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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【9航海目】!

2019年10月09日 | モバイル
10月3日・11時、気仙沼出港北上、台風避港で花咲向け!



4日・10時30分、花咲入港 時化休み。

廻航中に冷水造りを終えていた事で、買い物する時間ができ
あいにくの雨だったが根室へ個人仕込み…

僅かな時間ではあったが、ちょっと息抜きできた。

5日朝5時・花咲出港!
台風崩れの低気圧の影響でまだ、うねりの残る道東沖…

出港後、氷艙と冷水艙の保冷中に、レシーバーへの戻りが少なく
心当り箇所の「リークテスト」反応はなかった。

普段より、心持ち時間をかけてバキュームしても変わらないのが気になった…

ロシア領海ラインを越えたらS/Bの予定となり、20時より再度冷水の保冷と魚艙の冷却。

22時、ガス(冷媒)漏れを目視…!
普段冷凍日誌に付ける項目箇所の目と鼻の先…

一瞬慌てかけたが、タオルを鼻と口に巻き、ガスの出口バルブを閉め
冷凍機を緊急停止の処置

真っ白なガスの噴出が消えた後に箇所を確認すると溶接箇所に1㎝程の亀裂…
まだ多少のガスが抜けており、対策を急いだが
レシーバーの液残量は僅かとなってしまった…。



なんとかガス漏れは止まった…。
土曜日の深夜だったが、関係担当の方に連絡し、その後の処置・対策対応依頼。
入港地によっての各対応をしてくれる手筈をお願いした‥

関係担当の方に感謝である…。

各保冷で十分な冷却温度を保てた後だったのと、
酸欠にならなかったのが救いだった!

領海ライン付近で風が強まりS/Bなしとなり、長いような短いような夜が明けた。

6日11時30分・漂泊。
漁撈長・甲板長に事態を伝え対応の予定を確認。

15時30分S/B。
低気圧が東に抜け、公海は気温がグッと下がり
寒さを感じるまでになった…!

冷水は十分な温度を維持していてホッとした‥

漁獲が纏まり早い帰途航を願ったが、漁模様は低調…

付近に他船は10隻程だったが、沖よりのポイントも芳しくないようで
時間の経過と共に漁り火が増えた。
赤い外国籍船も1隻が近づいた…。

回数操業でやや纏まった漁獲で夜明けとなり、漂泊。

7日・15時30分S/B。
前日よりは気温が若干上がったが、冬海近しを感じる公海…

付近一帯に日本船から外国籍船まで、多くの船が集まった…!

日没から調査も、船だらけ…
大船団での調査となったポイントであるが
サンマの漁模様は冴えない…

北西よりに調査範囲を拡げるも、サンマが見えない…。
次第に南東からの風が強まった…

更に西よりに…

夜明け前に若干跳ねるサンマが見えたが、僅かな漁獲に終わり
漁灯を仕舞い帰途航走、花咲向け!

会社、冷凍機業者、他に油圧業者さんとの連絡を確認しながらの花咲向け

昨年の新造船時よりも、不調箇所が多く、不安の種は尽きない…

風と共にうねりも大きくなり、船は激しく揺れる…

花咲に着いて、ガスチャージを済ませて
冷凍機が無事に再始動できるように…

安らぐ刻がほしいと切に思う…

船は9日朝4時頃の入港予定。