Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

国民感情論

2020年06月30日 07時21分09秒 | Weblog
生活保護費減額に「最低」と言われる判決を下した名古屋地裁の論理
 「今回の名古屋地裁判決には、「生活保護費は自民党が決める」「生活保護費に国民感情や財政事情が反映されるのは当然」という、驚くべき内容がセットになっていたのである。原告たちとともに訴訟に臨んできた弁護士たちからは、「最悪」「最低」という怒りの声が漏れた。

 判決が「国民感情」を持ち出した点は、岡口判事も厳しく批判していた。
 「立法裁量」と「国民感情」で判決を書くというのは、裁判官の職務を放棄したに等しい行為である。
 百歩譲っても、いったん設定された金額を減額する場合には、厳しい審査基準で判断すべきというのが自然な発想だろう。
 こうしたところは、むしろ司法試験予備校の方がしっかりしており、名古屋地裁の判決が「模範答案」になることはないし、「国民感情」などを持ち出せば減点されるのは必至だろう。
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4か月遅れ

2020年06月29日 07時33分42秒 | Weblog
 緊急事態宣言のために、民事訴訟の進行が大幅に遅れている。
 私の場合、4月・5月に予定されていて期日が取り消された事件のうち、6月に期日が入ったのは、もともと和解成立見込みだった1件だけである。
 民事事件については、急を要する事件や終結見込みの事件などを除いては、期日が先送りされている。
 4月7日に開催されるはずだった事件は、最短で8月4日に開催される見込みなので、約4か月進行が遅れたことになる。
 それもそのはず、書記官室を見ると、コロナ前の3分の1くらいしか人数がいない。
 この体制はしばらく続くと思われるので、民事事件の進行は従来より遅くなるとみるのが無難かもしれない。
 
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霞が関における事前面談とクソな競争

2020年06月28日 06時54分34秒 | Weblog
 昨日、二十数年ぶりに高水三山に登っていたら、後ろを歩いていた中年の夫婦とおぼしき男女が、こういう会話を交わしていた。

女性「フサ(註:金融庁(FSA)のことと思われる。)の場合、総合職に内々定が出るのは一般職が決まった後なの。だけど、内々定をもらっても、私のころは合格発表がその後の8月下旬だったから、合格できなかったら全部パーになっちゃうの。
男性「そんなこと言ったら、今年なんか、試験を受ける前に『事前面談』というのをやってるらしいじゃないか。

 内容からして、キャリア官僚のカップルのようだが、この話を聞いて、大手法律事務所がロースクール生に対してやっていること(ロースクールにおける人格蹂躙とクソな競争)と同様のことを、中央官庁も大学生に対してやっていることが分かった。
 どう見ても目的は「青田買い」だが、「事前面談(会)」などという言葉で糊塗しているわけである。
 民間セクターだけでなく、公共セクターも、木庭先生のいわゆる「クソな競争」に参加しているのだ。
 
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知的信用(4)

2020年06月27日 07時16分08秒 | Weblog
 誰のために法は生まれたで取り上げられたのは、
・近松物語
・自転車泥棒
・プラウトゥスの喜劇(「カシーナ」、「ルデンス」)
・ソフォクレスの悲劇(「アンティゴネー」、「フィロクテーテース」)
であった。
 これでもかというほど、「個人」vs.「集団」(徒党)の対立の構図が突き付けられる。
 これに対し、桐蔭学園の中高生は、素晴らしい反応を示している。
 ここで、「没知性型」の学生がどういう反応を示すかを想像してみる。
 一番わかりやすいのは「アンティゴネー」ではないだろうか?
 国王(クレオーン)は反逆者(ポリュネイケース。アンティゴネーの兄)の屍を葬ることを法により禁じるが、アンティゴネーは、市民たちの見ている前でその顔を見せて兄の死骸に砂をかけ、埋葬の代わりとした。
 おそらく、「没知性型」の学生は、「国賊であるポリュネイケースが埋葬されないのはやむを得ない」、「アンティゴネーは法に違反する行為を行ったのだから罰せられて当然」といった程度で思考が停止してしまっているのではないだろうか?
 現実には、こうした学生がたくさん法学部にいて、やがて社会に出ていくのである。
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知的信用(3)

2020年06月26日 07時38分55秒 | Weblog
霞が関で「開成官僚」VS.「麻布官僚」大戦争が勃発中
 「昔のナンバー・スクールの生徒が白線帽を握りしめた片手をふりまはして(自ら何の違和感も感じずに)、寮歌を合唱するときには、そこには明瞭に『われら』が在あった。そして私はそういふ『われら』をぞっとして眺めてゐた。
 ・・・超自我(スーパー・エゴ)=われら=われ、という公式には一種の適性が要求される。これは教養や階級の如何にかかわりなく、一種の先天的な適性として賦与されているもので、私にはこういう適性の欠けていることが初っ端からわかっていた。
」(「「われら」からの遁走―私の文学」三島由紀夫)

 知的信用では、中等教育(中学・高校)に問題があるために「知的な信用が入った自立的な個人」が育たず、没知性的・依存的・集団志向的な人材が増加している状況が指摘されていた。
 原因の一つは、集団志向を助長する中等教育(あるいは学校)の雰囲気にあるように思える。
 これによって、学生は、大学に入った時点で既に「自分の頭で考える」ことがすっかりできなくなっており、「群れとしての活動」に没頭してしまうのである。
 この種の学校は、受験を「有名大学合格者数を競う、各学校による団体競技」と考えており、受験は「群れとしての活動」の一環なのかもしれない。
 しかも、卒業後もこの競技は続き、場合によっては権力志向や拝金主義と結びついて、「政官財におけるネットワーク構築」に邁進することになる。
 これは、明治期の(薩長による)藩閥政治と似た構造に思える。
 「我が藩」が「我が校」に置き換わったのである。
 藩閥政治が廃れた後も、一高の学生などにこの種の全体主義的傾向は残存していたようだ(もっとも、一高生が「没知性的」であったという話は聞かない。)。
 大事なのは、中等教育において、「超自我=われら=われ」というたぐいの「没知性的」な思考に陥らない個人を作り上げることなのだが、教育の現場においては、こうした問題意識が希薄なのかもしれない。
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チャラ男の自覚

2020年06月25日 06時47分58秒 | Weblog
古賀茂明「経産省のチャラ男たちが国を亡ぼす」〈週刊朝日〉
 「電通は、実体のないもの、あるいは劣るものを派手に大きく、立派に見せるイベント屋で広告屋だ。早く弱者にお金を届けようという地味な仕事の対極にある。
 「1980年代以降、経産省の産業政策は失敗続き。日本の産業は世界に遅れ、日本株式会社の先導役だった経産省には何も期待されなくなった。失業寸前の経産省は、毎年、新しい事業を立ち上げ、中身がなくても、何とか立派に見せて予算を確保する。おもてなし規格認証、プレミアムフライデーなど。クールジャパンでは巨額ファンドを作ったがほぼ全滅。

 この記事を読んでちょっと驚いた。
 元経産官僚の古賀氏は、(現在の)経産省・経産官僚の本質を見事に見抜いていたのである。
 私は、かつて経産省と関係のある金融機関で働いていたことがあるので、経産省・経産官僚の抱える問題点には一般の方よりもかなり詳しいつもりなのだが、自分がかつて属していた組織を「中身がない」の一語で切り捨てた古賀氏の姿勢には敬意を表したいと思う。
 結局のところ、政策を立案する者の人間観・社会観が致命的に浅薄である(チャラい)ということが問題なのだろうが、もとをたどれば、知的信用のところで木庭先生が指摘したように、中等教育のところに大きな問題があるのは確実と思われる。
 つまり、大きな問題を抱えたまま大人になってしまった没知性的な人材を、経産省が好んで採用してきたということなのではないだろうか?
 こうしてみると、没知性的な学生を送り込まれる東大法学部も、そうした人材を受け入れてしまう経産省も、実は被害者なのかもしれない。
 
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分裂の予感(3)

2020年06月24日 06時39分50秒 | Weblog
 二階氏と岸田氏の対立も激化しており、おそらく修復は困難なレベルと思われる。
 発端は、2017年の衆院選の公認を巡る幹事長裁定だったのではないだろうか?
山梨知事選、二階=岸田連携に思わぬ「死角」 積年の「保守分裂選挙」の怨念は払拭できるか
 「郵政選挙以来、同区では長崎氏と堀内親子が5回対決し、長崎氏を抱える二階派と堀内氏所属の岸田派による激しい派閥抗争選挙を続けてきた。特に2017年衆院選は、党幹事長の二階氏と政調会長の岸田氏の面子がかかった選挙となり、長崎氏が比例復活もできずに落選したことで岸田派幹部は「もう仲間割れは終わりにしたい」と語っていた。
 二階幹事長は、故堀内光雄衆院議員の長男の妻である堀内詔子氏に対し自民党の公認を出さず、二階派の長崎幸太郎氏(開成高校出身)と競わせて当選者を追加公認するという裁定を行った(ここでも、「世襲 vs.実力主義」という対立の構図が表れていることに注目すべきである。)。
 同様の状況は静岡にも飛び火している。
拡大路線の二階派火種 衆院選の候補者調整、分裂含み―自民
 「二階氏は11月、静岡県沼津市での細野氏の会合に駆け付け、支援者に「応援をしっかりと頼む」と訴えた。これに県連会長の上川陽子元法相(岸田派)が反発。
 細野氏は叩き上げの政治家だが、対する斉藤斗志二氏は叔父の地盤を継承した世襲議員であり、ここでも 「世襲 vs.実力主義」という対立の構図が表れている。
 昨年11月の党役員人事を巡っても、二階・菅両氏と岸田氏との間で対立が生じている。
岸田氏悲願の「幹事長」かなわず 勝者は二階-菅ライン
 挙句の果てに、定額給付金を巡ってもバトルが勃発し、世帯単位:30万円という岸田氏の案は二階氏によって潰された。
【政界徒然草】「二階」対「岸田」 新型コロナ緊急経済対策めぐり自民内で激しい綱引
仕掛けた二階氏、株下げた岸田氏 「10万円給付」で対立、根幹にポスト争い
 ちなみに、二階氏と麻生氏との間の対立も激しい。
麻生副総理vs二階幹事長 熾烈を極める次期総裁選「代理戦争」
 
 
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分裂の予感(2)

2020年06月23日 07時12分04秒 | Weblog
 私見では、分裂の契機は2009年に遡る。
 当時、菅氏は、「世襲制限」を提案し、党内の世襲議員から大きな反発を受けたのだった。
「世襲制限」の思惑 「郵政選挙」再現狙う?自民・菅氏
 
 菅氏は世襲(三世)議員である岸田氏をまるで評価していないという記事が出たが、対して、岸田氏には「開成高校OB」によるバックアップがあると指摘されている。
ダブル大臣辞任は「菅官房長官と岸田政調会長の代理戦争」第二弾か――漂い始めた政権末期(レームダック)感(前)
 「「北村氏ら開成出身者が永田町や霞が関に張り巡らされた同窓会ネットワークを駆使しつつ、菅氏側近大臣辞任につながる極秘情報を週刊文春にリークした」といった情報戦を仕掛けていたとしても全く違和感を抱くことないのだ。
 こうしてみると、「菅氏 vs. 岸田氏」という単純な対立ではなく、「菅氏 vs. 岸田氏 & 開成高校OB」という対立の構図が浮かび上がってくるのである。

 
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分裂の予感(1)

2020年06月22日 06時58分56秒 | Weblog
「二階」続投で角栄超えか「岸田」奪取か、政局の焦点は「自民党」幹事長人事
 「簡単に言えば、二階さんは自身の幹事長ポスト確約と次期総裁選での安倍さんや安倍さんの息のかかった候補への支持とを天秤にかけているわけです。幹事長を続けられるなら、安倍さんへの献身を否定はしない。しかし、『岸田幹事長』が誕生するなら、主要な3派以外に号令をかけて連合を組むことも辞さず、という考え方なわけです。また、菅さん(義偉官房長官)は、岸田さんのことをまるで評価しておらず、そのあたりも『岸田幹事長』就任にはネガティブ要素ですね
 「読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄さんは、岸田さんの父親・文武氏と旧制東京高校の同級生。代議士5回生だった文武氏が65歳で急逝した際に、ナベツネさんが友人代表として弔辞を読み、号泣したことは語り草です。加えて、ナベツネさんと岸田文雄氏は開成高の同窓生。3年前に開成OBで作る『永霞会』が発足し、会長には文雄氏が収まった。今年の設立総会で乾杯の音頭を取ったのは、安倍さんの最側近で当時の内閣情報官で現在の国家安全保障局長・北村滋氏で、“岸田総理誕生が開成OBの悲願です”と話していました

 私の直感では、自民党の分裂が近づいているように思える。
 安倍首相から岸田氏への「禅譲」に対し、二階・菅両氏ら(あるいは他の党)が強く反発するのではないかと思われるからである。
 安倍首相・麻生氏・岸田氏は、いずれも父・祖父が代議士という「世襲(三世)議員連合」である。
 これに対し、二階氏は、父親が県会議員ではあるものの、地盤は主に自身で築いたようだし、菅氏に至っては完全な叩き上げだから、この二人はいわば「実力主義連合」である。
 何がいいたいかというと、「世襲(三世)議員連合」と「実力主義連合」とはしょせん水と油であり、安倍首相の退陣が訣別のタイミングとなるのではないかということである。
 
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縮小移転

2020年06月21日 07時04分22秒 | Weblog
 このところ、弁護士事務所の移転が増えているようである。
 調べたわけではないが、おそらく縮小移転が多いのではないかと思う。
 というのも、弁護士事務所は、コロナ禍の影響をもろに受けた不況業種の一つだからである。
 「新しい生活様式」においては、「駅至近の立派な事務所」というのは必ずしも必要ない。
 コロナ以降、法律相談や打ち合わせは電話やオンラインで行うことが多く、そうなると、「立派な構えの事務所」は負担となってしまう。
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