小さな旅、大きな旅の写真物語(Virtual trips/travels)

京都や東京を本拠地として、自然の中や町を歩きながら、撮った写真をどんどん掲載します。いっしょに歩いているように。

Newアート考察3 伝統工芸に<革新>はあるか? 必要か? その7 能登島ガラス美術館-2

2020-04-08 19:06:19 | 写真日記
Newアート考察3 伝統工芸に<革新>はあるか? 必要か? その7 能登島ガラス美術館-2

2020-2-6

能登島ガラス美術館のショップには古い展示会目録がディスカウントされていっぱいおいてありました。重たいので2冊だけ買ってみました。なぜか2002年と1994年というとっても古いものを買いました。その中からほんの少し選んでみました。相当古いから、2019年の国際コンペティションとはずいぶん違っています。先入観無して、目についた作品を少し載せます。20年、30年たつとガラス工芸の世界はどのような変化があったのか。たまたま載せた方はネットで情報をとりました。すでに大家になっている方が多く、さすがだなと思います。一方、ネット情報が希薄になってしまった方もいます。今はどうしているのかな?

パート・ド・ヴェールが多い。ちょうど、いま習っているパート・ド・ヴェールと同じ出来具合です。 気泡が入っている。ということは、最近のガラス手法の中心は以前流行ったパート・ド・ヴェールとは手法が違ってきたということになります。現在の作品の多くは気泡がない全くの透明になっています。これが魅力的です。透明感を中心におくことが出来ると、不透明なものの対比や」、削り込みが生きてきます。教室の先生がいうには、金属との対比が流行しているとのことです。


引用文間1
海の起源、関光行  パート・ド・ヴェール、ラッカー、白色セメント 2002日本現代ガラス展・能登

関光行(セキ テルユキ)
1935寝ん神奈川県生まれ
横浜国立大学教養部美術科卒

当方はこの作品をとてもきにいっているのですが、関光行さんのネット情報は残念ながら見つかりませんでした。現在はもう作品を作っていないのかな、残念。


引用文献1
Peace of mind、高橋真紀子 パート・ド・ヴェール、接着、ソケット台、電球 2002日本現代ガラス展・能登

1998年 武蔵野美術大学短期大学部工芸デザイン科卒業
2000年 東京ガラス工芸研究所 卒業
2010年 神奈川県相模原市にSTUDIO BAU GLASSを設立


高橋真紀子 ネット情報


高橋真紀子 ネット情報


高橋真紀子 ネット情報

いやはや、この方の美的センスは太陽が西から登っても当方にはまねできません。


引用文献1
海流、野田由美子 宙吹き、切断、サンドブラスト、フュージング、スランピング、銀箔、金箔、金彩 2002日本現代ガラス展・能登

野田由美子さんは一つ前のブログで選んでいたことをわすれていました。またここで選んだということで、当方にとってよほど気になる作家さんということです。


引用文献2
断層、西村聖  打刻とカット 1994 日本現代ガラス展、審査員作品

西村聖さんは大家のようですが、ネットで当方に役立ちそうな作品情報見つかりませんでした。まっすぐなカッティングが気になるのです。



引用文献2
内なる輪郭、 佐藤新平  コールドチャスティング、サンドブラスト、接着、ペンシル・ドローイング 1994 日本現代ガラス展、審査員作品

1953  福島県に生まれる
1978  サンフランシスコ・アカデミー・オブ・アート・カレッジ留学 (U.S.A.)

佐藤新平さんはステンドグラスの大家であることがわかりました。このような置物風作品も作るようです。


佐藤新平さんのHPから一つだけ載せさせてください。とってもすごいステンドグラスを作られるので、唖然としています。 まさにガラスとアートの融合です。すごい、すごい。


引用文献2
でっぱり、家住利男 接着、研磨 1994 日本現代ガラス展、公募作品


家住利男 ネット情報


家住利男 ネット情報

家住利男 (イエズミトシオ)
1954年栃木県足利市に生れる
1983年東京ガラス研究所
1985年より、板硝子を素材に制作を始める。作品は板硝子を何層にも重ねて砥ぎ出すなどして、光の反射による見え方の違いを感じることのできるものとなっている。素材の魅力を生かしながら、その表面に幻想的な質感の変化を表現している。
家住利男氏のHPより
<私の作品は全て数種類の板ガラスによって作られています。
手順は彫刻の準備過程である板ガラスを接着して板ガラスの塊を作る作業から始まり、塊を所定の大きさの直方体に仕上げることで準備が終わります。
その後、ガラスの直方体をダイヤモンドブレードで目的の形態に掘り進めていきます。ダイヤモンドブレードで目的の形態に近づけた後、#60,#150,#300,#500,#800,#1000,#1500と表面を順次細かい粒子で研磨します。最後にフェルトバフ+セリウムで表面を透明に磨き上げます。
研磨された作品はもともとの板ガラスが持つ均質かつ硬質な透明性がなくなり、暖かみのある緑色の透明性を持つようになります。私はこの作品の内側に生まれる緑色の透明な空間がたまらなく好きです。
削るという行為は板ガラスの透明性を変化させられます。
掲載している作品はガラスの種類・形・置き方により作品の内側に作られる透明性のバリエーションであり、自分は何に関心があり何をどのように見ているのだろうとの問いかけのその時その時の答えです。>

主張がはっきりしていていいですね。尊敬します。


引用文献2
本当の部分、石川くるみ パート・ド・ヴェール、接着1994 日本現代ガラス展、公募作品

ガラス作家 石川 くるみ Kurumi Conley
1971年生まれ
女子美術大学工芸科ガラス専攻卒
オレゴン州ポートランド市の自宅工房でガラス制作

<材料は地元ポートランドにある板ガラス工場で製産されている色板ガラスです。
切ったり、砕いたり、溶かしたりして、最後に電気炉で溶かしあわせ成形します。>


石川くるみさんのブログより
現在はフージングが専門のようです。


引用文献2
飛離飛行、鳥海綾子 パート・ド・ヴェール、キルンキャスティング、研磨 1994 日本現代ガラス展、公募作品

鳥海綾子
昭和女子大学短期大学部初等教育学科卒業
・東京ガラス工芸研究所にてガラス工芸を学ぶ。(1990年研究科終了)
・グラスアート宮崎綾工房


鳥海綾子 ネット情報

同方向のアート作品をネットで見つけました。


引用文献2
疾走、野見山まゆみ パート・ド・ヴェール、板ガラス接着 1994 日本現代ガラス展、公募作品

野見山まゆみさんはネットで当方に役立ちそうな作品情報見つかりません。こういうアートの世界から足を洗ってしまったのかな。この作品は当方にとっても参考になるのですが、今は何を作っているのかな、知りたいな。


引用文献2
おはよう、吉田裕子  キャスト、接着、研磨 1994 日本現代ガラス展、公募作品

吉田浩子 yoshida hiroko
岩手生まれ。
秋田でガラスを学ぶ。
山梨、岩手で工房スタッフ。
現在高知県在住。工房をレンタルしながら吹きガラス制作。

吉田裕子さんはネットで当方に役立ちそうな作品情報見つかりません。この方も最近のアート作品がわからないで残念です。



能登島ガラス美術館の周りにはガラスの展示物がいっぱいおいてあります。







丘を下って、バス停に着きます。まだ、バスがくるまで1時間あります。ここは道の駅があるので、バスの時間まで道の駅で時間をつぶせばいいとおもって、美術館を出たのですが、愕然。道の駅はお休みでした。雪の降る中どうしよう、また雪の丘を登るのか! 道の駅の裏にガラス工房があることに気が付きました。頼み込んで、ショップやガラス体験のための待合スペースなどで時間をつぶすことを了解してもらいました。


能登島ガラス工房

ショップには色々なガラス作品が売っていて、これは参考になります。展示会のアート作品と違って、売り物はどんな傾向にあるのでしょう?




高橋真人さんは能登島ガラス工房のスタッフ


ネット情報
高橋真人さんは<のと風鈴>も作っています。ネットで売っています。





菊池 正博(きくち まさひろ)さんも能登島ガラス工房のスタッフ

ネットを調べると以前の二人ガラス展が出ていました。


ネット情報
<ガラス学校で出会ってから25年。石川県・能登島ガラス工房の総支配人になった菊池正博と自由が丘で HALI'S Glass Art Studio を 主宰する由水直樹二人による Glass Session をお楽しみ下されば幸いです。> ガラス学校とは東京ガラス工芸研究所で、これまで紹介してきた作家さんの多くがこの学校を母体としています。由水直樹さんは当方の先生。


菊池 正博


岩橋 香純



岩橋 香純(いわはし かすみ)さんも能登島ガラス工房のスタッフ

東京に帰って、Hali`sガラス・スタジオに行ってこの話をすると、先生の由水さんが、この能登島の工房はお父さんが作ったのであるとおっしゃいます。なるほどそうか、少しずつガラス工芸の世界が見えてきました。この後はバスと特急で金沢にもどり、再び九谷焼探検に挑戦したことは昨日書きました。次回は最後にたずねた富山のガラス美術館をレポートします。

引用文献1、2002日本現代ガラス展・能登島/石川県能登島ガラス美術館
引用文献2、日本現代ガラス展1994 図録・能登島/石川県能登島ガラス美術館 



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