外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

ニューオリンズ

2008-06-24 07:22:30 | 音楽
2005年の大型ハリケーン『カトリーナ』による洪水で大打撃を受けたニューオリンズの路面電車が、三年ぶりに完全復旧したとニュースが報じています。

私は、災害の一年ほど前に休暇で滞在したことがあります。

ニューオリンズといえばジャズ発祥の地。そして、ケイジャン・ミュージックの盛んなところでもあります。

フレンチ・クォーターのバーボン・ストリートにはジャズ、ブルース、ロック、ケイジャンなどをライブで聴かせるお店がずらりと並び、ドアを開けっ放しでガンガン演奏しています。

客たちは、まず屋外から演奏を立ち聴きし、自分の好みのバンドを探し回り、そしてワンドリンク付き5ドルから10ドルぐらいの前払金を支払って店に入ります。
ニューヨークあたりのライブハウスと比較すると極めて安いので、いくつもの店をハシゴして、様々な音楽をライブで楽しむことができる。
実に楽しかったですね。

店の前に並んでいたら、『お前は日本人か?』と黒人の男性から話しかけられました。
『休暇で来ている。この後はニューヨークにも立ち寄る』と答えたら、『やめとけ、やめとけ。ニューヨークみたいなクレージーな所に行くことはない』と。

まあ、確かにニューオリンズ行きの飛行機に乗った時から、機内に流れる空気がゆったりと、そして朗らかな感じを受けました。

好みがはっきりと分かれるのかも知れません。


ケイジャンのお店では、波型の金属板を客に貸してくれました。
それを野球の捕手のように胸にぶら下げ、音楽に合わせてスプーンで金属板をガチャガチャと掻き鳴らし、バンドと観客が一体となって大騒ぎしたことも忘れられません。
アリゲーターのジャーキー、ザリガニの入ったガンボスープもスパイシーで美味い。

ちなみに金属板の名前を店員に尋ねたら、『ウォッシュ・ボード!』という返答でした。そのままですね(笑)


もう一つの思い出は、バーボン・ストリートの目抜通り一帯が、突然停電で真っ暗になってしまうハプニングに遭遇したことです。

どっちが右やら左やら良く分からないような状況となり、私も少し不安になりました。
ところが、年配の黒人のサキソフォン奏者が街頭で独りで吹き始め、みんな車座になって耳を傾けているうちに停電が復旧しました。
この間、10分ぐらいだったでしょうか。

とっさの機転でパニックを防いだそのプレイヤーに、みんなから感謝の拍手と大歓声。
良いシーンでした。

私は隣にいたご年配の黒人女性に『怖かったですね』と声をかけたら、『今は覚醒剤ビジネスが盛んになったから安心よ』という妙な返答。
なんでも、覚醒剤ビジネスでチンピラたちの金回りが良くなったので、この界隈で強盗が減ったのだとか。
いやはや驚きました。


そんな思い出の地・ニューオリンズが、先の水害で市街地の80%が水に浸かるという大被害を受けたと聞き、心を痛めていました。

また機会を見つけて、ぜひ訪問したい陽気な街です。

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2 Comments

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ニューオリンズ (名古屋のN)
2008-06-24 10:00:22
私はジャズは良く分かりませんが、ニューオリンズには一度行ったことがあり、好きな街の一つです。また街を走る路面電車もレトロな雰囲気を醸し出してますね。
滞在中は、ちょうどカソリックのお祭りである、マリグラの時期にあたり、夜はライトアップされた、山車がダウンタウンを回り、普段にも増して、華やかなようでした。
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路面電車 (ay1881)
2008-06-24 22:45:41
ニューオリンズの路面電車については、戯曲『欲望という名の電車』で有名です。

原題は『A streetcar named Desire』

確かに、直訳すれば『欲望という…』となるのでしょう。
でもニューオリンズにはDesireという通りがあるので、ある人曰く『都電荒川線』みたいなものだと。

訳し方次第で、随分と印象が違うものですね。

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