海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

鳩山首相来沖への抗議行動 5

2010-05-07 08:20:47 | 米軍・自衛隊・基地問題
 普天間第二小学校から辺野古に向かったのだが、鳩山首相の後を追う形になってしまった。沖縄自動車道で追いつき、前を走る鳩山首相の車が見えた。しかし、料金所でこちらが並んでいる間に差をあけられてしまい、キャンプ・シュワブ基地前に着いたときには鳩山首相は中に入っていて、抗議行動の参加者は次の場所である名護市民会館に向かい始めていた。もう少し早めに移動しておけばよかったと悔やんだ。
 基地の金網には絵やメッセージを記した布がずらりと張られていた。車を止めて写真を撮っていると、制服警官がすぐにやってきて移動させられ、仕方がないのでそのまま名護市民会館に向かった。



 市民会館にはすでに大勢の市民が集まっていた。「怒」と赤い文字で書かれた紙をもらって、集会に加わった。



 鳩山首相との会談を前に、稲嶺進名護市長が決意表明を行った。発言をテープ起こししたものを以下に紹介したい。

 今日(一部不明)時から、基地所在市町村の市長との意見交換会、昼食をしながらの意見交換会がありました。その中で、首相がお話しされたことは、号外ですでに発表されていますので、皆さんももうすでにご存じかと思います。県外は無理だと。沖縄県民に負担をお願いしなければならないと。そのようなことを言ってます。ただ、どこにとは明言してませんでしたけれども、しかし、私たちの思い、名護市長選挙の思い、4・25の県民大会の思いは、県内移設N0!である(そうだ、そうだの声)。従って、首相のご発言としては、はっきりと、県内移設はない、と言ってほしかった。しかし、残念ながら、そのような報告はありませんでした。
 私たちは13年間も、SACO合意からは14年間も、われわれ市民を分断するような思いをしてきました。翻弄されてきました。このことが、これからあとも続くということは、絶対にあってはならない(そうだ、そうだの声)。
 ひいては、今日これから、首相と向かいのホールで面談をするわけですが、みなさまの思いを、私は市民に約束してきたことを、そして、県民大会の県民の思いを、しっかりと首相に届けて、県内移設はあってはいけない、県外・国外をこれからもずっと努力すべきだと、そういうことをしっかりと伝えたい、と思っております(大きな拍手、指笛、頑張れという声援)。
 そして、みなさま方のこの思いは、必ずや首相に通ずるように、みんなで声を大にして、心を一つにして伝えましょう(大きな拍手、指笛)。私もしっかりと頑張ります。協力をお願いします(大きな拍手、指笛、声援)。



 午後5時半、名護市民会館1階の中ホールで、鳩山首相と稲嶺市長の会談が始まった。廊下にはテープが貼られてその中に市民は入れなかったが、ガラス越しに会談の様子を見ることはできた。稲嶺市長が鳩山首相に対し、できる限り市民に公開することを求めて実現したものであり、評価したい。



 廊下に詰めかけた市民からは、稲嶺市長への声援や鳩山首相に対する要望、批判がひっきりなしに発せられた。ガラス一枚を隔ててその声は鳩山首相に届いたはずだし、訴える市民の様子や横断幕、プラカード、「怒」の字も目に入ったはずだ。おそらくこのような会談は、鳩山首相にとって初めての体験だったのではないか。



 カメラの性能が悪くて、なにやら幽鬼じみた鳩山首相の姿だが、4月12日の夕食会でオバマ大統領に恫喝されて魂(まぶい)を落とし、そのままアメリカに置き忘れてきたようだから、こちらの方が鳩山首相の実像かもしれない、と思ったりする。



 鳩山首相との会談を終えて、市民に報告をする稲嶺市長。このあとも集会が続いたが、市民会館を去る鳩山首相に抗議したくて、道路の方に移動した。
 首相はメディアの取材に応じてから出てきたが、警備の警官に邪魔されて車の写真はまともに撮れなかった。国道58号線に出ていく鳩山首相の車にあび飛ばして、長い抗議行動を終えた。

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1 コメント

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鳩山総理に言いたい! (m.m)
2010-05-07 19:10:09
「徳之島は無理なので辺野古しかない。また沖縄県民にお願いするしかない。」とはなんたる言い草か。沖縄なら県民が猛反対しても「お願い出きる。」と思えるその感覚には言葉も無い。
これまで基地撤去の思いは強くもちながら、県民大会などへの参加しか出来なかった私ですが「今後、辺野古に強引につくる」というのなら、座り込みなどの行動へも出来る限り参加し、行動を起こすしかないと思っています。
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