脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

私の消夏法その6ー働く(障子張り替え)

2015年08月10日 | 私の右脳ライフ


昔々、小学生のころ。
夏休みになると母が布団を作っていたのを思い出します。綿を広げて、新聞紙をのせてくるりとひっくり返して布団皮に綿が包み込まれるのをマジックのような気持で眺めていました。もう少し大きくなると、ひっくり返した布団の端をもって引っ張る手伝い、綿を広げる手伝い、針を使って綿を止める手伝いなどなど、私の夏休みの年中行事でした。
「さあ働きましょう!」と私の気持ちに号令をかけます。夏休みは子供たちをはじめお客さんが多いので、「すっきり過ごしてもらいたい」という思いは、私にとってはまたとない動機付けになります。
懸案事項だった和室の障子張り替えに挑戦することにしました。

和室の障子は雪見障子なのでお手上げだったのです。でも、困った時のネット検索。とても簡単に外し方がわかりました。
その前にガラス部分を磨いて、桟を拭いて、溝のお掃除もしなくてはいけません。


普通の障子と違って、下半分がガラスですから、重いのです。しかも1間半に2枚(ということは横幅が広い)。これは想定外で結構大変でした。

床の間に立てかけてあるのが、下半分の動かすことのできる障子。畳の上に置いてあるのは重い障子の本体。
作業の手順は、障子の一辺に紙を当てて仮止めをして、障子の長さに切る。

紙を仮止め場所まで巻き上げて、糊をつける。

紙を広げて、糊止めをする。

乾いたのちに余分な部分を切る。

一つ一つの作業が結構大変。紙の切り方や糊の付け方など、「誰かにコツを教えるとしたら」と考えながらやったのですが、教えられるほどにはそのコツがわかりませんでした。

ただ作業しながら、いろいろいろいろ考えるのが、ちょっと面白かったです。
やりたくもない作業を、イヤイヤやっているときと、自分がやろうと決めたことを淡々とやっているとき、今回のように何かのコツをつかもうとしているとき(しかも人に教えたい!という大それた望みをもって)、外から見れば同じ「障子張り替え」という作業をしているのですが、脳の中では全く違う作業が繰り広げられている・・・
一番早く時間がたつのはどのときでしょうか?
講演で話すエピソードを思い出しました。
おばあさんが一人でテレビを見ています。
一人のおばあさんは、することもなく、話す相手もなく、惰性のようにテレビをつけて時を過ごしている。こういう時の定番は「水戸黄門」かなあ。
もうひと方は、「今度の集まりの時の話題についていけるように」「今度の集まりの時にこの話を皆にしてあげなくては」と思いながらテレビを見ている。その番組がニュースであれ、ドラマであれ、ドキュメンタリーであれ、お笑い番組だって、深くかかわりながら見ていることに意味があります。
外から見れば、同じようにテレビを見ているわけですが、脳の活動レベルは全く違います。
脳は正直者ですから、使ったふりは有効ではありません。

早く時間がたったと感じるときには、脳は間違いなく活性化されています。コツを教えたいという大それた望みは達成できませんでしたが、全く「情けは人の為ならず」ですね。
このくらいきれいになりました。陰影礼賛と言ってみたいような気がしますが?


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