Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

国立劇場で歌舞伎を観る

2017-01-09 | 映画・テレビ・演劇・芸能

 12月、久しぶりに京都で歌舞伎を見て以来、歌舞伎も良いな、今度上京の時も観ようかな、と思っていた。新春公演は、歌舞伎座、新橋演舞場、国立劇場などで一斉に始まる。演目、値段、公演日を比べ、割引が効いて”通し狂言”の国立劇場に決めた。が、日が決まらずモタモタしているうちに国立劇場は年末年始の休暇、年が明け電話で空いている席を聞く。電話対応はとても親切。「好き嫌いはありますが…」と「花外(はなそと)」の席を紹介された。花道の外側の席のこと。TV中継では必ず写し出されるあの席だ。 

 演目は「しらぬい譚(ものがたり)」。江戸庶民に親しまれた”絵入りの小説”を「合巻(ごうかん)」と言うそうだが、中でも明治期まで続いた71編の最長編が「しらぬい譚」だった。今で言えばB6サイズの絵物語。それを元に脚本を書き、芝居にしたら更に人気が出たそうだ。今で言えば、さだめし漫画をドラマ化、映画化したようなものか? 物語の内容は、筑前黒田家のお家騒動や島原の乱を題材にしている。

 👇は、ポスター。中央が尾上菊五郎扮する鳥山豊後之助(黒田家をモデルとする菊池家の執権)、左上の姫は尾上菊之助の演ずる大友若菜姫(菊池家に滅ぼされた大友宗麟の娘)。右前は中村時蔵、右上の刀を振りかざすのが尾上松緑。蜘蛛の妖術、化け猫退治もからみ、若菜姫の「筋交(か)い宙乗り」や屋台崩し、大立ち回りなど見どころ満載のお芝居らしい。楽しみだ。   

  

  さて、👇は国立劇場の正面壁画、歌舞伎、「おかげさまで、50年」の文字が読める。  

 👇は、能楽。

  👇は、雅楽。  

  👇は、劇場の前庭、三宅坂側。トップ写真は劇場。赤、青の幟には「50周年記念」の文字があった。ちょうど30年前、20周年記念の「通し狂言・仮名手本忠臣蔵」を親子4人で見に来たことが思い出される(息子は覚えていないと言うが)。

  👇 舞台の緞帳。手前は花道。私の席は花道から3つ目の席だった。役者さんが登場する時、退場する時、至近距離で見られ得した気分でした。 

  👇 座席上の提灯。   

 休憩を数回はさんでの4時間、息もつかせぬ、娯楽性に富んだ華やかな舞台だった。大仕掛けは「紅白」並みだ。そう言えば、以前「劇団民藝」の「どろんどろん」と言うお芝居を観た。人気役者、尾上菊五郎(何代目か?)と舞台の仕掛けを作る大道具師が工夫に工夫を重ね、時には喧嘩しながら新作「四谷怪談」に取り組む話だった。歌舞伎はいろいろな楽しみ方がある。そこがお能とは違うところ。 

 さて、行きは、渋谷で地下鉄半蔵門線に乗り換えたのだが、この路線、地下2階で深~いのだ。半蔵門駅で降りると和服姿の女性が目に付く。劇場に近い出口にはエレベーターもエスカレーターもない(反対側にはあるのだが)。2階分の階段を歩いて上がると呼吸困難になるほど息切れがした。地上へ出て5分ほど歩く。ゆっくり、ゆっくり歩いた。

 終演後は、劇場前に方向別の都バスが何台も待っている。新橋駅行きに乗り、新橋から京浜東北線で大井町まですぐだ。やはり地上を移動するのはらくちんだな。