不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

「風流無談」第16回

2008-10-30 01:44:58 | 「風流無談」
 「風流無談」第16回 2008年10月4日付琉球新報朝刊掲載  九月九日に大阪高等裁判所で行われた大江・岩波沖縄戦裁判の控訴審を傍聴してきた。すでに報道されているとおり同日で結審したのだが、控訴人(梅澤・赤松)と被控訴人(大江・岩波)双方の弁護士による意見陳述で、私が特に関心を抱いたのは、新証言として控訴人側から出された宮平秀幸氏の証言についてだった。  この欄でも何度か触れたが、宮平証言は控 . . . 本文を読む
コメント (1)

謝花昇没後100年

2008-10-29 19:48:01 | 生活・文化
 今日10月29日は謝花昇の没後100年の命日であった。伊佐眞一編・解説『謝花昇集』(みすず書房)によれば、〈午後八時、精神障害の重病化に加えて、慢性胃腸カタルを起こし死去、享年満四三歳(戒名は耕雲軒釈昇道不退位)〉ということだ。1901年5月中旬に神戸駅で精神に異常をきたして以来、謝花は再び歴史の表舞台に立つことなく、故郷の東風平でその生涯を閉じた。  この数日、謝花の死から100年が経つことに . . . 本文を読む
コメント (1)

うないフェスティバル

2008-10-27 19:15:13 | 住基ネット・監視社会
 昨日は午後から那覇市のテンプス館で開かれたうないフェスティバルに行って来た。国際通りに面した広場にテントが設置され、その一つを借りて反住基ネット沖縄もパンフレット販売や監視カメラの写真展示、ビラ配りなどを行った。目の前では首里城祭りのパレードが行われていて、那覇市の各字の旗頭行列は見応えがあった。  同じテントの隣では「県民の手による不発弾の最終処分を考える会」が、沖縄戦で使われた手榴弾や照明弾 . . . 本文を読む
コメント (2)

セスナ機と一村

2008-10-26 12:34:23 | しまくとぅば
M:をぅってぃーやどーきらーアメリカーたーかい、しかまさったーさーや。 S:セスナ機じ墜落しちぇーぬアメリカーたーな? M:救急車からパトカーから消防車からサイレン鳴らち走らち行ちゅせーやー。ウチナーぬむんびけーやあらん、アメリカ軍ぬむぬん、ちゃー行ちすーせー、とー、うりやまぎ事故ぬ有いてーさー、米軍車両ぬ交通事故る起くちぇーがやーり思たんばーえっしが、どぅくぬ騒ぎようから、ゆーさんねー北部訓練場 . . . 本文を読む
コメント (2)

催し物案内

2008-10-24 23:23:03 | 生活・文化
 催し物の案内です。 ☆映画『チェ・ゲバラー人々のために』上映会    日時:10月25日(土) 午後3時~第一回上映  午後6時半~第二回上映   場所:名護市中央公民館2階小ホール(名護市民会館隣の建物です)    ※各上映後に新垣誠氏(沖縄キリスト教学院大学准教授)のトークがあります。 ☆第24回うないフェスティバル   日時:10月26日(日)午前10時~午後5時   場所:那覇市ぶ . . . 本文を読む

「藤岡意見書」(1)を読む

2008-10-23 23:56:09 | 「集団自決」(強制集団死)
 「藤岡信勝意見書」(1)はすさまじい文書だ。これは「意見書」というより怪文書や奇書の類ではないのか。南木隆治氏が自分の管理するブログでUPしなかったのも分かる気がする。余りのすごさにびびってしまったか、これを載せたら物笑いになるとまわりから止められたのだろう。いずれにしろ、藤岡氏が自分の手で自由主義史観研究会のホームページに載せてくれたのは有り難いことだ。大江・岩波沖縄戦裁判で原告側を支援してい . . . 本文を読む
コメント (1)

10・21

2008-10-21 07:45:12 | 米軍・自衛隊・基地問題
 今朝の琉球新報の論壇に〈「集団自決」・目取真俊氏に反論 隊長命令説は完全に崩壊〉という見出しがついた藤岡信勝氏の投稿が載っている。これにあわせて、自由主義史観研究会のホームページには、藤岡氏が大阪高裁に提出した「沖縄戦集団自決に関する意見書」とその2、そして「沖縄戦集団自決問題に関する意見書2の訂正」が10月20日付でUPされている。  藤岡氏への反論は早速書き上げたので、あとで点検して琉球新報 . . . 本文を読む
コメント (7)

〈海岸の近くの家〉

2008-10-20 19:47:02 | 「集団自決」(強制集団死)
 「15年戦争資料@wiki」というホームページに、関西防衛を支える会が発行している「國の支え」に載った梅澤裕氏のインタビューが紹介されている。それを読むと、梅澤氏が興味深い発言をしている。以下に引用する。  〈結局敵が上陸する前の晩に僕たちはもうボロボロに壊れた海岸の近くの家におって、いよいよ明日来るぞ、と戦闘準備をしていた。   そこへ村の助役、それから校長先生、役場の係員二人、の四人が来て . . . 本文を読む

宮平証言のデタラメさ

2008-10-16 19:35:05 | 「集団自決」(強制集団死)
 宮平秀幸証言の眼目は言うまでもなく、1945年3月25日夜の梅澤隊長と座間味村幹部の対話をそばで聴いていたということだ。しかし、当の梅澤氏が秀幸氏がそばにいたことを「記憶がない」としている。おそらく、藤岡信勝氏が一番困ったのはこのことだろう。秀幸氏本人の過去の証言との食い違いや、母・貞子氏の手記との食い違いについては、座間味村幹部の圧力があったなどと詭弁を弄することができても、相手が梅澤氏ではそ . . . 本文を読む
コメント (26)

「昌子陳述書について

2008-10-10 01:40:39 | 「集団自決」(強制集団死)
 雑誌『WiLL』11月号に藤岡信勝氏が「完全に破綻した母・宮平貞子」の証言という評論を書いている。宮平秀幸証言の正しさを証明するために、宮平氏の母・貞子氏が書いた『座間味村史 下巻』所収の手記をとりあげ、その「内在的矛盾」を指摘しているのだが、そうすることによって藤岡氏は、宮平家の家族関係にさえ傷を入れかねない状況を引き起こしている。  もともと大江・岩波沖縄戦裁判は、靖国応援団を自称する弁護士 . . . 本文を読む
コメント (5)

『あの人は帰ってこなかった』を読む

2008-10-09 16:33:21 | 読書/書評
 『父の戦記』より一年ほど前に出された本に菊池敬一・大牟羅良編『あの人は帰ってこなかった』(岩波新書)がある。夫を戦争で失った「戦争未亡人」への聞き取りの記録で、妻・母の銃後の体験を記したものとして、戦後二十年という同じ時期に出された『父の戦記』と内容も対応しているかのようだ。二部構成になっていて、第一部は岩手県和賀郡横川目村(当時)の通称「北どおり」とよばれるの九名の「戦争未亡人」に、地元の . . . 本文を読む

『父の戦記』を読む

2008-10-08 04:44:21 | 読書/書評
 最近、週刊朝日編『父の戦記』(朝日文庫)を読んだ。文庫本になったのは今年の8月だが、元は1965年に単行本として刊行され、元日本兵の戦争体験記50編が収められている。『週刊朝日』が〈終戦二十周年記念として「父の戦記」を募集〉し、集まった1716編の中から50編を選び出したというだけあって、どの「戦記」も読み応えがある。中国各地や朝鮮半島、内モンゴル、千島列島、シベリアからボルネオ、ニューギニア、 . . . 本文を読む
コメント (1)

中山発言

2008-10-04 16:13:29 | 政治・経済
 三里塚闘争はごね得だの日本は単一民族だの日教組をぶっ壊すだのと、暴言を連発して就任五日で国土交通大臣を辞任するはめとなり、本人の頭と人格がぶっ壊れているとしか思えない中山成彬議員が次の衆議院選挙には出ないことを表明した。当然といえば当然のことと言えるかもしれない。しかし、最初から出馬しないことを予定していて、どっちみち麻生内閣は短命だから大臣という地位を目一杯利用しようと暴言を連発したのなら、あ . . . 本文を読む

教科書訂正申請

2008-10-03 18:20:56 | 「集団自決」(強制集団死)
 大江・岩波沖縄戦裁判の控訴人側の準備書面(1)~(3)が南木隆治氏のブログに掲載されている。これで双方の準備書面が読めることになったので、裁判に関心のある方はご一読を。  先週9月27日に開かれた県民大会一周年集会で、出版労連中央執行委員の吉田典裕氏が、発言の中で教科書協会の理事に文部科学省の天下りが行われていることを指摘していた。昨年の県民大会以降、教科書検定の透明性の確保が求められている中で . . . 本文を読む
コメント (2)

公開希望

2008-10-01 14:26:00 | 「集団自決」(強制集団死)
 大江・岩波沖縄戦裁判の原告・控訴人(梅澤・赤松)を支援する南木隆治氏のブログは、原告側の準備書面や意見書が載るので、よく利用させてもらっているのだが、大阪高裁に提出された藤岡信勝氏の意見書(2)が9月10日に同ブログに載ったので、早速読ませてもらった。おそらく読んだ誰もが思った疑問は、意見書(2)が載っているのに、どうして意見書(1)は載らないんだ?ということだろう。藤岡氏のことだから、また何か . . . 本文を読む
コメント (6)