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●アベ様の「政」とニッポン社会: タカのガナリ声が大きくなるばかりで、少数派のハトも「都会のハト」化

2017年03月18日 00時00分27秒 | Weblog

【2017年3月8日東京新聞↑】


琉球新報のコラム【<金口木舌>都会のハト】(http://ryukyushimpo.jp/column/entry-459467.html)。

 《ハトは普通、人間が近づくと飛び立って逃げる。しかし街に住み着く「都会のハト」は、人慣れしていて人や車が近づいても、ぎりぎりまで飛び立たない》。

 タカのガナリ声が大きくなるばかりで、半数が「眠りネコ」で沈黙・無関心…、そして、頼りの少数派のハトも《都会のハト》化? もう《ぎりぎり》は疾うに過ぎていると思うのですが、《飛び立たない》《都会のハト》、眠りこける「眠り猫」の皆さん。

 東京新聞の記事【共謀罪「反対」が多数 1月調査を逆転 45%、賛成は33%】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201703/CK2017031302000121.html)によると、《「森友学園」に国有地が土地評価額より格安で売却された問題について、86・5%が「適切だと思わない」と回答し、「適切だと思う」の6・6%を大きく上回った…内閣支持率は前回二月より6・0ポイント減って55・7%。不支持率は3・5ポイント増の30・7%だった…共謀罪の構成要件を変えた組織犯罪処罰法改正案については反対が45・5%、賛成は33・0%》…。
 記事のタイトルには希望を感じたけれど、「平成の治安維持法」について、まだ《賛成は33・0%》というのだから、嫌になる。ハトの声も翳むわけです。また、さらに驚いたことに、悲惨なアベ様の「政」にもかかわらず、内閣支持率が《前回二月より6・0ポイント減って55・7%》のオメデタサ。デンデン王国の「裸の王様」がニッポンを破壊、自公・「癒(着)」党に座して従う「眠りネコ」の皆さん。ハトの皆さんの《しつこさ》に頼る以外に無し。

   『●そういうことで騙される人はたくさんいる: 
      内閣支持率49.4%、アベ様による消費増税賛成46・5%
   『●鈴木耕さん、核発電人災等々々々々々…
      「自民党内閣だったら解決できただろうか。とてもそうは思えない」
   『●「閣僚の適格性に関わる重要問題」連発… 
      そもそも「テロ等準備罪 必要46%」というような法案なのか?
   『●「政治的修文」ではなく、法案の目的や「その他」に
        『平成の治安維持法』「内心処罰」という文言追加を

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http://ryukyushimpo.jp/column/entry-459467.html

<金口木舌>都会のハト
2017年3月12日 06:00

 ハトは普通、人間が近づくと飛び立って逃げる。しかし街に住み着く「都会のハト」は、人慣れしていて人や車が近づいても、ぎりぎりまで飛び立たない

▼人間もそんな「都会のハト」になっていないかと指摘するのは、全日本おばちゃん党代表代行の谷口真由美さん(大阪国際大学准教授)。「知らない間に共謀罪が成立していた」とならないためにも、日頃から「『なんでやねん』とツッコミを入れることが大事」と説く

▼政府は南スーダンからの自衛隊撤退を決めた治安の悪化を否定するが、防衛省がいったん廃棄したと説明した日報が見つかり、そこには「戦闘」の言葉があった。停戦合意などPKO参加5原則の逸脱がなかったか、さらなるツッコミが必要だ

▼世の中「都会のハト」ばかりであればあるほど、為政者にとってこれほど楽なことはない。谷口さんは「日本人は『お上が間違ったことはしない』と思ってしまいがち」と指摘する

▼そんな国民の「体質改善」と、為政者へのチェック、つまりツッコミがよりよい未来をつくる。「都会のハト」が失った「危険察知能力を鋭く磨く必要がある

▼ちなみに、全日本おばちゃん党のスローガンは「愛と勇気とおばちゃんが世界を救う!」。谷口さんいわく「おばちゃんは共感力が高く、案外しつこい」。世界を救うおばちゃん、男女を問わず目指してみませんか。
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●唖然、呆然、あ~あ言っちゃったょ…「アベ様一押しの「次期総理」「未来の総理」」稲田朋美防衛相

2017年02月11日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞の横山大輔新開浩記者による記事【9条問題、言葉で操る 「戦闘」は問題になるから「武力衝突」に】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201702/CK2017020902000132.html)。

 《稲田朋美防衛相は八日の衆院予算委員会で、南スーダンの現地勢力間の戦闘の有無に関し「法的な意味における戦闘行為ではない。国会答弁する場合、憲法九条上の問題になる言葉を使うべきではないから、一般的な意味で武力衝突という言葉を使っている」と述べた》。

   『●稲田朋美氏敗訴: 大阪地裁認定
     《政治方針がヘイト勢力に支持…ヘイト極右勢力との親和性が非常に高い》
   『●「あとの祭り」: 「自民党きっての極右議員」
      「極右思想」大臣…こんな防衛相が誕生しちゃいました
   『●稲田朋美氏はアベ様一押しの「未来の総理」だそうです。
             あ~、カンベンシテクダサイ、オネガイデスカラ…

 唖然、呆然…あ~あ、言っちゃったょ、「アベ様一押しの「次期総理」「未来の総理」稲田朋美防衛相。

   『●「人殺し」なんぞには行かせたくない
   『●戦争できる国へ: アベ様をはじめ
     自公議員・翼賛野党議員の皆様がまずは「丸太」に
   『●アベ様の「誇りある国へ」
      =戦争で「殺す側になる」「人殺しに加担する」、でいいのか?

   『●「「死にたくない」だけでは足りない、「人を殺したくない」
               という気持ちこそが、戦争の抑止力となる」

   『●壊憲法案・戦争法案: 「撃つより撃たれよう」
       と自衛隊員に考えさせる場面、あまりに残酷
   『●自衛隊員の「息子に迷惑をかけぬよう、
      「縁を切った」上で」、戦争法案に反対する平和子さん
   『●「あとの祭り」: 「駆けつけ警護」は『任務遂行型』の武器使用
                      =違憲な自己防衛を越える武器使用
   『●「武力衝突は、変化を予測しやすい天候とは違」う、
         「きょうの安全があすの安全を保障するとは限らない」
   『●自衛隊を弄ぶ「トンデモ答弁」「言葉遊び」「詭弁」…
            …「戦闘」「戦闘行為」ではなく「衝突」「衝突事案」
   『●柴田鉄治さん「キナ臭さが一段と増した年」、
      マスコミから失われる「ジャーナリズムの義務」…な1年
   『●東京新聞社説「戦争に翻弄されない、
       平穏で豊かな暮らしを未来に引き継ぐことこそ、私たちの責任」
   『●「廃棄」どころか、議事録さへ作成しないことを
                「謀議」して決めた?…「謀議の犯罪性」?
   『●情報公開法と公文書管理法: 「「何が秘密かすら秘密」
            という特定秘密保護法が施行」、そして共謀罪へ

 実際にどんな状況だったのか? 《明らかにPKO5原則に反する状況》でした。

 東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017020902000145.html)には、《▼国連の平和維持活動に陸上自衛隊が参加している南スーダンで昨夏、何が起きていたのか。防衛相らは「戦闘行為は発生していない」と言っていた▼しかし、二百人もが命を落とした緊迫した日々を、現地の陸自部隊は、「戦闘という言葉を何度も使って日報に記録していた。この大切な日報を防衛省は「廃棄した」と説明していたのだが、追及されると、「実は、ありました」▼辻田さんの著書によると、大本営は、偽りの真実に自ら縛られていったという。そうして、非現実的な策が現場に押し付けられていった。そんな自縄自縛の罠(わな)が、防衛相には見えていないのだろうか》。

 そして、リテラは、もっと辛辣。憲政史上に残る「」なウベン。人治主義国家=デンデン王国の国王アベ様の家来ならではのウベン。【憲法をなんだと思っているのか! 稲田防衛相が「戦闘行為あったが憲法違反になるから衝突と言い換え」とトンデモ答弁】(http://lite-ra.com/2017/02/post-2905.html)、《しかし、今回、明らかになった昨年7月11・12日の日報では、ジュバ市内で政府軍と反政府軍とに〈戦闘が生起した〉〈両勢力による戦闘が確認されている〉とし、〈市内での突発的な戦闘への巻き込まれに注意が必要〉と記載されており、「衝突」などではなく「戦闘と明記されていた。同じように同月12日のモーニングレポートでは〈ジュバでの衝突激化に伴うUN(国連)活動の停止〉と、PKO活動の停止の可能性にまで踏み込んでいたのだ…稲田防衛相は弁護士出身だが、とても法を扱ってきた人物の答弁とは思えない》。
 さらに、《今月6日には、法務省がマスコミに向けて、「共謀罪」の国会質疑について「法案を国会提出後に法務委員会で議論すべきだ」とする文書を配布。これは金田勝年法相が指示して作成したもので、批判が集まり金田法相は撤回したが、これは国会への圧力だけではなく、マスコミの言論を封殺しようとする蛮行だ。金田法相といい、稲田防衛相といい、安倍政権のやりたい放題ぶりはますます拍車がかかって凄まじいものとなっている。言葉を言い換えることで憲法違反を繰り返し、マスコミに圧力をかけ、国会での議論を抑え込もうとする。──こんな恐ろしい状況を、当たり前にしてしまってはいけない》。

 やはり「派兵」なんてしてはダメだったのです。

   『●行ってはいけない: 「それでも日本には
      戦前の過ちを踏まえた「戒め」がある。海外で武力行使をしない」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201702/CK2017020902000132.html

9条問題、言葉で操る 「戦闘」は問題になるから「武力衝突」に
2017年2月9日 朝刊


http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201702/images/PK2017020902100050_size0.jpg

 稲田朋美防衛相は八日の衆院予算委員会で、南スーダンの現地勢力間の戦闘の有無に関し「法的な意味における戦闘行為ではない国会答弁する場合、憲法九条上の問題になる言葉を使うべきではないから、一般的な意味で武力衝突という言葉を使っている」と述べた。国連平和維持活動(PKO)参加部隊が海外での武力行使を禁じた憲法九条に違反しないよう定めた参加五原則に触れるのを避けるため、「戦闘武力衝突に置き換えたと受け取られかねない発言だ。 (横山大輔

 南スーダンPKOに参加している陸上自衛隊部隊の日報に現地勢力間の「戦闘が明記されていた問題を巡り、民進党の小山展弘氏が日報にある戦闘武力衝突の違いについて質問。稲田氏は「国際的な武力紛争の一環として、人を殺傷する行為が行われていたら、憲法九条上の問題になる。憲法九条に関わるのかという意味において戦闘行為ではない」と主張。「日報に書かれているのは一般的な戦闘の意味だ」と強調した。

 稲田氏は、反政府勢力が「国に準じる組織と評価できる支配系統、支配領域を有していなかった」としてPKO参加五原則は維持されていたとの従来の政府見解を繰り返した。

 防衛省は当初廃棄したと説明していた日報の一部を七日に開示。陸自が活動する首都・ジュバ市内で昨年七月に大統領派と反政府勢力の「戦闘が生起したと明記していた。


◆「戦闘」ならPKO部隊撤退が必要 憲法の歯止め失う恐れ

 憲法九条は「国際紛争を解決する手段としての武力行使を禁じている。政府は、武力行使の意味を「国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為」だと解釈している。自衛隊がこうした戦闘行為に巻き込まれる恐れがある場合は、PKOから部隊を撤退させなければならない。PKO参加五原則が「紛争当事者間の停戦合意」や「自衛隊の中立的立場の厳守」などを条件としているのも、自衛隊の活動が九条の解釈に基づく戦闘行為に該当するのを避けるためだ

 しかし、防衛省が一部黒塗りで開示した陸上自衛隊の南スーダンPKOの日報は、陸自が活動する首都ジュバで「戦闘が生起したと明記戦車や迫撃砲を使った激しい戦闘が発生したことも報告した。

 稲田朋美防衛相は、日報に書かれた「戦闘」について、現地の反政府勢力が安定した支配地域を持たないことを理由に「国際的な武力紛争の一環として行われたものではない」と説明。戦闘でなく武力衝突という言葉を使う理由を「憲法九条上の問題」になるのを避けるためと説明した。

 こうした説明が許されれば、自衛隊が戦闘に巻き込まれるのを防ぐための九条の歯止めが、言葉の置き換えによって形骸化しかねない。

 南スーダン情勢を巡っては、国連事務総長特別顧問が七日に「大虐殺が起きる恐れが常に存在する」と指摘し、国内で戦闘が継続していると批判した。政府も南スーダンの厳しい現状を直視し、自衛隊の活動継続の是非を判断すべきだ。 (新開浩
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●自衛隊を弄ぶ「トンデモ答弁」「言葉遊び」「詭弁」…「戦闘」「戦闘行為」ではなく「衝突」「衝突事案」

2016年10月20日 00時00分39秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の宮島みつや氏の記事【安倍首相が自衛隊の駆け付け警護、戦争参加強行のためにインチキ答弁!「南スーダンは戦闘状態でなく衝突」】(http://lite-ra.com/2016/10/post-2617.html)、
日刊ゲンダイの記事【駆けつけ警護 「戦闘ではなく衝突」の詭弁は戦前と同じ】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191709)。

 《「PKO法との関係、五原則との関係も含めてですね、『戦闘行為』という定義があるものについては、それにはあたらない」「われわれは、それは一般的な意味として『衝突』という表現を使っているところでございます」》。
 《安倍政権がフザけた答弁を繰り返している…稲田防衛相は8日、就任後初めて首都ジュバを訪問。現地の情勢については「比較的落ち着いている」と説明…だが、稲田大臣の訪問当日、ジュバ付近で市民を乗せたトラック4台を反政府勢力が襲撃し、21人が死亡した。今年7月にも大統領派と反政府勢力との間で大規模な銃撃戦が発生、市民数百人や中国のPKO隊員が死亡…稲田大臣は「戦闘行為ではなく散発的な衝突」と繰り返すばかり。安倍首相も「武器を使って殺傷、あるいは物を破壊する行為はあったが、戦闘行為ではなかった」「我々は、いわば勢力と勢力がぶつかったという表現を使っている」と屁理屈をこねた》

   『●「あとの祭り」: 「駆けつけ警護」は『任務遂行型』の武器使用
                      =違憲な自己防衛を越える武器使用

 言葉遊びで、自衛隊を弄ぶ。絶対に「派兵」してはいけない!!
 自衛隊を弄ぶ「トンデモ答弁」「言葉遊び」「詭弁」「平気で噓」「ゴマカシ」「デタラメ」「卑劣な詭弁」「戦闘」「戦闘行為」ではなく「衝突」「衝突事案」「勢力と勢力がぶつかった」!?

 《自衛隊員の“戦死”、そして、外国の政府軍と日本の自衛隊が殺しあう戦後初の“戦闘”だ。それでも安倍首相が「駆けつけ」警護を付与しようと言うのならば、もはやそれは戦争の準備》。悍まし過ぎる。

   『●「人殺し」なんぞには行かせたくない
   『●戦争できる国へ: アベ様をはじめ
     自公議員・翼賛野党議員の皆様がまずは「丸太」に
   『●アベ様の「誇りある国へ」
      =戦争で「殺す側になる」「人殺しに加担する」、でいいのか?

   『●「「死にたくない」だけでは足りない、「人を殺したくない」
               という気持ちこそが、戦争の抑止力となる」

   『●壊憲法案・戦争法案: 「撃つより撃たれよう」
       と自衛隊員に考えさせる場面、あまりに残酷
   『●自衛隊員の「息子に迷惑をかけぬよう、
      「縁を切った」上で」、戦争法案に反対する平和子さん

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http://lite-ra.com/2016/10/post-2617.html

安倍首相が自衛隊の駆け付け警護、戦争参加強行のためにインチキ答弁!「南スーダンは戦闘状態でなく衝突」
安倍晋三 宮島みつや 自衛隊 2016.10.12

     (自民党HPより)

   「PKO法との関係、五原則との関係も含めてですね、
    『戦闘行為』という定義があるものについては、
    それにはあたらない」

   「われわれは、それは一般的な意味として『衝突』という表現を
    使っているところでございます」

 南スーダンの自衛隊PKO、そして、新安保関連法に基づき新たに付与される可能性の高い「駆け付け警護」等の任務をめぐって、またもや国会で安倍政権のトンデモ発言が飛び出した。
 現在、自衛隊がPKOに従事する南スーダンでは、政府軍と反政府軍による銃撃戦等によって民間人を含む多数の死傷者が出ており、7月には首都・ジュバで少なくとも300人が死亡した大規模戦闘が発生。しかも、自衛隊の宿営地からわずか100メートルの距離で銃撃戦が断続的に続き、流れ弾の弾頭が宿営地内で見つかったことも判明している。
 だが、こうした状況下で、安倍政権は南スーダンへの自衛隊派遣をめぐり、そこに新たに「駆け付け警護」と「共同基地防衛」の任務を付与することを考えている。これを国会で追及されて飛び出たのが、冒頭の南スーダンで戦闘は発生していないなるトンデモ答弁だったのだ。
 10月11日衆院予算委での問題の流れはこうだ。先週末、延期していた南スーダンへの現地視察を終えた稲田朋美防衛相は「ジュバ市内が落ち着いていると目で見ることができた」と語り、新任務付与に前向きな姿勢を見せたが、これについて民進党の大野元裕元防衛政務官が質問。ジュバでの事案を「戦闘」と認識しているかただすと、稲田防衛相は「7月には『衝突事案』もありました」と、法律上の定義のある「戦闘行為」ではなく「衝突」だと繰り返し、議場は紛糾、審議はたびたび中断した。そこで、今度は安倍首相が出てきて、やはり“戦闘ではなくて衝突”と大見得を切ったわけである。

   「われわれは『衝突』、いわば勢力と勢力がぶつかった
    という表現を使っているところでございます」

 誰がどう見ても詭弁だ。たしかに、日本政府が定義する「戦闘行為」は「国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為」というもの。南スーダンの政府軍と反政府軍間の“内戦”は「国際的な武力紛争」とみなさないという見解なのだろう。しかし、国会で改めて問われたのは「戦闘行為」云々ではなく、ジュバの事案が「戦闘」にあたるかどうかだ。実際、国連は7月の南スーダンの戦闘を「fighting」と表現しており、これを単に「衝突」とするのは、どうやったって無理がある。
 しかも、安倍首相は、事実として武器等を使用した殺傷行為が行われていることは認めておきながら、“戦闘ではなく衝突”と言い換える言葉遊びだ。いわば「刃物を持って押し入って身ぐるみを剥がしたけれども強盗じゃない」などと言っているのと同じ。むちゃくちゃにもほどがある
 では、なぜ日本政府は頑なに「戦闘」だと認めたがらないのか。それはやはり、南スーダンを「駆けつけ警護」の先例とするために他ならない「駆けつけ警護」とは、自衛隊が現地の武装勢力などから直接攻撃を受けなくとも国連やNGO関係者が襲撃された際に現場に駆けつけて救助するというもの武器使用が認められる。自衛隊ではすでに「駆けつけ警護」の訓練が開始され、先月の日米防衛相会談でも稲田朋美防衛相が米側にそのことを報告していたように、安倍政権はいま新安保関連法の実績作りに躍起になっている。
 ところが、前述したように治安が悪化している南スーダンでは、「駆けつけ警護」の舞台となる自衛隊のPKO参加自体が疑問視されている。たとえば、PKO協力法にある「参加5原則」では、紛争当事者間の停戦合意の成立が条件のひとつとなっているが、ジュバの大規模戦闘などを見ても明らかなように、政府軍と反政府軍の停戦合意は事実上崩壊しているからだ。
 しかし、これまで日本政府は、この「停戦合意」は“南スーダンがスーダンから独立した際の合意である”という屁理屈を用いて、無理やり南スーダンPKO参加を正当化してきた。つまり、日本政府の建前としては、南スーダンは現状「停戦中」であり、そこで「戦闘行為」は行われていないと主張するのだ。
 逆に、政府軍と反政府軍の間の“内戦”を「戦闘」と認めてしまうと、世論はPKO参加に否定的に傾き、よしんば参加を断行しても「駆けつけ警護」の条件である「戦闘行為が行われることがないと認められること」に疑念を持たれることは必至。ゆえに、安倍政権は「戦闘」を「衝突」と言い換えることで、世論の反発を抑えようとしているのだろう。まるで、「戦争」を「事変」と言い換えて批判を回避しようとした戦中を彷彿させるではないか。
 しかし、繰り返すが、南スーダンでは相次ぐ戦闘によって民間人も犠牲になっており、今年7月には中国のPKO部隊が攻撃を受け、隊員2人が死亡したと当局が発表。このままでは自衛隊からも被害者がでることは火を見るより明らかだ。また、稲田防衛相は治安は落ち着いている嘯くが、ロイター通信によれば今月8日にも、市民を乗せたトラックが反政府側とみられる武装グループに襲われ、21人が殺害されている。
 さらに実際に外国のNGO関係者らが泊まるジュバ市内のホテルが兵士100人に襲撃された事実も判明している。10日放送の『NEWS23』(TBS系)では、フィリピン人のNGO職員のジアン・リボット氏がその時、同僚が殺害された様子をVTRでこう語っている。

   「私たちの目の前で彼は射殺された。敵対する部族の出身だ
    という理由で彼は射殺された


 殺害されたNGO職員は、額の模様から反政府側の部族出身であることが明らかだったという。さらに、番組では「大統領警護隊のワッペンを付けている兵士がいました」という証言も紹介。つまり、ホテルを襲撃したのは政府軍の兵士だった可能性が高いのだ。
 このケースでは、リボット氏らは襲撃された際、PKOに連絡していたという。つまり、実際に「駆けつけ警護」が要請されたことになるが、仮に同様のケースで自衛隊が「駆けつけ警護」を行い政府軍の兵士と戦闘になれば《国際紛争を解決する手段として》武力行使等を禁じた憲法9条に明らかに違反する。
 安倍首相は昨年9月14日の安保法制特別委で、「駆けつけ警護」についてこのように答弁していた。


   「領域国の受入れ同意は、国際法上の要件としてだけではなくて、
    このような前提を確保することによって
    国又は国に準ずる組織が登場しないことを担保する

 つまり「駆けつけ警護」では、「国又は国に準ずる組織が登場しない」ことを想定していたのである。ところが、リボット氏らのケースで襲撃したのは、「国又は国に準ずる組織」である政府軍の兵士だった。しかも南スーダン政府は表面上PKO部隊増派受け入れを表明してはいるものの、部隊には「必要なあらゆる手段を行使」できるなど非常に強力な権限が与えられており、南スーダン政府幹部は「内政干渉だ」などと強く批判しているという。こうした状況を考えれば、自衛隊と政府軍が対峙する可能性も決して低くない。
 ようするに、そもそも南スーダンへのPKO派遣自体が違法である疑いが濃厚であるにもかかわらず、安倍政権はいま、さらに自衛隊に「駆けつけ警護」等の新任務を付与しようとしているのだ。しかもそのために、実際は多数の犠牲者が出ているのに治安は落ち着いたなどと平気で嘘をつき、さらにその点を国会で指摘されると「戦闘」を「衝突」と言い換え、とことんゴマカシにかかる。こんなデタラメがまかり通っていいわけがない
 何度でも言うが、この安倍政権の方針の先に待っているのは、自衛隊員の“戦死”、そして、外国の政府軍と日本の自衛隊が殺しあう戦後初の“戦闘”だ。それでも安倍首相が「駆けつけ」警護を付与しようと言うのならば、もはやそれは“戦争の準備”としか言いようがないだろう。
 安倍政権の卑劣な詭弁を、このまま看過してはいけない。自衛隊員の“戦死”、そして日本の“戦争突入”を防ぐために、あらためて新安保関連法という異常な法律を廃止に持っていく必要がある

宮島みつや
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191709

駆けつけ警護 「戦闘ではなく衝突」の詭弁は戦前と同じ
2016年10月14日

     (ジュバ訪問は地ならし(C)AP)


 あの戦争と同じ過ちを繰り返すつもりなのか。

 南スーダンでPKO活動に参加する自衛隊に、安保法改正で可能になった「駆けつけ警護」の任務を付け加えることに関して、安倍政権がフザけた答弁を繰り返している

 駆けつけ警護は、武装勢力に襲われたNGO職員や他国軍の兵士などを武器を持って助けに向かう危険な任務だ。稲田防衛相は8日、就任後初めて首都ジュバを訪問。現地の情勢については「比較的落ち着いている」と説明している。

 だが、稲田大臣の訪問当日、ジュバ付近で市民を乗せたトラック4台を反政府勢力が襲撃し、21人が死亡した。今年7月にも大統領派と反政府勢力との間で大規模な銃撃戦が発生、市民数百人や中国のPKO隊員が死亡した。

 これらが「戦闘ではないのか」と、予算委員会で問われた稲田大臣は「戦闘行為ではなく散発的な衝突」と繰り返すばかり。安倍首相も「武器を使って殺傷、あるいは物を破壊する行為はあったが、戦闘行為ではなかった」「我々は、いわば勢力と勢力がぶつかったという表現を使っている」と屁理屈をこねた

 内戦状態と認めれば、停戦合意の成立などPKO参加5原則に反するため、撤退の必要が出てくる。それで「戦闘ではない」と言い張っているのだが、政府は今月中に判断する予定だった駆けつけ警護の付与について、11月以降に先送りするという。このこと自体が、現地の危険性を物語っているのではないか。

   「南スーダンの現状はどう考えても内戦状態で、PKO原則と整合性が
    つかない。そもそも、安保法改正は日米関係を中心にした話だったのに
    なぜ南スーダンにこだわるのか。米国に言われて断れないというなら、
    まだ理解できますが、日米関係と南スーダンは関係ない
    国連から強く要請されたわけでもない。まったくつじつまが合いません」
    (元外交官の天木直人氏)

 04年のイラク戦争時に「自衛隊の行く所が非戦闘地域と言ってのけた小泉元首相の開き直りもヒドかったが、安倍首相の言葉遊びは、それ以上に悪辣だ。

 もし死者が出たらどうするのか。「衝突死」とでも言うつもりか。

 過去には「事変であって戦争ではないと強弁し、「敗退」を「転進」と言いくるめた権力者が日本を破滅に導いた所信表明で自衛隊に送った安倍首相の拍手が薄ら寒く思えてくる
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