写真は「沖縄の塔」近くの崖から眺めたマルポ方面の海岸。
三ヶ野大典『悲劇のサイパン』（フットワーク出版社）には、６５年前の７月３０日から３１日にかけての状況が次のように記されている。
〈米軍は南部を残す島の四分の三を制圧していた。東西から呼応して日本軍を挟撃するように南下を続け、三十日にはテニアン町北東の第三飛行場になだれ込み、午後にはテニアン町に進出した。テニアン町を守る日本軍はタコツボを . . . 本文を読む
７月２７日に民主党の衆院選マニフェスト（政見公約）が発表された。普天間飛行場の県外移設や沖縄の施政権返還時の密約の公表など、これまで鳩山代表や岡田幹事長らが言ってきたことがマニフェストには盛り込まれず、日米地位協定の改定についても内容が後退した。鳩山代表らのこれまでの発言が県民向けのリップサービスでしかなかったことを、みずから明らかにしたわけだ。
民主党県連は党本部に対して、「普天間基地の県外 . . . 本文を読む
２８日の写真で奥の二人が立っている場所は崖っぷちになっていて、白いペンキが塗られたコンクリートの壁が設けられ、簡単な展望台になっている。そこから周囲の海岸をカメラに収めた。
サイパン・テニアンは川や湧き水が少なく、人々は天水を溜めて利用していた。生き残った住民や兵士の証言を読むと、渇きに苦しむ様子が頻繁に出てくる。そして、追いつめられた住民の中には、米軍に捕まると残虐な目に遭うと教え込まれ、「 . . . 本文を読む
テニアンの「沖縄の塔」や「専習健児之塔」は海に臨んで立てられている。塔のまわりの広場には慰霊碑がいくつかあり、岬の先に行くと断崖絶壁になっている。米軍に追いつめられた多くの住民が、ここカロリナス岬一帯の海岸で犠牲になっている。いくつか住民の証言を引用して、当時の状況を見たい。
『宜野座村誌／第二巻／資料編』に幸喜万栄さんの「テニアン移民・現地での戦争体験」という証言が収められている。幸喜さんは . . . 本文を読む
今年の６月２３日（沖縄戦慰霊の日）に栗原佳子著『狙われた「集団自決」』（社会評論社）が出版された。
著者の栗原氏は上毛新聞社、黒田ジャーナルを経て、現在はフリーのジャーナリストとして大阪を活動拠点に「新聞うずみ火」の発行に携わっている。大江・岩波沖縄戦裁判では第一回から傍聴し、同裁判の支援連絡会の世話人としても活動してきた。
それだけに本書では裁判の経過がよく整理され、経過に沿って分かりやす . . . 本文を読む
「専習健児慰霊之塔」の前では、伊礼氏がメディアや研究者の質問にていねいに答え、専習学校の思い出や亡くなった生徒たちのことを語っていた。塔の前に並べられた生徒たちの遺影は、東京のフリーライターの方が作成してくれたとのことで、森山氏と伊礼氏が紹介しながら感謝のことばを述べていた。
沖縄戦におけるひめゆり学徒隊や鉄血勤皇隊のことはよく知られているが、テニアンでの専習学校の生徒たちの犠牲は、沖縄でも余 . . . 本文を読む
『記念誌 はるかなるテニアン』所収の宮城肇「玉砕の島テニアン」に、「専習壕の別離」という一節があり、７月下旬の専習壕の様子が記されている。
〈七月二十九日正午、肉親を失い、怪我をした私は、専習学校最後の壕に薬を求めて立ち寄った。壕には阿部先生を始め学校の生徒や先輩の家族達で一杯し、足の踏み場もないくらいだった。
奥の方には、傷を負った前田君外何名かが寝ていたが、怪我をしてたどりついた私達を . . . 本文を読む
同窓生・遺族を代表して森山氏が追悼のことばを述べたあと、参加者による焼香が行われた。
今日７月２４日は６５年前にテニアン島に米軍が上陸した日である。すでに米軍の空襲や砲撃を受けてはいたが、地上戦が始まることによって、テニアン島住民の犠牲も拡大していく。 . . . 本文を読む
今回の墓参団に参加された専習学校の同窓生は、南洋群島帰還者会相談役の伊禮真栄氏と同理事の森山紹一氏のお二人だけだった。並んで校歌を歌っている姿が印象に残っている。
『記念誌 はるかなるテニアン』より専習学校校歌を紹介したい。
一、暁光張る南に 生命線の宝庫島
南興の旗なびく下 南進日本を背に負いし
若き希望の健児こそ わが南興の専習校
二、忠至誠の大和魂 若人われ等が胸に燃ゆ
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「テニアン島沖縄県人戦没者追悼式」に続いて、専習学校の慰霊祭が行われた。南洋興発株式会社付属専習学校は、一切給費、全寮制の学校として、１９３８年（昭和１３年）４月にテニアン島に設立された。『記念誌 はるかなるテニアン』（沖縄テニアン会）所収の阿部興資「教育と松江春次」には次のように記されている。
〈この専習学校は南洋興発が中堅技術社員の育成を目的とする三ヶ年過程の社内養成機関として、設立者松江 . . . 本文を読む
照喜名朝一氏は「ジャンナ節」と会場に着いてからテニアンの海を見て即興で作ったという次の琉歌をのせて「大兼久節」を歌った。
波ぬ声ん止まり なみぬくいんとぅまり
風ぬ声ん止まり かじぬくいんとぅまり
戦ねん平和 いくさねんへいわ
御願さびら うにげーさびら
このあと玉城節子氏と比嘉凉子氏が「谷茶前」を踊ったのだが、日差しで . . . 本文を読む
「追悼のことば」につづいて芸能奉納が行われ、玉城節子氏が「南洋浜千鳥」を踊った。
なお、国の文化審議会は７月１７日に「琉球舞踊」を新たな国の重要無形文化財に指定し、その保持者として３９人を認定するよう塩屋立文部科学大臣に答申した。玉城氏も保持者として認定され、７月１８日付琉球新報には、琉球舞踊保存会代表として、長年の念願がかなったことを喜ぶ玉城氏の記事が載っている。
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今日の名護市は薄曇りの一日になっているのだが、日食で太陽が欠けていく様子は、はっきりと見ることができた。何か観測するのでなければ、目の負担が減ってかえってよかったかもしれない。午前１０時５４分に９０パーセント以上が欠けて、部分日食のピークを迎えた。あたりが少し暗くなり、数羽のカラスが鳴きながら飛び回る一方で、朝から騒がしく鳴いていた熊蝉の鳴き声が聞こえなくなった。１１時５分頃には元の通り熊蝉が鳴 . . . 本文を読む
Ｍ：毎日（めーなち）暑（あち）さぬ。
Ｓ：梅雨（ちゆ）ぬ終（うわ）いぐるやゆー雨（あみ）ぬ降（ぷ）ったんばーえっしが、最近や雨んぷらんとぅや。
Ｍ：夏（なち）ぬん盛いなとぅんばーえっしが、今年（くとぅし）や熊蝉（ワシワシー）ぬ鳴ちゅしぬいけらせーぬぐとぅやねんなー？
Ｓ：今帰仁ぬ家ーぬ庭木んかいやワシワシーぬ孵殻（しじがら）ぬゆーしがとぅーとぅ、去年とぅゆぬむんらんな。
Ｍ：あいれーがやー。地域に . . . 本文を読む
テニアン島で行われた追悼式からもう一人、遺族代表・伊佐善亀氏の追悼のことばを紹介したい。
このたび南洋群島帰還者会慰霊墓参団の一員としてまいりました。
本日、テニアン沖縄の塔の前で、テニアン市長はじめ、多くの来賓者並びに関係者ご参列のもとで、第３２回慰霊祭を催すにあたり、遺族を代表して追悼のことばを申し上げます。
沖縄県民の諸先輩が、血の滲むような努力によって開拓されたテニアン島は、私た . . . 本文を読む
