幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

長谷川貞信「浪花百景之内 松が鼻」の雪景が描かれた日

2019-02-22 21:10:18 | Weblog

 八軒家絵巻様よりリクエスト頂きました。

ご依頼内容は、
「長谷川貞信が描いた「浪花百景之内 松が鼻」の雪渓をとりあげております。作画時期は明治2年または3年(前後1年ぐらいの誤差はあるかも)とされておりますが、大阪管区気象台には明治15年以後の記録しか残っておらず、日付を特定しかねております。」とありました。

 大坂で降った雪を調べてみました。残念ながら私のデ-タベ-スに大坂の記録が少なく、天候記録もすくないため、京都の雪も含めて探しました。
明治元年9月1日から明治4年12月30日までで、京大坂で雪の記録があったのは、67日でした。
けっこう雪の回数は多いのですが、大坂での積雪は少ないようです。

例えば明治元年12月16日の京都の日記では積雪三寸との記事もありますが、池田では曇晴、大坂では晴で、雪すらも降っていないようです。大坂で積雪があったと思われる日を見てみますと、

 明治二年一月十八日  
   朝三寸斗雪晴天【池田】
   雪三寸許降【京都】
   朝六寸大雪積る【兵庫県三田町】
 明治二年十二月五日
   晴天、朝雪一寸つもる【池田】
   風、夕より夜へ雪【岸和田】
   朝雪壱寸程【三田町】
 明治三年一月十二日
   雪ふり、六七寸計リ積リ候【京都】
   暁起、風雪満天平地無形影ガイガイ一白【大坂】
   雪【岸和田】
   朝雪弐寸つもり辰刻小雨【池田】
 明治三年十二月四日
   暁天風雪、、一面之銀世界【京都】
   朝雪一寸ふり後晴天【池田】
 明治四年一月一日
   雪天雪積事三寸四ツ時より交天大厳寒也終日通ノ雪軒ノツらら不解夜晴【京都】
   風雪大至【大坂】
   晴天時々雪降寒気強【池田】
 明治四年一月一日
   朝晴天辰上刻より雪一寸後みそれ一寸【池田】
 明治四年十二月二十九日
   朝掛ケより雪ふる、四五寸積る、、壱日雲る、夕飯後小雨ふる【京都】
   雪【岸和田】
   雪【池田】

の七日となっています。土地勘がないので、良く分かりませんが京都で積雪があっても、大坂での積雪は少ないようです。
明治初年に、長谷川貞信が描いた「浪花百景之内 松が鼻」の雪景ような雪の降った日は、いつ時だったのでしょうか、
はっきりとは分かりませんでしたが、絵うを見た感じでは積雪がニ三寸と言う感じでしたので、明治二年一月十八日か
明治三年一月十二日あたりが有力な感じがします。

コメント (2)
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