外苑茶房

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学徒兵らくだ君

2009-12-28 11:44:46 | 早稲田大学
気分が冴えない時、気分転換をしたい時、私が好んで読む文庫本をご紹介します。

「学徒兵らくだ君」~世界最強の陸軍の最弱の兵隊の物語

光人社NF文庫760円。

著者:武田専(たけだ・まこと)

著者の武田さんは、旧制・東京府立五中(現・都立小石川高校)から早稲田に進学。
しかし、在学中に陸軍に徴兵され、終戦後に早稲田に復学するも、慶応の医学部に入り直して、現在は川崎市内に病院を構えるというお医者さんです。


武田さんは実に愉快な方で、自叙伝三部作を発表されています。
幼少時代を描いた「わんぱく・らくだ君」、中学生時代を描いた「らくだ君物語~じーちゃんの思春期」、そしてこの「学徒兵らくだ君」

三部作の中で、一番のお薦めは「学徒兵らくだ君」です。

らくだ君は、からっきし運動神経がなくて、手先も不器用。そして軍隊嫌い。

何一つ軍人らしいことができないのですが、そのくせ一言多い正義漢のらくだ君は、上官たちを怒らせたり、困らせたり、そして時には親身に心配してもらったりするのです。

戦局が悪化の一途を辿っている頃の話なのですが、実際の戦闘場面は全くなく、国内基地での訓練、あるいは房総半島での陣地設営の現場が、物語の舞台となっています。

陸軍士官学校出身のバリバリ本職の士官、一般大学出身の士官、一般大学出身で士官になり損ねた下士官、叩き上げの下士官、そして大工の棟梁、材木屋の番頭さん、ヤクザ者など様々な経歴の一般兵士たち。

そんな多様な経歴、多様な価値観の人たちで構成される陸軍で、らくだ君は訓練で落伍したり、訓練をサボったり、装備品を紛失したり、内部試験で白紙で提出したり、はたまた上官の手抜きを鋭く指摘したり・・・。

らくだ君が次々に起こす珍騒動と、それに対する上官や兵隊さんたちの人間くさい反応が、実に面白いです。
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