脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

認知症予防講演会 at 魁心書法院

2017年05月13日 | 認知症予防講演会

高校生に認知症予防の話をしました。

戸畑高校同期の幕田さんは書家です。大学卒業時からどの結社にも属さず、孤高の道を修行まい進してきた幕田さんは、自由・奔放な独自の書法を確立しています。外国での評価も高く、昨秋にはフランス政府から勲章を授与されるほどの実績があります。
魁心書法院の総会での講演会を頼まれました。エイジングライフ研究所の講演は、二段階方式による認知症予防をする市町村に限られているのですけれど、同期生からの依頼とあれば…
初めての東京湾アクアラインで君津市へ。

千葉は広々してますねえ。幕田さんの作品巡りをしてくれました。
かずさアカデミアホールは近代的なコンベンションホールですが、そこのホールに大作が展示されていました。

「千字文」
一字の重複もなく、四字一句250句からなっている、文字を記憶するテキスト、習字のテキストだそうです。中国6世紀前半に完成し、日本には聖武帝以前に渡って来ていた記録があるとか。色がついた色紙は紅葉を象徴しているのだそうですが、こういうところにも幕田さんの自由で斬新なセンスが感じられました。
幕田さんは「月の砂漠」や「証城寺の狸囃子」など童謡の歌詞を作品化しています。それらの童謡の生まれた地がここ千葉県。
証城寺は君津市にありました。証城寺鐘楼。

本堂に展示されている、幕田さんの作品。

だから「君津駅前のモニュメント」にはタヌキのきぬ太君が。きぬ太君は「たまには逆立ちの視点で世の中を見たら?」という意味があるそうで、ちなみに全国公募で決められたキャラクターです。

この彫りはすばらしいものだという解説がありました。このようなかすれは、石彫りでは普通は表現できないものですって。

かすれの解説もしてくれました。
湧き上がってきたイメージを表現するには、筆の特徴をよく知ったうえで、筆を駆使して書く。結果、こういうかすれは、必要なときには必然的に生まれるものだそうです。「弘法は筆を選ぶ」ということですね。
アトリエに無造作に置かれた筆に圧倒されました。

「認知症は防げる・治せる」というテーマの講演会は、魁心書法院の皆さんだけでなく一般の方々にもオープンでしたから、結構たくさん集まられましたが、問題がありました。書法院の会員の中には学校の先生がいらっしゃるので、その教え子の高校生が30人。
高齢者中心の一般の方々と高校生。
「ウーン。どうしましょう…」
講演のパワーポイントを用意するときに、テーマが認知症予防でも、どうしても高校生に「自分にも関係していると思ってもらえる話をしてあげたい」と思ったのです。

二段階方式とは「脳機能から認知症を理解する」ことですから、脳機能の話を少し多めに構成してみました。
それは前頭葉の話です。

「こんな人はいませんか?」「どういう生き方をしたいですか」

「その差は、それぞれの前頭葉が決めるのです」
「前頭葉は体験し、評価し、納得していく過程を経てはじめて自分のものになります」
「前頭葉こそ、その人そのもの。十人十色のその色の差を生むものです」
「脳のもっとも高次の機能であり、脳の司令塔ともいうべきものです」
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礼儀正しく、素直な高校生たちは、真剣に聞いてくれました。認知症予防はここから始まります。




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