新しい白いシャツ

新しい白いシャツを着ると身も心もぴしっとします。そんな感じが大好きです

買い物は世界を救う

2010-05-26 22:56:36 | 思うこと
 2、3日前の新聞にJCBの全面広告で、「買い物は世界を救う」というのがありましたが、なかなかおもしろかったです。
「1929年11月、高橋是清かく語りき」という見出しです。
高橋是清は、昭和金融恐慌の時に大蔵大臣として駆り出され任期44日で事態を収束させて辞任したそう2、3日前の新聞にJCBの一面広告で、「です。
おもしろいので、全文を紹介します。

例へば茲に、一年五万円の生活をする余力のある人が、倹約して三万円を以って生活し、あと二万円は之を貯蓄する事とすれば、其の人の個人経済は、毎年それだけ蓄財が増えて行って誠に結構な事であるが、是を国の経済の上から見る時は、其の倹約に依って是れ迄其の人が消費して居った二万円だけは、どこかに物資の需用が減る訳であって、国家の生産力はそれだけ低下することとなる。(中略)更に一層砕けて言ふならば、仮に或る人が待合へ行って、芸者を招んだり、贅沢な料理を食べたりして二千円を消費したとする。是は風紀道徳の上から云へば、さうした使方をして貰い度くは無いけれども、仮に使ったとして、此の使はれた金はどういふ風に散らばって行くかといふのに、料理代となった部分は料理人等の給料の一部分となり、又料理に使われた魚類、肉類、野菜類、調味品等の代価及其等の運搬料並に商人の稼ぎ料として支払はれる。此の分は、即ちそれだけ、農業者、漁業者其の他の生産業者の懐を潤すものである。而して此等の代金を受取りたる農業者や、漁業者、商人等は、それを以って各自の衣食住其の他の費用に充てる。それから芸者代として支払はれた金は其の一部は芸者の手に渡って、食料、納税、衣服、化粧品、其の他の代償として支出せられる。(中略)然るに、此の人が待合で使ったとすれば、其の金は転々して、農、工、商、漁業者等の手に移り、それが又諸般産業の上に、二十倍にも、三十倍にもなって働く。故に、個人経済から云へば、二千円の節約をする事は、其の人に取って、誠に結構であるが、国の経済から云へば、同一の金が二十倍にも三十倍にもなって働くのであるから、寧ろ其の方が望ましい訳である。(参考文献 高橋是清随想録)

なんともわかり易い説明ですね。此のJCBの広告はテレビCM編もあって、そちらは、嵐の二ノ宮和也クンが、帽子を買う事で、世の中が変わっていく様を描いているそう。まだみてないけれど、どんな仕上がりか、見てみたいですね。
例えば少し前に、定額給付金というのがありましたが、1万2千円はあまりに少なすぎましたね。1人5万円くらいあって、貯金したらそのままだけど、使い切ったら1万円報奨金が出るとかしたら、みんなせっせと買い物して景気回復に役立ったかもしれませんね。
なんとなく今の時代、無駄なお金を使わないのが美徳になっているような空気がありますが、裕福な年配の皆さん、貯蓄に走らず買い物してくださいねー!