小布施町は修景事業に取り組んでいます。
古い建物を大切に保存するという姿勢はもちろんありますが、新しい建物も小布施の風土にマッチしたもので、町の風景をより自然なものに「修景」することも町の方針として長く行われてきました。
岩太郎の家。新しくできた道端のミニショップ。
「修景」の前提として、もともとあった建物の材や外壁の材質調査が行われたそうです。新築の時に、その基準に沿った場合は何らかのインセンティブを与えて(内容は忘れましたが)街並みを整えてきたのです。
この「岩太郎の家」は道具小屋だったそうですが、おしゃれな空間に変身していました。できるだけ木組みや壁を生かしているのがよくわかります。そうしさえすれば町並みにしっくり溶け込んでいくのですね。
一方でモダンなテイストも。このおしゃれな味付けが小布施人気につながっていると思います。
このような入れものができると、前頭葉がむくむく動き始めるのでしょう。「風のいたずら」なら選んで買ってしまいそう。
町の中心部には、古くからの建物、新しい建物がそれぞれに落ち着いた雰囲気で自由でいながらまとまりも見せてくれます。
北斎館も小布施を特徴づける土壁ではありませんが、違和感はないですね。この北斎館建設を機に、そのエリアの修景がそもそものスタートだったと聞きました。
高井鴻山記念館。北斎のアトリエ碧漪軒(へきいけん)も現存しています。
市村本家
新しくオープンするお店もおしゃれ。出来上がった小布施ブランドを大切にしている気風が伝わります。
蔵を生かしたコーヒー焙煎所
古民家カフェ 珈茅
鈴花。九州新幹線ななつ星で著名なデザイナー、水戸岡鋭治さんのデザイン。
今回初めて訪れた雁田山の古刹浄光寺 創立600年の薬師堂がありました。
浄光寺参道のそばにはスラックラインパークがあって、小学生が楽しげに挑戦していました。
またその隣には小布施クエスト。雪がない時のスノボーの練習場。若者たちがたくさん集まっていました。雁田山裾にこのようなスポーツ施設をまとめて設置するという視点がいいですねえ。
中島千波美術館にも行きました。
今回の宿「おぶせの風」の同宿だった大阪のおばちゃん3人組の発言。
「おぶせミュージアムは行かなくてもいいわよ。だって絵が少ないもの」行ってびっくり。中島千波さん古希記念特別展で学生時代の自画像からかなり抽象的な作品群、屹立する独立峰を日本画に写した新作まで、実に見ごたえのある展覧会でした。
500円で申し訳ないくらい!
十人十色と言いますが、観光で生きて行こうとするとどこにターゲットを置くか誰かが(合議制にしても)決めておかないといけませんよね。それはあたかも人の前頭葉の役割みたいなものです。
ちなみに大阪のおばちゃんたちの、今回の小布施の旅の目的は小布施堂の新栗の時期限定のお菓子「朱雀」を食べること!
早朝5時過ぎから400枚限定の整理券を手に入れるために並んで「朱雀」を食べる。このような目的も確かにありだとは思いますが、小布施のベストシーズンだからこそ感じられる、実りの豊かさ、花のきれいさ、街並みの持つ魅力、その他を振り捨ててしまうのもちょっともったいないかなと私の前頭葉は判断しました。