幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

唐丸のこと

2022-09-03 22:22:18 | Weblog
 ご無沙汰しております。
ようやく涼しくなってまいりました。
相変わらず、夜な夜な各地の日記を解読して楽しんでおります。
先日、仙台藩重臣の茂庭周防の家来の日記「日穆清 掌中録」を読んでいまして、
元治二年三月二十三日(西暦1865年4月18日)の記事の中に

「峯松手かへ之唐丸、猫ニ被取、半死半生ニナル」
とありました。
さて、手飼の唐丸とは、何かペットのようなものだと思いましたが、気になりました。
翌々日の三月二十五日の記事には、次のようにありました。

「峯松手飼之唐丸養生不叶暮ニ隕ル」
猫に襲われた唐丸は養生の甲斐もなく暮に死んでしまいました。
唐丸とは一体何なのでしょうか?❓。
次の日の二十六日

「峯松手飼之鶏、山ノ中段へ寅治両人ニ而埋」
とありまして、唐丸は鶏だと分かりました。そうとうに大事にされていたようです。

唐丸とは鶏の個別の愛称なのか、種類の名前なのか、分からないので、早速インタ-ネットで検索してみました。
運良く、唐丸が検索に引っかかりました。「鶏の種類」様の記事によりますと   
曰く
    蜀鶏 とうまる(唐丸 とうまる)
昭和14年9月7日、天然記念物に指定されている鶏で、
   蜀鶏は、東天紅鶏、声良鶏とともに日本三大長鳴き鶏のひとつです。
   謡の標準は数メ-トル離れて、人が聞こえる範囲で15秒です。
とありました。
また、ユ-チュウブで実際の声も聞けました。
便利とは言いながら、恐ろしい世の中になりました。

幕末に、宮城県の松山町で、貴重な唐丸を大切に飼育していた、峯松寅治という人がいた事が分かりました。
何でもないようなことかも知れませんが、江戸時代の多様性がまた一つ見えて参りました。

私こと、唐丸の鳴き声を真似てみましたが、声が枯れてしまいました。
小さな体で、声の出ること、さすがは、天然記念物でありますな。
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