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●行ってはいけない: 「それでも日本には戦前の過ちを踏まえた「戒め」がある。海外で武力行使をしない」

2016年11月22日 00時00分01秒 | Weblog


東京新聞の社説【南スーダンPKO 新任務より撤収の勇気を】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016111602000134.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016111602000138.html)。

 《南スーダンに派遣される自衛隊部隊に「駆け付け警護」などの任務が追加された。憲法が禁じる海外での武力の行使につながりかねない危うい任務だ…◆非軍事支援、検討急げ》。
 《助かる人がいる。その半面で日本の海外での武器使用の範囲は拡大する▼慎重論に対して、「仲間が襲われているのに、見捨てるのか」という批判を聞く。なるほど、その言葉は突き刺さる。それは卑怯なことではないかと▼これだけは、言える。それでも日本には戦前の過ちを踏まえた「戒め」がある海外で武力行使をしない》。

 どんな「戦況」で、何があろうとも撤収させる気などさらさらなく、自衛隊に重大な「問題」が発生することに期待している、としか思えないアベ様や稲田朋美防衛相(パートナーはアノ株主)ら。閣議決定で「駆け付け警護」の付与を決定できる?、一体、この国はどうなっているのですか?
 ……それでも「海外で武力行使をしない」べき、と信じる…《これだけは、言える。それでも日本には戦前の過ちを踏まえた「戒め」がある海外で武力行使をしない》。

   『●「人殺し」なんぞには行かせたくない
   『●戦争できる国へ: アベ様をはじめ
     自公議員・翼賛野党議員の皆様がまずは「丸太」に
   『●アベ様の「誇りある国へ」
      =戦争で「殺す側になる」「人殺しに加担する」、でいいのか?

   『●「「死にたくない」だけでは足りない、「人を殺したくない」
               という気持ちこそが、戦争の抑止力となる」

   『●壊憲法案・戦争法案: 「撃つより撃たれよう」
       と自衛隊員に考えさせる場面、あまりに残酷
   『●自衛隊員の「息子に迷惑をかけぬよう、
      「縁を切った」上で」、戦争法案に反対する平和子さん
   『●「あとの祭り」: 「駆けつけ警護」は『任務遂行型』の武器使用
                      =違憲な自己防衛を越える武器使用
   『●自衛隊を弄ぶ「トンデモ答弁」「言葉遊び」「詭弁」…
           「戦闘」「戦闘行為」ではなく「衝突」「衝突事案」
   『●「武力衝突は、変化を予測しやすい天候とは違」う、
      「きょうの安全があすの安全を保障するとは限らない」
   『●アベ様、稲田・高市氏「この国の政権の
     重要閣僚がヘイト団体と仲良し」…どの辺が「インテリジェンス」?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016111602000134.html

【社説】
南スーダンPKO 新任務より撤収の勇気を
2016年11月16日

 南スーダンに派遣される自衛隊部隊に「駆け付け警護」などの任務が追加された。憲法が禁じる海外での武力の行使につながりかねない危うい任務だ。

 一九九二年のカンボジアから始まった自衛隊の国連平和維持活動(PKO)参加は、二十四年を経て歴史的転換点に立っている。

 政府はきのう国連南スーダン派遣団(UNMISS)に参加する陸上自衛隊の部隊に「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の任務を追加で与えることを決めた。二十日から順次、現地に派遣される十一次隊から適用される。


◆一発も撃つことなく

 「駆け付け警護」は自衛隊部隊が活動する近くで非政府組織(NGO)などの関係者が襲われ、速やかに対応できる国連部隊が存在しない場合、自衛隊が救出する任務。「宿営地の共同防護」は自衛隊が他国の部隊とともに活動拠点とする宿営地が武装集団に襲撃された場合、共同で対応する任務である。

 ともに、安倍政権が昨年九月に成立を強行した安全保障関連法で可能になり、陸上自衛隊は新しい任務が遂行できるよう、訓練を重ねてきたという。

 問題となるのは、自らを守るという武器使用の一線を越え任務を遂行するための武器使用が可能になることだ。

 自衛隊のPKO活動は「五原則」に基づいて派遣されてきた。

 紛争当事者間で停戦合意が成立していることや、紛争当事者が日本の参加に同意していること中立的立場を厳守することで、これらの条件が満たされない場合、撤収できると定めている。また武器の使用は必要最小限のものに限っている。

 この五原則に基づく派遣で二十四年間、自衛隊は一発の銃弾も撃つことなく任務を遂行してきた。


◆武力の行使に発展も

 戦後日本は、先の大戦で国内外に多大の犠牲を強いた反省から憲法九条の下、専守防衛に徹してきた。自衛隊を創設したものの、防衛力の整備は自衛のための必要最小限度のものにとどめてきた。

 海外で武力の行使はしないという抑制的な姿勢が、戦後日本の国際的な信頼と経済的繁栄をもたらしたことは紛れもない事実だ。

 五原則に停戦合意を盛り込んだのも自衛隊が戦闘に巻き込まれ海外での武力の行使を禁じた憲法に違反するような事態が生じるのを避けるためである。

 しかし、南スーダンは今、専守防衛という戦後日本の国是を脅かしかねない危険な情勢にある。

 自衛隊の宿営地がある首都ジュバでは七月に大統領派と反政府勢力との大規模な武力衝突が発生して二百七十人以上が死亡。十月中旬にはジュバから約六百キロ離れた地域での戦闘で五十人以上が死亡した、という。

 政府は治安情勢の厳しさを認めながらも、現地を視察した稲田朋美防衛相は「ジュバ市内は比較的落ち着いている」と強弁する。

 反政府勢力は国家に準ずる組織とは言えず、停戦合意などの五原則は維持されているという論法だが、それは、現実を直視しない、安保関連法に基づく新任務付与の実績づくりを優先した派遣継続ありきの姿勢ではないのか。

 市民を巻き込んだ戦闘の危険すら否定できない情勢で現地にとどまることが、日本の活動として本当に適切なのだろうか。

 駆け付け警護に当たる自衛隊が武装勢力との間で本格的な戦闘に発展すれば、双方に犠牲が出ることも避けられないだろう。

 戦闘相手が、五原則で想定している国家や国家に準ずる組織でないとしても、憲法が禁じる海外での武力の行使と同様の軍事的行為に当たるとの批判は免れまい。

 共同通信社が十月下旬に実施した全国電話世論調査で駆け付け警護の任務付与に57%が「反対」と答え、賛成の31%を大きく上回ったのも、新しい任務自体の危険性や憲法との関係に対する危惧を感じているからではないか。

 南スーダンは最も新しい国連加盟国で、国づくりには国際社会が協調して取り組む必要がある。憲法前文の精神から言っても、日本が率先して支援するのは当然だ。


◆非軍事支援、検討急げ

 専守防衛に徹する平和国家であり、欧州各国とは違ってアフリカを植民地支配したこともない日本だからこそ得られる信頼がありできる貢献があるはずである。

 政府は各国に呼びかけ、インフラ整備をはじめ医療・衛生、教育・人材育成など非軍事の民生支援の検討を急いだらどうか。

 日本から遠い地で、厳しい状況下で任務に当たる自衛隊員には敬意を表するが、有意義な活動ができない治安情勢に至った場合、安倍晋三首相には躊躇(ちゅうちょ)なく撤収を決断する勇気を求める。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016111602000138.html

【コラム】
筆洗
2016年11月16日

 映画「七人の侍」(黒沢明監督、一九五四年)の後半の場面で、三船敏郎さん演じる「菊千代」は銃を構える敵に対し、ひるむことなく、立ちはだかる。シナリオから引く。<勘兵衛(叫ぶ)「菊千代っ!何をする!危ない!」><ダーン!-銃声。菊千代、一歩ふらっと出る。また、一歩>…▼菊千代は野武士と相打ちの果て絶命する。映画ならばこれでよい。しかし菊千代の親ならお逃げなさい」「別の方法を考えなさいと止めるだろう別の方法はないのか。政府が閣議決定した南スーダンPKOの新任務の駆け付け警護である。陸上自衛隊は現地で国連職員らが襲われた場合、武器を持って赴き救出に当たる。助かる人がいる。その半面で日本の海外での武器使用の範囲は拡大する▼慎重論に対して、「仲間が襲われているのに、見捨てるのか」という批判を聞く。なるほど、その言葉は突き刺さる。それは卑怯(ひきょう)なことではないかと▼これだけは、言えるそれでも日本には戦前の過ちを踏まえた「戒め」がある海外で武力行使をしない。新任務はその戒めに本当に触れぬのか▼武器を取るのは難しくない。難しいのは戒めを守りつつ安全で効果的な国際的な平和維持活動を日本がどう築いていくかである。武器を取らぬことで批判もあろう。が、その茨(いばら)の道を選ぶのは卑怯ではない菊千代とは違う勇気の形もある
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