(Clive):以前はICRIにGCRMN管理グループがあった。現在であれば日本とタイ。今後もそうあるべき。
C(柳谷):電子メールでの議論を進めます。その結果をまとめて事務局に送付してください。メンバーに回付します。
C(Jerker):議事録に発言が入っている。Gregの指摘に感謝。


セッション6 今後の取り組み
○イベント
・UNEA2 Jerker Tamelander氏
ICRIメンバーに参画のチャンスがある。決議に何か入れたい場合には国を通じてインプットする必要がある。

・ICRS Jerker Tamelander氏
セッション進行中。参加を。

・WCC Jerker Tamelander氏
サンゴ礁セッションは少ない。ICRI事務局はサンゴ礁関連セッションを増やすように働きかける必要がある。Daveを中心に小グループで議論し、事務局に提案し、ICRIフォーラムに投稿する。

・ITMEMS5 事務局
2016.2.25-28にフィリピンのボホール(バングラオ島)で開催する。4日間とも午前・午後にセッションを予定している。今後申込み書式をICRIフォーラムに掲載するが、申込み〆切を2016.1.6に設定しているので注意してほしい。

・次期事務局 事務局
フランスに内定した。もう一か国は今後フランスと調整する。

○日本・タイのICRI事務局の取り組み 事務局

2014-2016行動計画に基づき総会を2回開催した。①他のセクターとの協働(技術Mtg.@GM29)、②ゾーニング(今回のWS)、③活性化(20年間レビュー)、に取り組んだ。ICRIの国際貢献としてCBD COP12/WPC/Ramsar CO12でサイドイベントを開催し、ICRI Forum(Web)を運営した。また、GCRMNを支援した。特別委員会は4つ運営し、地域イニシアティブは西アジアについてGM29で会合を持った。
C(Niphon):タイにとって初めての事務局だったので良い経験になった。

・閉会の言葉 事務局
まだ20年レビューという重い仕事がある。
ICRIは地についた保全の枠組みとして重要と認識している。

C(Jerkery):全ての参加者を代表して事務局のタイ・日本に感謝。
C(Clive):前任のGCRMN地球規模コーディネーターとして、現任のJermyの支援をお願いする。日本とタイに感謝。

2016年G7サミット市民社会プラットフォーム 設立記念イベント(12/14@早稲田)

2015-12-03 23:23:23 | 持続可能な社会
国連生物多様性の10年市民ネットワーク会員MLより転載します。

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2016年G7サミット市民社会プラットフォーム 設立記念イベント
 ~NGOはG7伊勢志摩サミットに何を求めるか~

【日時】2015年12月14日(月)18:30-20:30
【場所】早稲田奉仕園 YOU-Iホール(東京都新宿区西早稲田2-3-18)
【主催】2016年G7サミット市民社会プラットフォーム
【趣旨】
★2016年5月26-27日、「G7伊勢志摩サミット」が三重県志摩市にて開催されます。G7サミットでは、経済課題やいわゆる「対テロ」・安全保障課題などに加え、環境問題や途上国の開発に関する課題も主要課題として討議されます。
★特に、G7伊勢志摩サミットは「持続可能な開発目標」(SDGs)採択後初めてのサミットとなります。SDGsについていえば、日本国内でも、格差が拡大し、気候変動の影響も強まるほか、少子高齢化により、保健・社会保障制度の持続可能性が危機にさらされています。SDGsの達成や国際保健などの課題についてG7諸国がどのようなリーダーシップを発揮するか、注目されます。
★日本のNGOは11月26日、「G7市民社会プラットフォーム」を発足させました。G7サミットに向けて日本の市民社会がどのような活動を展開すべきか、これまでG7への政策提言に長年取り組んできたジョン・ルスラフ氏(米国、インターアクション)、ケル・カラー氏(カナダ、ホワット・ワールド・ストラテジーズ)ヲ招聘し、海外での事例を学びつつ、皆さんと一緒に考えます。

【プログラム(案)】
・開会挨拶
  2016年G7サミット市民社会プラットフォーム・共同代表
・伊勢志摩サミットに向けた取り組み
  外務省シェルパからのメッセージ(調整中)
・2008年洞爺湖サミットを振り返る~成果と課題
  当時の関係者(調整中)
・世界のNGOはサミットにどのような提言をしてきたか
  ジョン・ルスラフ氏(InterAction)
  ケル・カラー氏(What World Strategies)
   ※逐次通訳付き
・志摩サミットに向けた活動事例の共有
  G7保健ワーキンググループ
・各地域の動きの共有(予定)
・質疑応答

【参加申し込み】
URLにご記入の上、12月11日(金)12:00までにお申し込みください。

【お問い合わせ】
2016年G7サミット市民社会プラットフォーム 共同事務局

 動く→動かす
TEL:03-3834-6902 E-mail:office@ugokuugokasu.jp(担当:稲場)
 (特活)国際協力NGOセンター
TEL:03-5292-2911 E-mail:advocacy@janic.org(担当:堀内)

[ICRI](12/3)国際サンゴ礁イニシアティブ第30回総会 エクスカーション

2015-12-03 22:03:01 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
今日は終日エクスカーションです。A)ダイビング、B)水族館&水上マーケットの2コースが準備されました。私はBに参加してきました(無料なので)。

・Burapha大学付属水族館/海洋研究施設
最初に副館長が取り組み概要をご紹介くださいました。

日本政府の支援で建物を設立し、国王等からの支援も受けて研究と展示を拡大してきた。財源確保も含めて養殖に力を入れており、これまでにタツノオトシゴの仲間、クマノミの仲間、ニシキテグリ、フリソデエビなどに取り組んできた。サンゴ礁の再生にも取り組んでいる。

続いて水族館を見学しました。日本から運ばれたマツカサウオ以外は近海(汽水域含む)の海産動物でした。

入口にはタイ近海の鯨類の説明と骨格標本があります。


クマノミ数種・Bangai Cardinalfish・マンジュウイシモチなども展示されています。この黒いのはカクレクマノミの色彩変異です。


ホウセキカサゴかな?


この水槽のサンゴやシャコガイはとても元気でした。


養殖しているフリソデエビ等に関するパネルがありました。


新江の島水族館の助けを借りてクラゲ養殖にも力を入れているそうです。これは単なるディスプレイですが。


イヌザメ?の孵化前の卵がいくつか展示してありました。


1.5m級のタマカイが何匹もいました。大物にはほとんど興味が無い私もこれには興奮しました。プーケットの水族館にはもっと大きい個体が飼育されているそうです。

この後、研究施設に行って実際に飼育しているところを拝見したのですが、面白すぎて写真を撮るのを忘れてしまいました・・・。

・水上マーケット
パタヤの水上マーケットは観光施設として後で作られたものだそうです。バンコクには本物があるそうです。なぜか最初に猿回しを見せられました。

ICRIメンバーの皆さん(普通のお客様も含まれています)


猿回しは3匹出てきました。久しぶりに観ました。

・レセプション
夜はレセプションでした。途中で本日誕生日だった方にケーキ進呈がありました。また、リーフチェックのGregor Hodgson氏にこれまでの労をねぎらって「特別なビール」が提供されました。

実はこれ、ディスプレイ用で飲めないんです。ジョークということですね。

[ICRI](12/2)国際サンゴ礁イニシアティブ第30回総会 セッション4(その3)

2015-12-02 22:02:03 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
・アンダマン海の海洋保護区 Petch Manoprawitr氏
アンダマン海の海洋保護区としては、海洋自然公園17カ所、禁猟区3カ所、生態圏保護地域1カ所があり、270種のサンゴが生息するサンゴ礁の62%を保全している。アンダマン海の生態圏は生物地理的な多様性があり、コア地域に18の保護区が指定され、世界遺産に応募している。
2010年に大規模なサンゴ白化が発生し、30-90%が白化し、26-100%が死滅した。その回復に向け、いくつかのダイビングサイトを閉鎖するなどの措置を取っている。1946年以降の海水温変化(HadSST2)と比較し、域内の影響を調べたところ、Tonsai湾、Yoong島、Raja Yai島で90%以上の高い致死率であった。調査の結果としては、白化は場所・潮流・サンゴの構造(種)に依存しており、必ずしも気候変動だけに影響されている訳ではないことが分かった。
その後、スリン島は5年でかなり回復したが、シミラン島は回復が遅い。復元力を24の指標を用いて半定量的手法により評価した。いくつか良い結果が得られている。

IUCNの2013年の調査も含め、サンゴ礁の復元モデルの策定を進めている。生態系レジリエンス強化に向けてはシステマチックな空間計画だが、現在の海洋保護区にはジュゴン・ウミガメの生息地などの重要な地域が一部入っていない。
複数カテゴリーの保護区をつないで生態系回廊を構築することが必要であり、そのためにミャンマーと協働した越境保全が緊急に必要となっている。
レジリエンスに基づく管理に向けては、コミュニケーションにより危機を可能性に変え、気候以外のストレスを削減して自然回復のために時間を稼ぎ、生態系に基づく管理計画を策定することが求められる。一例としては、ブダイの販売禁止を求める署名にテスコ(スーパー)が応じたことがあげられる。

・移動漁民 Narumon Arunotai氏
移動生活を行っている地域漁業コミュニティを海洋保護区とつなぐ取り組みを進めている。海洋保護区の社会文化的側面として「保護」の意味を再確認・拡大することを考えている。法的側面を整備し、地域住民が文化的側面も含めて保全を進められるように拡大したい。すなわち、サンゴ礁を、それを賢く使っている人たちを含めて保護する。これは伝統的知恵の保護でもある。
タイにはMokenと呼ばれる移動生活を行う漁民が存在する。

MokenはChao Lay(海洋民)とThai Mai(New Thai)に大別される。乾季には船で生活し、雨季には簡易な小屋に住む。以前はタイ政府から無視されていた(ミャンマーの住民と認識されていた)が、津波以降はタイ住民と認識されるようになった。なお、津波は国際的に「Tunami」と呼ばれているが、Mokenは独自の単語を持っている。Mokenは簡易な技術、高移動、ニッチな生態系の利用、独特の言語、臨時漁業キャンプを持つ、などの特徴を持つ。
UNESCOの支援を受け先住民と地域コミュニティに関するプロジェクトを実施し、報告書に掲載した。この中でMokenのグループを構築し、オーナーシップを作った。また、国立公園のトレイルのガイドとして活用する取り組みを行った。
このような保護区の方が持続的であると考え、オルタナティブな保護区として展開したい。現在Trang州の4村の保護地域において取り組んでいる。97%がイスラム教徒であるYao Noi村ではコミュニティに基づくツーリズムを展開している。また、行動規範の策定も進めている。
現在の保護区への脅威としては、セメント船からのセメント原材料の海中落下による汚染がある。
Q(Greg):海洋管理地域(Marine Managed Area)の方が良い言葉づかいだと思った。海洋保護区という言葉はよく知られているが反発を招く場合がある。

・カンボジアの事例 Kim Sokha氏、Kate West氏
本土から25km離れたKoh Rong半島近くの7島・4万ha・3漁村に最初の海洋保護区として漁業法第12条に基づき漁業管理区域を設定した。これは愛知ターゲット11に関連し、カンボジアの10年目標の一部である。この区域には海草7千ha・サンゴ900haを含み、家族の釣り・ダイビングなどで利用されている。
保護地域・保全地域・地域漁協地域等のゾーニングを行い、関連してダイビング業者へのゾーニング教育を提供した。

また、地域住民が警察と協業してパトロールを実施し、保護したウミガメの放流や学生の招致などに取り組んでいる。
モニタリングについては固定側線を設置し、リーフチェック手法により実施した。併せてサンゴモニタリングの能力開発も行い、サンゴ礁と海草の関係、などを他のメンバーと調査した。
今後の挑戦としては長期資金メカニズム構築などがある。
Q:海洋保護区なのか、漁業保護区なのか?
A:漁業法の下で設定されている。そこで漁業管理区と呼んでいる。海洋資源の保全をしている。観光の対応もしている。実質的には保護区と言ってもいい。

・キューバの事例 Aylem氏、Juliett氏
キューバの保護区の法的枠組みとしては環境法・保護区法・漁業規則、などがある。その管理のため国家保護区センターを設立し、運営においてNGOと協働している。なお、保護区の動物・植物のほぼ90%以上が固有種である。
現在、保護区211カ所、管理保護区120カ所、海洋保護区104カ所(20カ所は沿岸)、管理海洋保護区62カ所が指定されている。
南キューバ保護区での取り組みを紹介する。ゴールはキューバの海洋沿岸生物多様性保全であり、目的を重要海洋生物多様性保全と持続的利用、指標をマングローブ・サンゴ被度・魚類資源量・・人の保護・環境教育・広報・地域参画としている。リゾートの協力が得られている。
GEF等の支援により「海洋保護区内のコミュニティにおける生態系サービスと人の福祉の経済価値評価」を作成した。
持続可能な漁業に向け、4年前に底引き網が禁止された。漁民は観光業に転向し、関連ワークショップを8回開催した。政府・食品業界との協働が重要である。
持続可能な観光業としては、2業者が海洋保護区内でエコツアーを実施し、ガイドラインを作成・発行し、展開している。
海洋保護区の強化に向け、生物多様性モニタリングシステムを開発し、9モニタリングプログラムに向けて12モニタリング手法の冊子を発行した。また、侵略的外来種であるミノカサゴの制御のため、ミノカサゴの釣りトーナメントを実施した。

さらにサンゴ礁再生に向けパイプなどを用いた幼生供給源を海洋保護区に3カ所設置した。
今後はモニタリングを継続するとともに経済評価開発などに取り組みたい。
Q(Jeremy):島の北側での取り組みは?全て南側の取り組みだが、北側は状況が異なるし重要だ。
A:北側でも始めたが、リソースが足りない。
Q:海草は?
A:対象に含まれている。
C(Jerker):GEF6でTEEB Marineの開発を進めているが活用の予定は?
A:今のところBioFinの協力を得て進めている。

[ICRI](12/2)国際サンゴ礁イニシアティブ第30回総会 セッション4(その2)

2015-12-02 22:02:02 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
・海洋保護区 タオ島の事例 Sakanan Plathong氏
タオ島には4km2のサンゴ礁があり、年間の観光客は40万人(うちダイバー20万人)である。人口と観光客の増加、スピードボートと双胴船の影響、汚染、天然資源の減衰、利用の利害対立などがあり、管理が必要となっている。管理すべき問題は、ゴミ、サンゴ白化、海藻繁茂、外来種、土壌流出、人為的破壊(ダイビング、シュノーケリング、アンカー、漁網)、違法漁業、漁業とダイビングの利害対立、スピードボートによる遠方からの来訪増加およびそれによるサンゴ礁への圧力増加、と多岐に渡る。
土壌流出についてはGEFプロジェクトで分析と戦略計画の策定を行った。

SWOT分析により「強みと機会」として①地域住民が天然資源保全に賛同する、②来訪者のマナーが良くなる、を、「弱みと脅威」として許容量(スタッフ、資金、持続不可能な法・規制)、などを抽出した。問題の解決には構造化と地域住民の巻き込みが必要である。
海洋空間計画を策定したが、陸上影響は含められていない。ゾーニングを行い、モーリング設置、ボート禁止区域などを設定した。

計画立案に際しては、地域コミュニティ・漁業者・ダイビング業者を交えて議論し、合意に導いた。その内容を「コ・タオ宣言」として採択した。例えば、ダイバーに関する規則として、ガイド1名にダイバー4名まで、などを設定した。関連してコミュニティリーダーやダイビング事業者などを地域チャンピオンに認定した。
ブイについては、以前は塊状サンゴに設置していた。資金を調達し、木材とコンクリートを用いた基台を水中に据え付け、ブイを設置した。また、ブイの色ごとに停泊して良い船の大きさを規定した。
Q(Nicolas):資金はどこから調達したのか?
A:今のところ中央政府である。

・海洋保護区管理 チャン島の事例 Tamasak Yeemin氏
チャン島は16km2のサンゴ礁を有し、1982年に自然公園に、2002年に持続的観光開発の特別管理区域に指定された。他地域と同じように様々な脅威にさらされている。Causal Chain分析により、認識(awareness)欠如、観光管理欠如などが挙げられた。
啓発と教育に向け、政府と地域コミュニティなどの間の関係性構築を進めた。また、持続的観光開発のため環境容量を研究した。能力開発としてはボランティアグループへのサンゴ礁保全訓練、地域コミュニティへの能力開発を行った。持続可能な生計のため、違法漁民への他の生計への訓練なども行っている。
サンゴ礁再生に向けては陸上からの汚染抑制等に取り組んでいる。

持続可能な観光プログラム開発に向け、環境許容量に合わせて環境客へのサンゴ礁保全目的の支払いの研究を進めた。

旅行業を支え、漁民の収入を高めるために地域ガイドセンターを設立し、遊漁などに取り組んでいる。また、地域コミュニティ・政府・NGO・等を巻き込み、サンゴ礁保全に向けた啓発・教育にも取り組んでいる。
白化に対応するためのサンゴ幼生保護、サンゴ再生に関するLL
スノーケリング・ダイビングでのサンゴ破壊を防ぐため、水中使えるルートマップスレートを作った。また、ゾーニングを行いボート用とツーリスト認識用の2種類のブイを設置した。
また、サンゴ礁保全委員を設置した
この効果を確認するために、生態学的・社会経済的モニタリング実施が必要である。
Q(Mark):ダイバーによりリーフチェックを行ってはどうか?
A:一つのアイデアだが、ここは国立公園なので、他のモニタリングプログラムがある。
Q(Inge):違法漁業者の他の生計手段は何か?
A:これまでは違法漁具を使っていたので、それを使わないで新しい漁具で漁業をするようにした。その資金については中央政府に援助を依頼した。
Q(Clive):啓発は白化について焦点を当てたのか?
A:2010年以降はそう。
Q(Jerker):Green Finsの適用可能性があるのではないか?
A(Niphon):既に現地ダイビング事業者の訓練を行っている。

[ICRI](12/2)国際サンゴ礁イニシアティブ第30回総会 セッション4(その1)

2015-12-02 22:02:01 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
二日目は終日「セッション4:海洋保護区管理技術ワークショップ」です。

○ワークショップの紹介
・司会紹介 Niphon Phongsuwan氏
本日のワークショップの司会はHugh Kirkman博士にお願いした。博士は大学で海草および海草藻場の再生の研究に、その後UNEPで海洋保護区管理に携わられた。

・海洋空間計画と生態系に基づく管理 Hugh Kirkman氏

欧州での海洋利用は人間中心に行われてきた。しかしながら、人間活動の重複や生態系保全の視点の欠如などの問題に対処するために、生態系に基づく管理の視点で海洋空間計画を設定する必要がある。
海に関わる人間活動にはいくつもの利害対立がある。例としては、使用者vs環境および使用者vs使用者、石油・ガスパイプライン、採掘、採石、海洋保護区、生息地破壊、先住民および地域住民、などである。また、複合利用による利害対立として、浚渫、沿岸開発、生態系保全、海上風力発電、漁業、養殖、船舶航路、港の安全区域、船舶/波止場周辺の安全区域、などがある。
海洋利用のガバナンスを考える上で、統合ガバナンスと協調的ガバナンスは同義であり、地域/国/地方/企業・NGOレベルにおいて補完的である。
生態系サービスとのトレードオフは、人間が選ぶ管理に依存する。管理目標の達成には、管理決定者が単一・複数セクターのいずれの場合でも利害対立の削減が必要である。トレードオフとなるのは原油・ガス輸送のパイプライン設置(中東から中国へ)、タンカー座礁による原油流出、生活必需品輸送、海上風力発電・潮汐発電、汚染(都市からの排水流入、プラスチック、漁網、毒性化学物質、富栄養化物質、重金属)、海流によるゴミの拡散などがある。
ゴミについては、各地で海洋ゴミ収集が行われている。また、オーストラリアでは子ども向け教材「漁網がどこからくるか」を作成した。
富栄養化の発生源は企業、下水、牧畜、畑からの土壌流出などであり、海藻・海草の大発生を引き起こす。
現在は産業界の巻き込みは少ないが、保全には産業界の協働を得る必要がある。そのためには、保全に携わる人が1)工業の言葉を使う、2)プライベートセクターの貢献について事例を示す、など理解を得やすいコミュニケーションを行う必要がある。
旅行業の問題としてはダイビング、ボート、汚染、ホテル、クルーズ船、などがある。また、漁業では漁網流出、底引き網による海底破壊、混獲、過剰漁獲、小さい魚の漁獲、などがある。
空間海洋計画の成功事例としては、EU、OSPAR & HELCOM/ベルギー/地中海/LAMM(GEF,WWF,CIO)/アジア(中国の黄海)などがある。GEFは中国・タイでプロジェクトを行っている。また、Coral Triangle Initiative(インドネシア・マレーシア・パプア・フィリピン・・)が5つのゴールを設定して取り組んでいる。
海洋保護区はCBD/生物多様性保全/Fish refugia/Comprehensive. Adequate ad Representative CAR、IUCNが定めた原則が参考となる。
EEZにおいては、その33%に海洋空間計画を2025年までに策定する計画がある。
海洋空間計画についての能力開発は、大学教育プログラム・訓練プログラムなどが実施されている。

・海洋沿岸域の統治に向けた効果的なアプローチ タオ島の事例 Suvaluck Sathumanusphan氏(マヒドル大学)
まずタオ島の森林・農地減少とサンゴの状態の推移を示す。

陸上開発が無秩序に行われた結果、南岸のサンゴの状態が非常に悪くなっている。これを回復させたいと考えている。
そのためには統治が必要である。統治における権利と責任、決定プロセスなどを島レベルだけでなく州・国レベルと整合して策定する必要がある。ゆえに統治は戦略的である必要があるが、管理そのものは執行レベルである。
タオ島の統治について住民に調査を行ったところ、その多くは島外からの移住者であった。また、住民の10%が環境保全(淡水不足やゴミの対策など)に関わっていることが分かった。
環境保全に関連する法律は6つ、漁業に関する法律は4つ(漁業規制・遊漁規制など)あるが、住民の多くが知らず透明性の観点で問題がある。住民とのワークショップの結果、統合・調整機能の欠如、゛限定的な広報/市民参画という問題が浮かび上がった。
現在、統治と統合に向けて2つの枠組みを構築している。その中で環境容量の算定などを行った。持続可能性に向けて4つのステップを設定しており、現在は1ステップから2ステップに移るところだと考えている。

・タイにおける海洋保護区管理 Anuwat Nateewathana氏
海洋沿岸保護区は生物多様性条約COP7の決議VII/5、VII/25に記載された。その後、IUCNカテゴリーが定義され、CBD COP9のIX/20にEBSAクライテリアが記載された。また、関連する決議としてIX/20 Annex II、IX/18がある。
2004年にONEPを設立し、2011年?にアドバイザリーボードを設置した。愛知ターゲット11に向け、戦略計画を策定した。主要法令としては、禁漁区に関するものとして漁業法・海洋公園法など、保護区法がある。これらに基づきマングローブ保護区やユネスコ生態圏が設置されている。また、2015年には海洋沿岸資源管理保護法が制定された。サンゴに関係する部分を紹介する。第3条「保護地域の定義」に海洋国立公園・野生生物保護地域など6区分が記されている。第20条「保護地域デザイン」があり、EBSAを保護区として利用することを考えている。タイのサンゴ礁はその75.2%が保護区の中にある。その内訳は海洋国立公園35.23%、野生生物保護区0%、漁業保護区0.2%、環境保護地域48.61%である。これらは生態圏保全のためゾーニングが適用されている。第23条「海洋保護区内での活動に対する規制」では海洋保護区に影響する行為の禁止などが記載されている。
今後、新しい海洋保護区管理に向け、利害関係者の巻き込みと協働促進を進めていく。
Q(ベトナムの方):統合沿岸管理を考える上で、海洋空間計画は陸上も含めるのか?(=含めることができるのか?)
A:農業など陸上影響はあるが、それについては何とも言えない。
C(ベトナムの方):海洋空間計画・ゾーニングは生物多様性保全のために行うものだと認識している。
C(Jerker):統合沿岸管理において新たな挑戦である。
C(Margaret T. V):二つ目のプレゼンについてコメント。GEFプロジェクトで州レベルの取り組みをした。その経験から、コミュニケーションが非常に大事だった。政府・NGO・地域などの包摂が大切。
C(Hugh):賛同する。我々はまだ活動中であり成功に至っていない。

[ICRI](12/1)国際サンゴ礁イニシアティブ第30回総会 セッション3

2015-12-01 22:01:06 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
○地域イニシアティブと地球規模の開発

・UNEPサンゴ礁パートナーシップ/地域海域運営委員会会合 Jerker Tamelander
愛知ターゲット10およびSDGs14に向けて生態系アプローチに取り組んでいる。2015.11.30に開催した運営委員会で技術開発から実践にシフトすることを決めた。
サンゴ礁の復元力向上に向け、サンゴ白化対応準備としての気候モデルのダウンスケール化、汚染物質・海洋ゴミに関する技術文書発行を行った。
生態系サービス評価としては、①Green Finsのツールボックス開発、②海洋管理区域の持続的資金調達(PPP)のガイダンス開発、③サンゴ礁環境評価・補償のガイドラインに関するカリブ海でのワークショップ実施、を行った。
国際的にはアビジャン条約 CP11/6、ナイロビ条約 CP8/13、カリブ海SPAW protocol STAC (CAR WG36/7)に貢献した。また、気候変動と海洋酸性化、持続可能な消費と生産、に関しても取り組んだ。さらにSGDsの指標についても働きかけている。

・紅海とアデン湾のサンゴ礁保護とPERSGA海洋保護区ネットワーク Maher Amer氏
PERSGAはジプチ・ヨルダン・サウジアラビア・ソマリア・スーダン・ヨルダンから構成される。紅海とアデン湾は、限られた地域だが生活資源として重要であり、高い固有種率を誇るため、主要な生態系として保全上の価値があることから取り組みの対象にしている。
地域行動計画を策定しており、その目的の一つは法的整備である。
この地域は世界のサンゴ礁の6.1%を占めている。2005年にCBDに基づき海洋保護区ネットワークを構築した。愛知ターゲット2「主流化」については能力開発を、愛知ターゲット7「持続可能な漁業」については漁業者訓練を、愛知ターゲット9「侵略的外来種」についてはバラスト水対策と駆除を、愛知ターゲット10についてはブイ設置を行ってきた。

また、愛知ターゲット8「汚染削減」については海洋保護区国家計画策定、ワークショップ実施、愛知ターゲット11「保護区」については訓練ワークショップ、愛知ターゲット14「再生」についてはジブチ・イエメンでマングローブ再生を行った。
現在、キー種・キー生息環境調査が進行中である。
UNFCCC COP21でサイドイベントを行う予定である。

・SDGs Jerker Tamelander氏
SDGsは17ゴール・169ターゲットからなる。SGDs14の指標はいまのところガバナンスに焦点が当たっている(状態よりも)。ICRI/GCRMN/パートナーが長年活用してきた指標をSDGs指標フレームワークに反映するよう働きかける。国連環境総会で採択した"Healthy Environment - Healthy People"にも関係する。


これで初日終了です。会場・参加者の皆さんの様子は以下です。

[ICRI](12/1)国際サンゴ礁イニシアティブ第30回総会 セッション2(その4)

2015-12-01 22:01:05 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
○モニタリングとGCRMN
・ICRI第29回総会合意事項 Jerker Tamelander氏
 (議事録をご参照ください)

・地域報告書ガイダンス Jerker Tamelander氏
報告書の望ましい形式・内容について説明する。データとしては生態系・環境基礎データに加え、人的影響を含む社会経済データを、データ形式を整備して収集する。報告書作成の際には査読を行い、結果はウェブに掲載する。発行後にフォローアップワークショップを開催すると良い。
データベースは維持管理するための資金(雇用・システム)が必要となる。地域政府と寄付による資金調達を並行して進めることが重要である。
データ源としては、政府のモニタリングプログラム、国際的なモニタリングプログラムのほか、NGOなどのモニタリングプログラムも活用できる。データの管理と共有においては、データのクレジット、データ形式の標準化、データの評価、データの補間・間違い修正などに気を配るべきである。さまざまなデータ分析についてカリブ海レポートのAnnexに掲載した。

・西部インド洋・太平洋・東部太平洋熱帯域の地域報告書 Jerker Tamelander氏
各地域の報告書の進捗について報告がありました。西部インド洋に関連してナイロビ条約決議CP8/13にサンゴ礁タスクフォースについて記載された旨の報告がありました。

・GCRMNカリブ海報告書進捗 Angelique Brathwaite氏
12メンバーからなる運営委員会を設立し、進めている。
モニタリングは魚類資源量・底質・サンゴ健康度・サンゴの新規加入・主要無脊椎動物・水質等を対象とし、ガイドラインを策定し、検証を進めている。ここでは、最小限のデータを必須項目とし、基礎データを推奨、厳密で比較可能データを強く推奨している。
このガイドライン実施のために訓練ワークショップを開催したい(資金が必要である)。
2016年の計画としては、ガイドライン合意・訓練ワークショップ実施・広報・特別保護区・保護動物(Specially Protected Areas and Wildlife(SPAW))の会合での各国合意取得、ベネズエラでのモニタリング支援、ICRSセッションを予定している。

・エルニーニョ・南方振動(ENSO)とサンゴ白化 Mark Eakin氏

2014-15年には世界のサンゴの30%が白化した。2016年はエルニーニョの影響が強まることが予測されている。
細かく見ると、2014年後半にハワイ、グアム、マーシャル、2015年前半にキリバス、ガラパゴス、パナマ、アメリカンサモア(ほぼ壊滅)、インド洋 モルジブ、2015年後半にキリバス、ハワイ、ガラパゴス、カリブ海(ひどい)、ハワイ(90%死滅した地域もある)という状況である。最近の状況についてはワシントンポストの記事として取り上げられた。
熱ストレス予測と対比すると、警戒レベル1~2が30%あり、その99%が実際にストレスにさらされた。現在は太平洋中心部分はひどいが、他はそこまででもない。
エルニーニョの影響を1997-1998/2009-2010/2015-2016で比較すると、現在が最大である。今後についてはモデル計算から12月~1月をピークに減衰するという予測が多くなされている。水温でみても90%以上の地域で今年が最も暖かい。
3月までの白化リスクは、カリブ海はなく、太平洋は赤道付近とオーストラリア周辺(インドネシアとGBR)、インド洋は南部が高い。

2016.4-6月はインド洋、太平洋東部が高い。
2014年のハワイでのサンゴ白化の際には、白化から回復したにも関わらず病気が蔓延した。
NOAA Coral Reef Watch白化の観測記録が登録できるので、ぜひ協力をお願いしたい。

・サンゴ白化への対応 Gregor Hodgeson氏
現在、地球規模サンゴ白化が進行しつつある。カリブ海は1960年代に50-80%、2005年に米国領バージン諸島の60%を、インド・太平洋は1997-1998年に11~16%を白化で失った。その一部は回復したが、1,000歳のサンゴが回復するには一体どのくらいの時間が必要となるのか(1,000年)。1998年に多量のサンゴが殺された。今年はさらに多くなることが懸念される。
サンゴの状態を把握するために継続した観察が必要である。リーフチェックは19年間のデータの蓄積があり、GCRMNとも継続して連携してきた。そのさらなる拡大が効果的である。
また、NOAAとも協業し、サンゴ礁委員会(Coral Reef Coalition)の設置を進めている。UNFCCC COP21を契機に活動を軌道に乗せたい。

・サンゴ被度、局所的ストレスと気候変動 Jeremy Jackson氏
GCRMNカリブ海報告書(2004)の主な結果として、1970-1990年にサンゴ被度は病気と局所的ストレスのため33%から17%と半減したが、その状況は場所により大きく、良い状態に保全されているサンゴ礁は熱ストレスの影響が小さいことが見いだされている。
局所的なストレスを社会経済的手法により把握し、白化の影響と比較した。
その結果、局所ストレスの組み合わせを指標として良い相関が得られた。

結論として、局所的ストレスを低減することで、地球規模の気候変動の影響を下げることが可能と言える。