日本体育協会が「アマチュア規定」を廃止して、「スポーツ憲章」を制定したのは1986年です。国際オリンピック委員会に遅れること12年でした。日本オリンピック委員会が財団法人化されたのは1988年です。その初代会長は堤義明氏でした。
堤氏のアイスホッケー好きは有名ですが、スキーやゴルフも堤氏とそのグループ企業が支えてきたスポーツです。また、2人しかいない五輪フィギュアの日本人メダリストは、いずれもプリンスホテル所属です。
成田好三氏のブログには堤氏に関するこんなコラムがあります。
堤義明氏と「西武商店」からの贈り物を大切に
堤氏は、アマチュアスポーツ界のドンでもあった。アマチュアスポーツの実態をすべて熟知していた人物である。金銭の供与を受けないというアマチュアの建て前がまったくもつて実態とは離反していることも身をもって知っていた人である。彼は、アマチュアスポーツ界における最大の「たにまち」だったからである。
世界のスポーツ界には、もはやアマチュアという概念は存在しないということも、彼はとうの昔から知っていたはずである。
この「成田好三のスポーツコラム・オフサイド」が3回に渡って特待生問題をとりあげていました。
■高野連は生きた化石(1)-メデイアと甲子園
■高野連は生きた化石(2)-アマチュアリズムの権化
■高野連は生きた化石(3)-有森裕子のプロ宣言
ここらを読んでいただければ、私がアマチュアリズムのことを書く必要もないわけです。まあ、放映権料はないはずですが、もらって各出場校に分配すれば、けっして評判がいいとは言えない寄付金集めもしなくて済むのではないかと思われます。
06年に春夏連続出場を果たした南陽工高のWebサイトには、後援会による収支報告書が掲載されています。
■第78回選抜高等学校野球大会 収支決算報告書
■第88回全国高等学校野球選手権大会 収支決算報告書
「収支総額」とあるのは「収入総額」、「収支の部」は「収入の部」のことでしょうが、春は3900万、夏も1800万の剰余金が発生しています。これらにしても、考え方によっては「アマチュアリズム」を逸脱しているとも言えるわけです。
21世紀になって、「アマチュア規定」だの「アマチュア違反」だのという言葉を聞くことになるとは思ってもいませんでした。そんなことを言い出すのは、(今では)アマチュアボクシング連盟と高野連様だけです。
今8000人を犯罪者扱いすれば、将来起こり得る何かが防げると考えておられるのでしょう。どちらを重いと考えるかは、人それぞれです。私には理解できませんので“宗教”と呼んでいます。
財団法人という組織形態は、社団法人や株式会社にくらべて「旧態依然」をひきずりやすいのですが、それだけでは説明できませんね。
裏金が西武から発覚したことの重大さがよくわかりました。
管理人さんと成田さんはほとんど同じトーンですね。
管理人さんも「生きた化石」と呼んでおられますし。
どうして彼らは時代遅れの発想にしがみつくのでしょうか?