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住まいと暮らしの空間・・・・・和の空間での「畳の間」、和室、「座敷」のある暮らしを紐解くと・・・・・。

2016年11月12日 | 設計の事デザインの事

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住まいと暮らしの空間・・・座面での価値の在処。

和室、畳の間として座敷のある場所。

 

 

日本建築の間取りの中心である

畳敷きの部屋・・・・・和室。

 

 

日本人としての

住まいの原風景といえる場所。

 

 

畳敷きでくくってしまうには

あまりもおおざっぱなので、

和室のルーツを考えながらその「価値空間」を。

 

 

 

平安時代に発展した寝殿造といわれる

貴族住宅の様式に遡り、

京都御所の清涼殿や紫宸殿をイメージすると

分かりやすいですよね・・・・・。

 

 

天井のない板敷きの大空間に

源氏物語絵巻に登場する

ひらひらとした几帳で間仕切り、

その奥の板間中央にマットレスのような

「置き畳」とお姫様・・・。

 

 

これではまだ和室とはいえず、

中国や韓国といった大陸のにおいがしているだけで

「和室」とはいいがたい状態・・・・・。

 

 

 

畳マットは貴人の座・場であったところ。

この頃「座敷飾り」と呼ばれる

唐物を飾る場が登場します。

 

 

そこから時代は下って、

畳敷きの範囲が少しずつ広がって、

最初は限られた貴人のみだった畳敷きが

普通の貴人へと広がり、

板間部分がだんだんと減ってくる・・・・・。

 

 

 

現在の禅寺の本堂などで見ることの出来るような、

部屋の真ん中に板敷きを残して

その廻りに畳を敷いた、

追い回し部屋が近いイメージ。

 

 

また・・・畳敷き以外の部分にも

薄縁と呼ばれる

縁取りした筵を敷くようにもなってきます。

 

 

板間部分がサービス通路となり

残っている状態なのですけど、

その部屋は饗応・接客のための部屋。

 

 

もちろん他の部屋は板間であり、

やはり畳は貴人の座・場です。

 

ここで・・・・・、座敷飾りと呼ばれる

軸と花を飾る板を備えた部位が登場し、

「押板」と呼ばれるようになります。

 

 

「押板」は後の「床の間」に発展していくのですが、

この頃、柱間装置といわれる

襖や板戸が発展してくると、

やがて限られた貴人の部屋では

板間を残さず畳を敷きつめるようになります。

 

 

畳マットという座を敷いた部屋が

座敷の始まり。

 

 

貴人の起居するところから始まり、

やがて会所と呼ばれる人の集まる場が

座敷化・・・・・畳敷き化されて。

 

 

そこからは書院造。

書院造は室町時代に武家住宅として発展した様式で、

二条城二の丸御殿が例示されると

壮大な印象がありますけど、

武家も上級だと家は「城」となってしまう、

そんな豪奢な造りが書院造の原点・・・・・・。

 

 

 

少なくとも貴人の部屋である

上座には全面に畳が敷き込まれ、

ここで初めて「和室」の定義に叶う

造りが登場するようになりますよ。

 

 

襖や紙張り障子も備わり、

座敷飾りである飾り棚も造り付けとなってきて、

ここで「和室」そのものが完成する状態に。

 

 

 

そうした上段の間には書院、

床の間、違い棚、頂台構えが揃い、

ひとつのスタイルができあがりました。

 

 

さすがに頂台構えは姿を消すものの

500年も前のスタイルが

今も日本の和室の「プロトタイプ」となって

現代人の和室イメージに

刷り込まれているんですよね。

 

 

故に・・・・「書院造」は

日本の和室のルーツといえる空間だと思うんです。

 

 

こうして完成した和室、書院造は

豪奢の度を上げて、

貴族・武家社会の威厳の象徴となり

発展する一方で、

概ね貴人の使う各室には

全面的に畳が敷き詰められるようになり、

今度は茶の文化の流入により、

和室のもうひとつの性格が

出てくるようになりますよ。

 

 

最初はメインの座敷の脇で

茶点所(ちゃたてどころ)ができ、

いわゆる別室でお茶を点て

喫茶する座敷に運ばれていたところ、

台子という点茶セットごと

座敷内で点茶・喫茶するようになってくるんです。

 

 

和室を茶室と呼ぶか呼ばないかの

定義にかかわるひとつが「炉」。

 

 

先の座敷に持ち込んだ

点茶道具「台子」には

風炉釜が乗り、

どこでもそこは点茶所・・・・・茶室となりえます。

 

 

武野紹乗による「紹乗の四畳半」が最初。

これは座敷に付随した草庵の間で

やがてこうした茶室は

独立したりしながら

利休の侘び茶の小座敷ができあがるんです。

 

 

 

この後、広間の座敷と

侘び茶の小座敷が歩み寄った形で

中途半端で自由な茶点所が

「鎖の間」として書院の脇に並ぶようになります。

 

 

 

床の間を備え、茶を点てられる気楽な場、

座敷であり、人々に広く愛されたようで、

「棚」までも備えない

床の間だけついた和室が

庄屋や町民への広がり、

座敷といえばこれ、

といったスタイルと定型化していくように。

 

 

床柱に磨き丸太を使ったり、

皮付きの面皮柱を用いたりと、

書院造よりは自由でくだけた

「綺麗さび」といわれる

小堀遠州の茶室様式は

その後の数寄屋建築を

定義付けるところまで

完成度をあげますね・・・・・。

 

 

武家社会では書院はかかせないまま座敷

(床の間付き和室)も併設されmすが、

17-19世紀にかけて家作を制限された

農家・町家では、

畳敷きの部屋も増えていく中

「座敷」造りは禁止され、

少なくとも表向きは

長押や床の間、漆塗りの建具や

貼り付け壁は御法度となります。

 

 

こうして一般庶民には

江戸250年の間、

書院・座敷へのあこがれがたまってくる時期。

 

 

もちろん富裕な庄屋、

町家、揚屋(郭)・旅籠・湯殿など

特殊な建物には

座敷に贅をこらしたものが

多くあり今も残っています・・・・。

現在も和室でくつろぎたいと願うDNAは

健在ですよね。

長い講釈でしたけど、

和室は畳を敷き詰め、

床の間や書院を備えた

「和みの部屋」・・・・・。

 

 

今後もまだまだ「和心」をくすぐっていく

大切な空間ですよ。

 

 

 

 

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