理解しやすい政治・経済 教科書マスターから受験対策まで 改訂版 (シグマベスト)
佐藤優氏も推薦していた教科書で、社会人も使える優れものである。
その中で、雇用問題に関する記述(p281)に目がとまった。
そこには、「これからの雇用に関する二つの考え方」として、
A 能力主義がより重視されるべきである。
B 安定した雇用という日本的経営の良さは維持されるべきである。
という記載がある。両者は対立するものとして位置づけられているようだ。
Aでは、「グローバル経済の中で、競争に勝ち抜くためには効率的な経営が要求されて」おり、そのために成果主義が採用されるべきであり、また、「必要な労働力を必要な時に調達するため」に、「非正規社員の就業環境も整備されるべきである」とある。
ところが、現在、非正規社員と正規雇用社員との身分格差と前者の生活の不安定さなどが社会問題化しているわけであり、「効率的な経営」と「安定した雇用」を両立させるのは難しい(AとBとは両立しにくい)という指摘が出てくるだろう。
また、それ以前の問題として、「グローバル経済」とそれに伴う「競争」を所与のものとして受け入れることについても、批判的な検討が行われているところであるし、イギリスのEU離脱やトランプ大統領の誕生などは、「反グローバル化」の一環としてみることも可能である。
2008年版の上述のAの考え方については、現状に即して見直されるべきではないかと思う。
佐藤優氏も推薦していた教科書で、社会人も使える優れものである。
その中で、雇用問題に関する記述(p281)に目がとまった。
そこには、「これからの雇用に関する二つの考え方」として、
A 能力主義がより重視されるべきである。
B 安定した雇用という日本的経営の良さは維持されるべきである。
という記載がある。両者は対立するものとして位置づけられているようだ。
Aでは、「グローバル経済の中で、競争に勝ち抜くためには効率的な経営が要求されて」おり、そのために成果主義が採用されるべきであり、また、「必要な労働力を必要な時に調達するため」に、「非正規社員の就業環境も整備されるべきである」とある。
ところが、現在、非正規社員と正規雇用社員との身分格差と前者の生活の不安定さなどが社会問題化しているわけであり、「効率的な経営」と「安定した雇用」を両立させるのは難しい(AとBとは両立しにくい)という指摘が出てくるだろう。
また、それ以前の問題として、「グローバル経済」とそれに伴う「競争」を所与のものとして受け入れることについても、批判的な検討が行われているところであるし、イギリスのEU離脱やトランプ大統領の誕生などは、「反グローバル化」の一環としてみることも可能である。
2008年版の上述のAの考え方については、現状に即して見直されるべきではないかと思う。