幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

週休二日 下総国貝塚村 與治右衛門の休日

2022-11-19 15:59:18 | Weblog
先日、下総国貝塚村 與治右衛門の年中日記帳を読みました。



この日記は、貝塚村(千葉県匝瑳市)に住む御百姓、與治右衛門の日々の生活と世状が記されています。
この日記は安政五年の一年分の日記ですが、珍しいことに月毎の労働日と休日が書かれています。

以下紹介しますと、
    一月 〆 十二日休   
         十七日働
    二月 〆 十日休
         二十日働キ
    三月 〆 九日半不働休
         十九日半働申候
    四月 〆 十日休
         十九日働キ
    五月 〆 六日半休
         二十三日半働
    六月 〆 二十日働キ
         九日休ス
    七月 〆 二十日半働
         八日半休
    八月 〆 五日風待   
         二十五日働
    九月 〆 十日不働
         二十日働
    十月 〆 四日休
         二十五日働
    十一月〆 八日休
         二十二日働
    十二月〆 七日休
         二十三日働




  凡 三百五拾四日之内
年中〆 九十九日休
    弐百五十五日働
 とありまして、農繁期の休みは少ないことが分かりますが、年間で354日のうち255日働き99日休みと書かれています。
割合にしますと、二割八分が休日となっています。これを週に直しますと1.96日の休日となっています。
 貝塚村 御百姓 與治右衛門さんは、概ね週休二日だったことが分かります。

ちなみに、一月の日記から労働記録を抜いて見ますと、
   元旦                      休
   二日   縄壱ツなへ              休
   三日   草履作る 弐足            休
   四日   熊手□本拵へ             休
   五日   宮本より八日市綿買ニ行、ヲダキ削り  休
   六日   朝山入前嶋、夫より赤羽根山刈、昼より宝光寺へ働キニ行
   七日   斧柄拵へ、小仕業
   八日   長崎□□□ 山刈
   九日   長崎赤羽根 山刈
   十日   前嶋赤羽根 山苅
   十一日  前同様山苅
   十二日  屋形年玉ニ行
   十三日  長崎山苅
   十四日  赤羽根ソダマルキ
   十五日  酒屋ニ而若蔵nへ行
   十六日  平兵衛□□礼
   十七日  平兵衛花ゆキ
   十八日  飯倉山苅
   十九日  飯倉山苅
   二十日  昼より祭礼ニ行
   二十一日 四ツ半より祭礼ニ行
   二十二日 早朝より善右衛門葬礼ニ行、穴掘役
   二十三日 飯倉山苅
   二十四日 草履作る
   二十五日 ヲダ木棟削り、昼より祭礼ニ行
   二十六日 飯倉山苅  麦作入
   二十七日 七兵衛へ山茅カケ渡ス、四ツ□鎮守田土入 休
   二十八日 瓜保タメ出し              休
   二十九日 モツコ拵へ

とあります。
一月は、農閑期なにで、山仕事が中心のようです。
十二日休みと記していますが、休と書いてあるのは元旦から五日迄と二十七日、二十八日の七日間です。他の五日は日記の内容から、平兵衛の花に行った十六、十七日、祭礼と葬式の二十、二十一、二十二日が休みではないかと思われます。
ただ、休みの日でも縄や草鞋熊手などを作ったり、タメを出したり、ちょこちょこ仕事をしていたようです。

結論を申し上げますと、週休二日位を、当人の與治右衛門は意識していたようですが、勿論曜日の感覚はなく、用事があると休みを取っていたようで、一日の労働時間も分かりません。

私の感覚では、明治から昭和の人程は働いていなかったような感じです。

明治政府によって民衆はネジを巻き込まれ、労働に戦争に駆り出されて行ったような気もします。

今の世の中を見ますと、物騒で世の中終わりになるかも知れません。

鎖国をして、儒学を学問の中心に据えた、徳川幕府は偉大な平和主義だったと思います。











コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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新年 (古天気学)
2023-01-02 09:56:58
新年あけましておめでとうございます。
更新を楽しみに待っています。
明けましておめでとうございます。 (いろは丸)
2023-01-04 18:39:43
あけましておめでとうございます。
怠惰な更新で、お恥ずかしい限りです。
相変わらず、古文書から天気記事を拾っています。
今年もよろしくお願いします。

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