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海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

「風流無談」第23回

2009-05-12 19:02:26 | 「風流無談」
 「風流無談」第23回 2009年5月2日付琉球新報朝刊掲載  二度目となる「風流無談」の連載第一回に、憲法九条と沖縄の構造的矛盾、そして沖縄県立博物館・美術館の館長に就任した牧野浩隆氏の問題について書いた。最終回を迎えるにあたり、あらためて同じ主題を扱うことにする。  現在、県立博物館・美術館で開催されている「アトミックサンシャインの中へin沖縄ー日本国平和憲法九条下における戦後美術展」で、昭 . . . 本文を読む

「風流無談」第22回

2009-04-05 23:53:16 | 「風流無談」
 北朝鮮のロケット発射をめぐる報道は、日本のマスメディアがすでに有事=戦争体制に完全に組み込まれていて、政府・防衛省の広報機関と化していることをありありと示した。  琉球新報が5日付で出した号外では、〈北朝鮮「ミサイル」発射〉という大見出しの下に金正日総書記の顔写真と北朝鮮の発射施設の衛星写真、陸自新屋演習場に設置されたPAC3の写真が載り、裏面には発射施設の衛星写真の拡大版と嘉手納基地の米電子偵 . . . 本文を読む

「風流無談」第21回

2009-03-17 07:22:30 | 「風流無談」
 「風流無談」第21回 2009年3月7日付琉球新報朝刊掲載  今朝の琉球新報朝刊に、名護市辺野古沖で実施していた環境影響評価(アセスメント)の年間調査を、沖縄防衛局が3月14日で終えたという記事が載っている。〈調査結果は、二十七日開催予定の国、県の実務担当者らでつくる「環境アセス・建設計画」作業班(ワーキングチーム)で県に報告する〉という。春夏秋冬を通して調査したことをもって、沖縄防衛局は十分 . . . 本文を読む

「風流無談」第20回

2009-02-26 22:50:11 | 「風流無談」
 「風流無談」第20回 2009年2月7日付琉球新報朝刊掲載  前々回の本欄で、大江・岩波沖縄戦裁判の控訴審判決において、梅澤・赤松氏側が出した宮平秀幸証言が〈虚言〉と断じられたこと。さらに、座間味村幹部に「死ぬでない」と言ったという梅澤裕元隊長の供述が、自分に都合よく〈変容と創造〉がなされた記憶による虚構と判断されたこと、などを書いた。  それでは控訴審判決では、座間味島における「集団自決」( . . . 本文を読む

「風流無談」第19回

2009-01-25 21:40:47 | 「風流無談」
 「風流無談」第19回 2009年1月10日付琉球新報朝刊掲載  仲井真知事が訪米中である。ブッシュ政権が幕を閉じる直前の訪米にどれだけの意味があるのか、疑問を抱かずにいられない。オバマ新政権に影響を与え得る人物と接触を図ろうにも、それを実現する人脈や手段を知事は持っているのか。オバマ新政権の対日政策スタッフが確定するのは春頃ということであり、なおかつ、当面は深刻な経済危機や中東情勢などへの対応 . . . 本文を読む

「風流無談」第18回

2008-12-27 14:38:09 | 「風流無談」
 「風流無談」第18回 2008年12月6日付琉球新報朝刊掲載  十月二十一日付本紙朝刊の論壇に藤岡信勝氏が投稿し、前々回の「風流無談」(十月四日付朝刊掲載)に反論していた。それに対する私の反論が十一月四日付朝刊の論壇に載った。その中で私は、梅澤隊長がいた本部壕入口やその周辺に、歩哨(番兵・衛兵)が配置されていなかったのかどうかを藤岡氏に問うた。それに対する藤岡氏の回答・反論は今に至るまでなされ . . . 本文を読む
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「風流無談」第17回

2008-12-04 02:04:12 | 「風流無談」
 「風流無談」第17回 2008年11月1日付琉球新報朝刊掲載  子どもの頃、隣にアメリカおじーと呼ばれている人がいた。その屋敷には大きな池があり、食用ガエルのオタマジャクシや鯉がいるというので、上級生や同級生らと一緒に忍び込んだりした。アメリカという言葉から連想したのだろう。見つかると鉄砲で撃たれる、と子どもらの間では噂されたりして、それが一段とスリルを生んだ。ヤナワラバーたちが勝手に入り . . . 本文を読む

「風流無談」第16回

2008-10-30 01:44:58 | 「風流無談」
 「風流無談」第16回 2008年10月4日付琉球新報朝刊掲載  九月九日に大阪高等裁判所で行われた大江・岩波沖縄戦裁判の控訴審を傍聴してきた。すでに報道されているとおり同日で結審したのだが、控訴人(梅澤・赤松)と被控訴人(大江・岩波)双方の弁護士による意見陳述で、私が特に関心を抱いたのは、新証言として控訴人側から出された宮平秀幸氏の証言についてだった。  この欄でも何度か触れたが、宮平証言は控 . . . 本文を読む
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「風流無談」第15回

2008-09-30 03:05:15 | 「風流無談」
 「風流無談」第15回 2008年9月6日付琉球新報朝刊掲載  雑誌『WiLL』緊急増刊〈沖縄戦「集団自決」〉特集号に、ジャーナリストの鴨野守氏が取材・構成した梅澤裕元座間味島戦隊長のインタビューが載っている。その中で梅澤氏は、沖縄戦当時、座間味村の助役・兵事主任・防衛隊長だった宮里盛秀氏について以下のように語っている。  〈彼は、鹿児島で除隊した退役軍人です。非常に優秀な兵隊だったと思う。私は . . . 本文を読む
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「風流無談」第14回

2008-08-31 05:46:42 | 「風流無談」
 「風流無談」第14回 2008年8月2日付琉球新報掲載  大江・岩波沖縄戦裁判のなかで論点となっていることの一つに、一九四五年三月二五日の夜に座間味島で起こったできことがある。玉砕するので弾薬を下さい、と訪ねてきた村の幹部ら五人に、梅澤隊長がどのような返答をしたのか、ということである。  宮城晴美著『母が遺したもの』(高文研)には、梅澤隊長は〈今晩は一応お帰りください。お帰りください〉と申し出 . . . 本文を読む

「風流無談」第13回

2008-08-01 16:48:52 | 「風流無談」
 「風流無談」第13回 2008年7月5日付「琉球新報」朝刊掲載  十年ほど前に父から、南京陥落を祝う提灯行列に参加した話を聞いたことがある。小学校の一年生で祖父に手を引かれて参加したそうだが、途中で祖父とはぐれて迷子になってしまい、そのために余計にその日のことが記憶に残っていると話していた。ヤンバルの今帰仁でも行われたくらいだから、当時は沖縄の各地域で提灯行列が行われ、南京陥落を祝う行事がくり . . . 本文を読む
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「風流無談」第12回

2008-07-02 14:25:21 | 「風流無談」
 「風流無談」第12回 2008年6月7日付「琉球新報」朝刊掲載  五月二五日にキャンプ・シュワブ・フェスティバルを見に行った。基地労働者でもなければ、そうそう米軍基地内に入れるわけではないので、かぎられた範囲内ではあるが、キャンプ・シュワブ内を見るいい機会だった。  フェスティバル会場になっていたのは、辺野古崎先端部の娯楽施設やPXなどがある地域である。映画館横の広場の海岸縁にいくと、目の前に . . . 本文を読む
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「風流無談」第11回

2008-06-01 22:01:35 | 「風流無談」
 「風流無談」第11回 2008年5月2日付琉球新報朝刊掲載  名護シアターが閉館し北部から映画館がなくなってから、スクリーンで映画を見る機会がめっきり減ってしまった。いい映画があって見たいと思っても、そのためだけにヤンバルから北谷町美浜や那覇まで行くのは、なかなか大変だ。那覇までの往復に高速道路を使えば、その料金だけで映画代を上回ってしまう。時間的にも半日は費やすし、帰りは疲れて映画の余韻も薄 . . . 本文を読む
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「風流無談」第10回

2008-04-30 20:58:33 | 「風流無談」
 「風流無談」第10回 2008年4月5日付琉球新報朝刊掲載。  昨年の六月から月一回、第一土曜日に「風流無談」というこの連載をやらせてもらっているのだが、先月は不掲載となった。何名かの読者から、どうして載らなかったのか、という質問があったので、理由を今年から始めた「海鳴りの島から」というブログに書いた。関心のある方はご一読願えればと思う。  三月十七・十八の両日、名護市の三月定例議会を傍聴した . . . 本文を読む
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「風流無談」番外篇2

2008-04-02 18:40:13 | 「風流無談」
 昨年の六月から琉球新報で毎月一回、第一土曜日に「風流無談」というエッセーを連載しているが、先月分は不掲載となった。どうして載らなかったのか、という読者からの問いがあったので、理由を説明しておきたい。  昨年から今年にかけて、週刊誌や月刊誌で名護市発注工事や北部振興策関連工事の談合問題がくり返し取り上げられている。そのことを紹介しながら沖縄のメディアの追及の弱さを指摘したのだが、文中に企業名や個人 . . . 本文を読む
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