テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

菩提樹

2010-05-07 | ドラマ
(1956/ヴォルフガング・リーベンアイナー監督/ルート・ロイヴェリーク、ハンス・ホルト、マリア・ホルスト、ヨゼフ・マインラート/105分)


 NHK-BS2の解説では、<マリア・フォン・トラップの回想録をもとに描いた、実在の家族合唱団トラップ・ファミリーの物語。シューベルトの歌曲「菩提樹」をはじめ名曲の数々がちりばめられた音楽映画>となっています。
 ロバート・ワイズの傑作ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック (1964)」も同じ回想録を元にしていますので、ストーリーは殆ど同じですね。

 オーストリアのザルツブルグ近郊。音楽好きで活発なシスター・マリアが、奥さんを亡くして7人の子供を抱えるトラップ男爵家に家庭教師としてやって来る。男爵の厳格な教育方針に反した行動をとるが、子供たちに慕われる明るいマリアを男爵も理解するようになり、やがて二人は恋におち、結婚をする。
 世界大恐慌の中、友人である銀行家を助けようとしてトラップ男爵は一文無しになってしまうが、マリアの発案で豪邸を改装してホテル業を始め、子供たちが応募した合唱コンクールでは優勝してアメリカの芸能プロダクションから誘われたりする。しかし、隣国ドイツではヒトラー率いるナチス党が勢力を伸ばし、ついにはオーストリアを併合してしまう。芸能プロダクションの誘いを信じて、トラップ一家はアメリカに亡命しようとするのだが・・・という話。

 まるで連続TVドラマのダイジェスト版を観ているような駆け足の展開で、人物描写も時代背景描写も深いとは言えず、プロットも幾つか端折られたのではないかと思ったくらい。先日観た続編「続・菩提樹」は、アメリカに渡った後の芸能活動、金銭問題の苦労話が描かれていて、こちらの方がストーリーの軸がハッキリしているので、正直、映画としては続編の方が面白うございました。
 「サウンド・オブ・ミュージック」が上映時間174分、同じ物語のこの映画が105分、内容の濃さの違いは明白ですね。

・お薦め度【★=ミュージカル版を観るべし、あえてお薦めしません】 テアトル十瑠

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2 コメント

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確かに (オカピー)
2010-05-07 23:42:05
拙速という印象です。

ここのところ観ているのが情を絡め過ぎてお話が停滞し観ていてイライラするような邦画(特に「ROOKIES-卒業-」・・・これはひどい)ばかりなので、その反動で好感を持ってしまいましたかなあ。

ファミリー映画の場合「ハイジ」とか伸び伸び作られていると喜ぶ傾向があるのも事実。

こうして実物を見て比較すると、カーテンで服を作るとか、音楽会を利用して脱出するとか、「サウンド・オブ・ミュージック」のアイデアは秀逸なのが良く解りますね。
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「ハイジ」 (十瑠)
2010-05-08 09:42:13
実写版、BSで放送されたのを観ましたね。マックス・フォン・シドーがオンジ役で出ていて、伸び伸び作られている感がありました。
あれは★★はありましたね。

>特に「ROOKIES-卒業-」・・・これはひどい

「青春とはなんだ」なんて、昔一生懸命観てましたが、同じ感覚なんですかね?
情の絡め過ぎ。子供には受けるんだコレが
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