海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

岡田外相来沖とオスプレイ配備

2009-11-15 20:03:16 | 米軍・自衛隊・基地問題
 『サンデー毎日』11月22日号に石森孝憲氏の「激闘永田町」連載191〈普天間問題の闇 「岡田」が「辺野古移設」を嫌うワケ〉という評論が載っている。その中で石森氏は、岡田外相の「嘉手納統合案」はMV22オスプレイの配備が前提となっていることを記している。

〈岡田の主張する嘉手納統合案はこれまでにも検討されたもので、オスプレイが既存の滑走路を使うことを前提にすれば、弾薬庫地区などへのヘリポートの増設で済むため、その気になれば1、2年後の普天間返還も可能になるメリットがある〉(41ページ)。

 沖縄のマスメディアはこれまで、岡田外相にMV22オスプレイの配備について見解を問いただしたことがあるのだろうか。折しも今日15日に岡田外相が来沖している。仲井真県知事や島袋市長と会談し、キャンプ・シュワブ基地も訪れているのだが、テレビのニュースや新聞社の電子版は簡単に触れているだけで、会談の詳しい内容は明日の朝刊を待つしかない。岡田外相は明日の午後には沖縄を離れるようだが、外相の「嘉手納統合案」はオスプレイの配備が前提となっているのか否か、記者たちはぜひ問いただしてほしい。
 11月14日付琉球新報朝刊2面に〈米軍オスプレイ配備反対を要請 金武など三町村連絡協〉という見出しのベタ記事が載っている。金武、宜野座、恩納の3町村の首長、議長で構成するキャンプ・ハンセンに関する三町村連絡協議会が、13日に沖縄防衛局と沖縄県、外務省沖縄事務所を訪ね、米軍普天間代替施設にMV22オスプレイが配備されることに反対の意思を伝え、配備しないよう要請書を渡したという内容である。北部の自治体首長らはこのように危機感を抱いて具体的な行動を起こしているのである。
 辺野古新基地建設に向けた環境アセスメント調査において、防衛相・沖縄防衛局はMV22オスプレイの配備について曖昧にし、ごまかしを続けている。岡田外相の口からMV22オスプレイの配備が明らかにされれば、そのようなごまかしは通用しなくなり、大きな意義を持つ。また、MV22オスプレイの配備についての見解を曖昧にして、岡田外相が〈嘉手納統合論〉を主張することは許されない。記者たちの追及を注目したい。

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