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ハセツネ30K

2019-04-01 23:26:32 | ランニング

ハセツネ30K 走りました。

きつかった。

 

レジェンドクライマー長谷川恒男氏を讃えるレース、ハセツネCUP。

正式名は日本山岳耐久レース。名前で怖気づいちゃう。

制限時間24時間のレース。

普通の人は金もらったって走らないよね。それを金払ってまで走る。

その出場権をかけて奥多摩を30キロ走ってきたのであった。

1000位以内に入ると秋のハセツネCUPに出られるんだね。

 

30キロってトレイルでは、ショートかミドルの部類。

決して長距離じゃないんだよ。

 

長距離なのに、それをショート、ミドルのカテゴリーって、、、

変態なスポーツですな。

 

この30キロがいやらしい。オレが思うに中途半端な距離なんだ。

 

なぜ中途半端かというと、完走目指してスローペースで進むと1000位以内にはまず入れない。

かと言って上位目指して突っ込むと、後半の長い下りで脚がもたなくなる。

だから「生かさず殺さず」でタイムを出さなくちゃいけない。

 

だから難しんだ。しかもオレは今回初参加だから経験がない。

作戦は机上の空論ってやつね。

 

特にスタート直後のロード10キロ。

トップはキロ3分で走るそうだ。それって箱根駅伝並み。

一般はどうだろ。フルマラソンのプラス30秒ペースで走ればいいのかな。

 

 

さて。朝7時前にあきる野市に着きました。

会場に着いたらビックリ!!!

スタート8時30分の1時間前からスタートの場所取りが始まってるし。。

いや~、ガチンコだなあ。 道志村トレイルだって整列はスタート30分前だったよ。

 

1000位に入る目安は5時間とされとります。

でも年々選手のレベルがどんどん上がってきて4時間45分くらいがボーダーになるんじゃね?

だから4時間半でフィニッシュできればかなり余裕でしょ。

 

 

スタートゾーンには3時間、4時間、5時間の看板があり、オレが位置したのは5時間ゾーン。結構前にいっぱいいるね。

全体からすると半分くらいかな。つまり1000位の位置なのか?

 

 (前方いっぱい)

 

トレイルのレースってかっこいいんだよ。

MCがガンガン喋り、音楽鳴らしてボルテージを上げていく。

 

カウントダウン、8時30分 スタート。 曇り、ちょっと寒いくらい。

道幅8mくらいのコースを2000人が一気にスタートする。

狭い狭い!危ない危ない!!!!

もうこれでアドレナリンが一気に噴出。

オレなりにスタートダッシュ。がんがん前に出る。

すみません、すみませんを連呼(笑)。

とにかくみんな飛ばす飛ばす! フルマラソン並みっす。

しかも背中には水1.5Lと行動食。重いんだよ。
背中に荷物があると明らかにしんどい。

スピードトラップにハマりそうになる。

周りの雰囲気でついつい飛ばしちゃうことね。

 

でもオレはだいじょうぶ。 
朝は弱いから飛ばそうと思っても長い距離維持できないのだ。(笑)

 

周囲の荒い息使いとトレイルシューズがアスファルトを叩く硬い音が耳に入る。

なぜみんなぶっ飛ばしているかというとロード10キロ終えてからの
トレイルの入り口が大渋滞するからだ。

その渋滞の前の方にいなくちゃいけない。だからみんな走る。

で、止まりました。 いきなりビタっと。 渋滞開始。12分ほど完全停止。

(超人気ラーメン店の行列みたいな)

ここでモチベーション完全ダウン。
あれれ?オレのレースこれで終わっちゃのか???

トレイルに入っても前がつかえてるので超スロー。先が思いやられますな。

 

 (これまた渋滞)

たまーに走れても、また先でストップ。 この繰り返し。

いやー、これってレースなのかな?なんて思いながら先に進む。

たまに走れてもシングルトレイルなので前の選手を越せないし。

 

だから登りで抜くしかなかったよ。

登りで前の選手の左右にスペースができたら走って抜く。

少しずつ順位を稼ぐ。あまり変わらないけど地道にやるしかない。

10人抜いたら、1005位は995位になってるかもしれない。

 

(これでもか渋滞)

 

トレイルは10キロ続いたよ。

走れるところはとにかくガチンコ走りした。

身体はよく動いたな。

「よし、今日は調子がいい!」と思えればいいんだ。
そう思い込んでしまえばいける。

結局、前の晩にビールをちゃんと飲んでもあまり影響しないことがわかったよ。

普通の生活がいいんだ。

普通の生活の中にトレイルあり!みたいな。

 

 

そしてトレイルパートが終わり、ロードに出る。

これがまた延々下りのロード。長い長い。

 

長い坂道は危険。一歩一歩ズドンズドンと衝撃が走る。

オレも走るけど、衝撃も走る。

もう、おっかなビックリで走るわけよ。

 

眼の前に潰れかけのランナーがボチボチ見えてくる。

明らかに辛そうだし、脚を引き摺って走ってる選手もいる。

オレも数分後にこうなるのかな、なんてネガティブになる。

 

だから気分だけは明るく持つようにしたよ。

前の選手を抜く時は声をかける。もうちょい!がんばろう!とかね。

抜かれる選手は、ありがとう!とか、ヨッシャー!とか返してくれる。

オレの話しかけは余計なお世話ではないのだ。
フルマラソンにはないハートフルな瞬間がトレイルにはある。はず。

 

あとこういうのもあったよ。

オレをものすごい勢いで抜いていった選手がいたよ。あー、この人サブ3だな。

とてもいい走りだった。だからオレは、かっこいいいいい!!!ナイスラン!
いけいけー!って言ったんだ。

彼はとても喜んで更に加速してすぐにオレの視界からいなくなった。

 

下りが終わり登りに入った。ここもロード。

そこでそのいい走りの彼、潰れておりました。(笑)

自分で自分の走りをマネージメントするって基本ですな。

 

登りに入ったこのロード、本当にキツイ。 今回のきつさのハイライト。

隣に現れた選手が、顔を歪めながらオレにこう話しかけた。

「誰か歩いてくれれば私も歩くんすけどね、、、」

ほんとそうなんだ。トレイルって集団心理が大きく働く。

みんな楽になりたいんだ。オレは彼の願いを叶えてあげたいと思った。

 

「よし、任せてください!」 
辛くても走っている彼にそう返して、オレは大きな声で、

「みなさーん、ここは歩いてもいいんですよーーーー!!!」って叫んだ。

そしたらどうよ!前後の選手一斉に歩き出したよ。 
みなさん、すげーホッとした表情になって!

オレは救世主だったかな(笑)。

 

もちろん、オレは走り続けましたよ。これも作戦(笑)

 

このロードの登り、その先に鳥切場が現れる。 トッキリって読む。

登りのロードの先に立ち塞がる断崖絶壁。

その壁に足を鎖で繋がれた囚人達が悶絶しながら歩いてる。そう見えた。

 

嫌だ嫌だと思いながら到達しちゃいました。トッキリ登山口。

登り始めて即、脚がプルプル震える。
乳酸が出まくってケツあたりがニガーイ感じがする。

ニガイウンチ漏らしたわけじゃないよ。
しかもあれだけ汗かいても、まだまだ汗が滴り落ちる。

アップダウンを繰り返し、いよいよラスト。

最後の最後、長いダウンヒルはもう脚の限界。いつ吊ってもおかしくない。

 

変電所に出た。トレイル終わった!!!

残るは2キロのロード、地元の人達の声援。レースのクライマックス。

この応援には本当に助けられる。
最後のわずかに残る力を振り絞れるかどうか、、、
もうここは人間力。オレはそう思うね。ここで笑顔で走れるかどうかだ。

(エアピストルで笑う)

 

フィニッシュ。

4時間19分28 総合525位。  本戦出場権獲得!

(with goodrサングラス。衣装提供はOnジャパン。自分で買ったんだけどね。)

 

いやー、嬉しかった。

なにが嬉しかったかっていうと全力で走れたことだ。

これに尽きる。

渋滞以外は一度も立ち止まることはなかったよ。

タラレバになるけど、渋滞がなければ3時間59分25。

 

他人と競うには上には上がうじゃうじゃいる。

今回の優勝者は2時間40分。すごいなあ。

 

 

 

第11回 ハセツネ30K 大会結果

男子総合優勝  城武 雅    2:40:03

女子総合優勝  高村 貴子   3:09:26

 

出走数   1,648名  (男子1,460名 女子188名)


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