毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




ライブ収録されたジョン・エリオット・ガーディナーによる「クリスマス・オラトリオ」(記事は「『クリスマス・オラトリオ』 BWV248 [2]」)。このDVD(TDKコア株式会社 TDBA-0003-4)は、1999年12月23日と27日、バッハにもゆかりがある、ヴァイマールのヘルダー教会での演奏会を収録したものです。ガーディナーたちの演奏は熱気にあふれたもので、教会に集った聴衆も熱く支持しています。

オーケストラは、第1ヴァイオリン=5、第2ヴァイオリン=4、ヴィオラ=3、チェロ=2、コントラバス、ファゴット、チェンバロ、オルガン=それぞれ1、ほか管はそれぞれ1、合唱はソプラノ=6、アルト=4、テノール=4、バス=4、という小規模な編成です。ただし合唱はソロ歌手も参加しているので(常時参加はマクファデンとヘンシェル)、じっさいには7-4-4-5だったり、7-5-4-5だったり、7-5-5-5だったりです。

ソロ歌手は、マクファデン(ソプラノ)、フィンク(アルト)、ゲンツ(テノール)、ヘンシェル(バス)で、前記のように、マクファデン(元モンテヴェルディ合唱団員)とヘンシェルは、バッハの時代がそうであったように、合唱にも参加しています。フィンクは、第33曲、第35曲と第4部以降を歌っています。エヴァンゲリストを歌うゲンツは最後の第64曲のみ参加(アリアも歌っていますが不調な曲も)。

さて、演奏をきいていておもしろかったのが、その演奏時間(つまりテンポ)です。ガーディナーの「クリスマス・オラトリオ」の、1987年録音のCD(ARCHIV PRODUKTION 423 232-2)とくらべると、おおむね、合唱、アリアではDVDが速めに、コラールはDVDが遅めにというふうになっていました。もともと、劇的にコラールを歌わせていたのですが、DVDではさらにたっぷりと、劇的になっているようです。

モンテヴェルディ合唱団はさすがにうまく、ガーディナーの要求にこたえて歌いまくり、第43曲はその機動力がいかされた好例といえます。オーケストラも好演で、トランペットのエクルンドや、フルートのシー、オーボエのポンセールが名技を披露。とくにエクルンドは優秀で、まさに喨々とトランペットを吹き鳴らしています(1996年の第1回アルテンブルク国際バロック・トランペット・コンペティションで優勝)。

なお、このDVDには「クリスマス・オラトリオ」のほかに、2編のドキュメンタリーが収録されています。「歓呼し、喜び踊れ」と「バッハ再訪」というのがそれで、それぞれ「ガーディナーのバッハ・カンタータ巡礼」と「ガーディナー、ザクセン-テューリンゲンにて」という副題がつけられています。これも興味深いもので、この記事はそれをみながら投稿しています。



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