日々是サンゴ礁

普段の生活の中でサンゴ礁保全ができるような話題を綴ってみたいと思います

新種 ムラサキズキンベニハゼ

2009-04-21 23:43:58 | サンゴ礁の魚たち
先にご紹介したダイトクベニハゼと同じ論文で、とても良く似た魚に名前がつきました。

学名:Trimma imaii
標準和名:ムラサキズキンベニハゼ

論文には、標本の採集地と生態写真の撮影地として、いずれも伊豆大島のみ掲載されています。

ダイトクベニハゼとの一番大きな違いは、尾びれに斑紋がない(ムラサキズキンベニハゼ)か、ある(ダイトクベニハゼ)か、というところです。微妙ですよね。

伊豆大島には同じような場所にダイトクベニハゼも出現していることから、以前は雌雄ではないか、同じ個体で模様が出たり出なかったりするのではないか、ということも言われていました。

他の場所からの報告は無いに等しかったのですが、なんとこの論文を紹介した直後に、なんと八丈島でレグルスダイビングのガイドさんにより発見されました。

海の中には、まだまだ不思議が隠されています。

新種 ダイトクベニハゼ

2009-04-17 22:50:16 | サンゴ礁の魚たち
神奈川県立博物館研究報告に写真の魚が新種として掲載されました。

Toshiyuki SUZUKI & Hiroshi SENOU. 2009(Mar),
Two New Species of the Genus Trimma (Perciformes: Gobiidae)
from Japan and Palau,
Bull. Kanagawa prefect. Mus. (Nat. Sci.), no.38, pp. 107-112

学名:Trimma caudipunctatum
標準和名:ダイトクベニハゼ

沖縄の久米島とパラオで標本が採集されました。この写真は沖縄本島で撮影したものですが、他に伊豆、伊豆大島、八丈島、柏島でも撮影されています。

「海の宝石」と呼ぶにふさわしい美しいベニハゼの仲間は、まだ学名がついていない種がいます。どんな名前がつくのか楽しみです。

世界最小のカサゴ

2009-04-15 22:30:40 | サンゴ礁の魚たち
世界最小のカサゴの仲間が屋久島や奄美で発見されました。
世界最小カサゴを東アジアで初確認 本村鹿大准教授(南日本新聞2009/4/15)

以下の論文でプチフサカサゴという標準和名がついたとのことです。
Motomura, H. and H. Senou. 2009 (Apr.). New records of the dwarf scorpionfish, Sebastapistes fowleri (Actinopterygii: Scorpaeniformes: Scorpaenidae), from East Asia, and notes on Australian records of the species. Species Diversity, 14 (1)

体長が成魚でも2-3cmと小型なので、カサゴの仲間の幼魚と勘違いする可能性大です。海に潜る方は、ぜひ探してみて下さい。

このような小さな魚もまた、サンゴ礁の豊かな生きもののつながりに支えられています。