ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

70、感謝祭(Thanksgiving Day)

2007年11月22日 | Weblog
11月の第4木曜日はサンクスギビング・デー(感謝祭)で、今年(2007年)は11月22日です。
日本には,「勤労感謝の日」があり、日頃の労働に対して「ご苦労様」という感じですが、アメリカの感謝祭は家族や食べ物など日々の平安に対して神に感謝する日です。
1620年、清教徒たちはメイフラワー号に乗り、イギリスから過酷な旅をして新大陸へ渡ってきました。
しかし、新しい土地で作物を育てるのは大変で、清教徒達は食糧不足や伝染病に加え悪天候も重なり102人いた彼らのうち半分以上が死んでしまいました。
それを見た先住民(インディアン)は食べ物を分け、トウモロコシやカボチャなどの育て方を教え、様々な知恵を授けて移民たちを助けました。
おかげで翌年には彼らもはじめての収穫を得、その実りを神に感謝しました。
この年はとりわけ豊作だったようです。
自分たちを助けてくれた先住民を招待して共にご馳走をいただき、犠牲となった仲間たちを偲びました。
これが感謝祭の始まりです。

この日と翌日の金曜日(After Thanksgiving Day)、そして土日を合わせた4連休は、学校、会社、公共機関などのほとんどが休みとなります。
水曜の夜は故郷に帰るための大移動が始まり、高速道路や交通機関が1年で最も混雑する日です。
そしてThanksgiving Day当日、一番のごちそうはこんがりと焼きあがった丸ごとの七面鳥です。
その他、パンプキンパイ、スタフィング、クランベリーゼリー、マッシュポテトなどのThanksgivingにちなんだ料理を食べます。
お母さんの愛情がこもった料理を楽しみながら、家族団らんの時間を過ごします。
それぞれの家庭の定番料理など、あふれるほどのごちそうを家族や親戚で囲み、食べ物を与えてくれた神に感謝します。
アメリカン・フットボールや、各地で行われるパレードのテレビ中継を見ながら楽しく語らう、というのが一般的な過ごし方です。
通常は日曜日と月曜日の夜だけ行われるNFLの試合もThanksgiving Dayの木曜日に何試合か行われます。

しかし、なんといってもこの日のメインは恒例になっている、メイシーズの感謝祭パレードです。
「Macy's Thanksgiving Day Parade」は1924年から毎年(第二次世界大戦のため1942年から1944年まで中断)行われる恒例行事となっています。

スーパーマン、スパイダーマン、スヌーピーなどの巨大バルーンがニューヨークの町を泳ぎます。
山車やマーチィング・バンド、チアリーディングなどがマンハッタンの街を行進し、有名な歌手や俳優などのパフォーマンスも行われ、250万人を超える見物客が通りを埋めつくします。
巨大バルーンはビルの10階ほど(約30m)の高さがあり、たくさんのロープが付いていてそれを多くの人が引っ張って移動させるので、引っ張り方によってバルーンの手や足が動き、皆で凧あげしているような感じです。
最近ではポケモンのピカチューのバルーンが子供達に人気があります。

セントラル・パーク (Central Park) ウエストの77th Stを出発しコロンバス・サークル、ブロードウェイを南下し、メイシーズ前のヘラルド・スクエア(34丁目のブロードウェイと6番街とが交差する地点)まで2.5マイル(約4.5キロ)を行進します。
私も何度か見に行きましたが、1989年は吹雪の中でのパレードでしたがみんな楽しんでいました。
アメリカ人は寒さも楽しんでしまいます。
例えば、フットボールの試合は雪が降ろうが零下20度だろうがへっちゃらです。
寒ければ寒いほど盛り上がります。

朝9時に出発したパレードは12時に主催デパート、メイシーズがあるヘラルド・スクエアに到着します。
パレードの最後に登場するのはサンタクロースです。
感謝祭が終わった次の日から一気にクリスマスムードになり、ホリデー・シーズンが始まります。
木曜日はほとんどの店は休みですが、金曜日から特別セールを行い、クリスマス商戦に突入します。
この日は朝早くから店の前に長蛇の列が出来てクリスマスプレゼントのショッピングを始めます。
感謝祭からクリスマスまでの1ヶ月は、小売店の年間の総売上の約3割を占めると言われています。
この間ジングルベルが流れ、クリスマス・ツリーが飾られ、イルミネーションが輝いて町中クリスマスムード一色です。
1年中で最も華やかで活気のある期間となります。

*メイシーズ:6番街と7番街、34丁目と35丁目の通りに囲まれた1(one)ブロック全てを占める店舗で、デパートの単独店舗としては世界最大の売場面積を誇っています。
確か1階から8階まで全て売り場で巨大なデパートです。
映画「モダン・タイムス」や『三十四丁目の奇蹟』の舞台となっています。
私は近くに住んでいたことがあるので毎日この前を通って仕事に通いました。
同店舗を含め、現在全米、グアム、プエルトリコに400店舗以上を展開しています。

写真は、セントラル・パーク (Central Park) ウエストの77th Stを出発したパレードが72nd Stまで南下したところです。
写真左に見える黒っぽいマンションはジョン・レノンとオノ・ヨウコが住んでいた“ダコタ・ハウス”です。
レノンはセントラル・パーク・ ウエストから72nd Stを西に入った玄関前で射殺されました。

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