フェイスブックやブログに「おいしいもの、食べました~」みたいな投稿は、最近は遠慮しておくことにしているのですが、北海道の旅の記録ということでお許しください。
洞爺湖ウインザーホテルは夕食がとっても高かったので、ホテルスタッフに聞いて洞爺湖町まで下りていきました。
「めしどころ松前屋」大徳寺の和尚様から頂いたという額が!
68歳のおかみさん、その娘さんが料理担当。もう一人女性のフロアー係。3人で切り盛りしている小さな店ですが、素晴らしいお店でした!
「小さな店ですがお客様にゆっくりと我が家にいる様な思いでくつろいでいただくのが私のモットーです。魚も肉も地場産使用で野菜は朝どり。魚介はその時の旬のものを御用意いたしておりますのでお楽しみください」という宣伝文句に一片の偽りもなく、初めていただいた「ハッカク」の焼き物を始めどれもこれも全部おいしいとしか言えませんでした。
このモットーに至る道を語ってくれました。
雲仙普賢岳噴火の時には現地に行かれ、その後も2か月にわたって各地を回り「いろいろ考えました」
有珠山の噴火で被害を受けて、「結局、店をやるということはお客さんに喜んでもらうことが一番の目的だということ。経済的なこともあるけども、お金を儲けるだけが目的である必要はない!お金はうまく使ってなんぼだからね。行きたいところがあればお店休ませてもらっていくんだから、私たちは」と、膝を打ちたくなるような気風の良さです。
「富士山を見にいらっしゃいませんか?」という私たちの誘いにまんざらでもないような感じを受けましたが、いかがですか?
阿部むつ子さん、いつでもお待ちしていますからね。
北限の日本酒「国稀」余市ニッカウイスキー「竹鶴」発見。
「SNSのせいで、全然宣伝していないけど外国のお客さんがよく来てくれるんです」
確かに何組も外国の人たち、それに地元の人(実はウインザーホテルの総料理長も来店されるとのこと)そして私たちのような旅行者が混じっています。
「娘が英語をしゃべるので、私は役場の中国語講座を受けて、ちょっとだけ中国語で相手をします」料理もおいしかったけど、すばらしい前頭葉の持ち主の魅力的なおかみさんでした。(申し訳なくて料理の写真は撮れませんでした)
ニセコ 鮨「花吉」
このお寿司屋さんも、ヒルトンニセコビレッジのフロントで教えてもらいました。
アップも。
このお寿司がまたおいしかったのです。味はもちろん、おしゃれで清潔な店の雰囲気、スタッフの方たちの元気の良い丁寧な接客。感動的でした。
店主の吉岡さんは、東京で修業されたそうですが「ふるさとニセコでやりたかったんです」と。
「一時期から、オーストラリアの方たちが見えるようになって、ニセコの冬は季節料金になってしまったんです。宿でも何倍もの宿泊料にしても埋まるんです。でも、ここで店をやるからには地元の人たちに来てもらわなくては、と思っています」
お吸い物は、旬のベビーホタテ。
「おいしいのは当たり前。喜んでもらうにはどうしたらいいかとかいつも思っています」という言葉に誘われて、今、フェイスブックフレンドの小布施「鈴花」鈴木さんのお話しをしました。鈴木さんの病気を乗り越えて生きる信条や、JR九州「ななつぼし」をデザインされた水戸岡さんへお店の設計をお願いして、何年か待って実現させたこと、しなの鉄道のろくもん列車、湯布院にこの度の地震お見舞い激励旅行に行かれたことなどお話しするうちに、「必ず、小布施に行きます!松本に後輩がいるので行けます!」とおっしゃいました。
「少しでもより良くする努力を怠りたくない」という気持ちに触れて、お寿司のおいしさだけでなく、とてもいい気持ちにさせていただきました。
「冬のニセコもいいのですが、今の季節も大好きです」と言われた吉岡亮平さん。
ありがとうございました。またお寿司を食べに伺えることを願っています。小布施にいらっしゃるときにはお知らせください!
社会人として仕事をする時、いろいろな思いを持って仕事をすることは、もちろん自由です。ただ私は洞爺湖「めしどころ松前屋」の阿部むつ子さんやニセコ鮨「花吉」の吉岡亮平さんのような方にお会いして、お仕事に対する真摯な思いを教えていただくと、おいしい食事をいただいたこと以上にこういう方にお会いできたという喜びが、私の旅の思い出の中心にどっかりと座り続けてくれるような気がするのです。
出会いの付録
洞爺湖ウインザーホテルでのできごとです。
1.めしどころ松前屋で、先に食事を済まされた方たちと目があって、ご挨拶しました。私たちと同じようにウインザーホテルからお食事にいらしたことがわかり「グッドチョイス」と笑いあいました。
2.その後ホテルに戻って、毎日あげられる洞爺湖花火を見ていました。お風呂への通路からがベストポイントと聞いていましたから、大きなガラス窓に張り付いてみていました。「この前見たのは壮瞥町に行ったとき。寒くて人もいなくて寂しい花火だったなあ」などと感慨にふけっていると、お風呂からお帰りの方が「先ほどの…」とお声をかけてくださいました。先ほどの紳士!
3.翌朝、お風呂へ行く途中、同じ場所でまたまたすれ違い!「おはようございます」
4.サミットテラスで写真を撮っていると、私たちに続いてテラスに「登壇」されたご夫婦。その長身の紳士とは4度目の再会!少しお話ししました。大阪の高槻市からいらっしゃった〇槻さんとおっしゃることがわかり、「何ということ」とちょっと運命的だと思ったのは大げさでしょうか?
5.写真を撮ったので、少し遅れて、一人で部屋へ急いでいました。私たちの部屋の手前のドアが開いて、今お部屋に入ろうとされているご夫婦が。そうなのです、〇槻さん。あの大きなホテルで5回も遭遇するなんて!きっとまたどこかでお会いできるのではないでしょうか?(実は、チェックイン前のロビーで、私は既に目撃されていたのですって。だから6回お会いしたことになります!)
旅はこんな印象深いできごとも体験させてくれます。ずーと覚えていると思います。
その時撮りに行ったメインダイニングの入り口。
紫の花がテーマのようでした。昨夜のロビー。
〇槻さんがご覧くださいますように。