脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

記憶力低下事件が続きます

2016年11月28日 | 正常から認知症への移り変わり

記憶力の低下を実感する事件が立て続けに発生!
世の中の高齢者といわれる年代の皆さんはこんなことが続いたら 、きっと「あれぇ・・・これってボケの始まりかしら?そんなはずはないと思うけど・・・でも…」と思われるでしょうね。
この春から、月2回行われる「伊東自然歴史案内人養成講座」に参加しています。先月末には「城ヶ崎海岸の自然・植生」がテーマ。私の住んでいる城ヶ崎海岸のピクニカルコースのうちボラ納屋から海洋公園までを歩きながらの勉強会でした。

すでに知っていることの確認が多かったのですが、それでも全く知らなかったことをことを教えていただいたり、新しい気づきもあってとても充実した講座でした。帰宅した時の高揚感と満足感はもちろん鮮やかに覚えていますとも。
それなのに、画像の読み込みができなくて少し間がたってしまいました。
そしてようやく記事にしようとして、「ああ、そうだったのか」とあれほど納得して聞いた説明の記憶が抜け落ちてしまっていることに気づき愕然。
 
教室で受け身で聞いているだけではなくて、 実物を手にしたり、目の前で確認しながらの説明ですから、記憶に刻み込まれているはずなんです!
でも、すらっとスムーズに書けるものもあれば、というかそれはもともと知っていたこと。新しく感動して得た知識の方は「えーと、何という名前だったかしら」「違いの決め手はなんだったか・・・」 ばかり。
記憶力低下に、心からびっくりしました。

いつもシャリンバイとトベラで迷うのです。「実があるときは区別しやすい」という先生の言葉は記憶に残っていました。さてこの黒い実はどちらだったでしょうか?
困った時のネット検索。答えはすぐに見つかりました。上の写真はシャリンバイ。トベラは丸い実が弾けると赤い小さな種がたくさんついています。トベラはひとつ黒い大きな種があるだけです。

これは覚えています。お世話人の方がいわれました。「城ケ崎ブルーというのですよ!」
 
齢を重ねる記憶力に問題が出てきます。
記憶は3ステップといわれます。まず記銘(覚え込む)。次に保持(覚えておく)。そして想起(思い出す)のステップです。
まず記銘。テーブルの上に品物が山とあって、その名前を覚えることを、若い人と競っている情景を想像してみましょう 。
一定時間に外国語の単語をたくさん覚える競争でもいいでしょう。
残念ながら、即答できますね。 若い人にはかなわない!
年齢とともに覚える能力も低下していきます。ものの本で読んだ情報ですが 、60代になるとピーク(少なくとも20代前半まででしょう)の半分になるとか。
保持する力も低下しますね。ただこれは記銘の力が低下しますから、よほど強く記銘しておかないと保持できないということでもありますが。
そして想起。覚える力も低下するのですが、思い出す力も低下しますから、その二つが合わさった効果は「絶大」です。
「ずーと思いだす努力をしてみる」「語頭音のヒントから思い出す」。50音の『ア』から順番に頭に浮かべるとか。『わ』で始まる単語だと大変ですが(笑)

お天気がよくて海の色も素晴らしく、伊豆大島が望めます。

記憶力の問題は、徐々に起きてきますからまあ、それなりにクリアしていくものですが大きな事件があると不安が押し寄せてくるのでしょう。
この岩をアップで写しているのですから、説明があったのですが、あまりにも曖昧な記憶しかなくて、とてもここには書けません。多分火山弾がはっきり見えるとかじゃなかったでしょうか?

魚見小屋のことはよく覚えています。江戸時代ボラの群れを見張っていた小屋。なぜボラを見張っていたかというと理由があります。
1.ボラは強い魚で水から上げても平気で生きていられる。
2.そのうえ河口のボラと違って臭みもなくおいしい。
3.潮流に乗れば江戸まで2時間で行ける操船術があった。
4.将軍家でも珍重された。
興味のあることとないことでは、記銘の段階で差が出るのです。

イソギクの花が今にも咲きそうでした。


 

 

 

 

 

 


事件はまだ起こります。
太極拳の教室が変更されていました。お知らせはあったのです。スケジュールに「赤沢」と地名だけ書いてあって「なんだろう」と首をかしげながら、いつもの「富戸コミセン」に行ったら、車が少ない。そこで前頭葉が働いて玄関ホールで会場の確認。会場の3階大会議室は「秋祭り準備」に使われている!そこで「赤沢」の意味が分かって、もちろん笑いましたとも。そして3階まで上がらなかっただけでもいいかと自分を慰めました。
前頭葉はもうひと働き。「これからもう少し詳しくメモ書きしよう」。「太極拳赤沢コミセンに変更」こうしておけば大丈夫だったはずですからね。

唐突ですが、11月12月生まれがそろった「クーちゃん会」の今年の誕生会ケーキ。

事件、もうひとつ。
雑談中の友人から「ほら、あの方なんていうお名前だったかしら?」と、突然言われました。
一か月ほど前にお会いしました。顔が出てきます。下のお名前が、しかもご夫婦とも出てきます。なのに名前が?
もちろん、少し後で思い出したのですよ。でもその時は質問された友人とは別れてしまっていました、残念!
もう20年も前になるでしょうか。当時働いていた病院で私の上司だったK子先生が言われました。
「記憶力なんていうものは、前頭葉機能から言えばレベルの低いもの」
そしてどのくらい「想起」できなくてもいいかという例として、「院長先生の名前が出て来なくても、気にすることはない。そんなのは度忘れだよ」と。その時の私は「いくらなんでも、そんなこと。だって院長先生はおひとりだし、第一お部屋もお隣、たびたびお目にかかっていらっしゃるだろうし」と思いました。反論はしませんでしたが。
私の前頭葉はよく働いてくれました。前頭葉の判断のおかげでちゃんと抑制できました。反論しなくてよかった・・・この齢になると「いいたとえ話を聞いておいたなあ」と懐かしく思い出すことができますから。
齢をとってからわかることってあるのですね(笑)

 


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