県大会で優勝して、5月3日からの四国大会に臨むことになっていましたが、25日に出場辞退の意向を四国地区高野連に伝えています。春の四国大会は各県2校出場ですから、準決勝敗退の2チームが「補欠」決戦に臨むことになりました。
県秋季大会では02年から06年まで5年連続ベスト4以上で「非常連校の最上位校」であるにもかかわらず、1度として「21世紀枠」とやらの推薦を受けたことがありません。推薦されたのは、生光に負けたり、生光より先に負けた県立校でした。
生光が「いわく」つきの学校だと言いたいのではありません。「21世紀枠」こそ、いわくつきの制度なのです。念のため。
四国大会辞退を検討 生光学園高、野球部員の奨学制度で
(徳島新聞 2007/4/24 10:58)
市原清校長は「少子化が進み、公立校が多い徳島県で私学が生き残りを懸けて優秀な人材を確保するための一つの方法だが、憲章に抵触するのであれば是正する。四国大会出場は日本高野連の見解を待って最終結論を出すが、辞退を検討している」と話している。
このように語っていた校長先生は、翌日も平身低頭です。
高校野球:生光学園高、奨学金制度が学生野球憲章に抵触 春季四国大会を辞退 /徳島(毎日新聞徳島版 2007/04/26)
市原清校長は「県高野連を通じ、日本高野連に見解を尋ねたところ、『憲章に抵触する』という回答だったので今回の措置を取った」と経緯を説明。「奨学制度は本校で野球をしたいという生徒の思いをかなえ、家庭の経済的負担を軽減するためのもの。辞退は残念だが、ルールに従い、悪しきは是正し、夏に向けて再出発したい」と話した。
同校では経済的に苦しい家庭の生徒や学業、スポーツに秀でた生徒を対象に、入学金(25万円)、授業料(月3万3000円)、施設充実費(同1万3500円)などを免除する制度を導入。野球部員83人のうち、74人が適用を受けていた。
というわけで、どうやら無条件全面降服されるようです。「何が悪い!」と開き直ってほしいとは思いませんが、野球部だけで74人も入学金や授業料を免除して、学校経営として成立するのが不思議な気もします。
同校のWebサイトでは、07年の募集人数は前期240名、後期若干名です。全国レベルならまだ理解の範囲内ですが、ここまでやると、シンパシーを抱くのはかなり無理があるでしょう。それは、さて置いても、問題は残るのです。
高校野球 春季四国大会 香川、徳島で代表戦
(2007年4月26日 読売新聞)
生光学園は25日、普段通りに練習したが、山北栄治監督は「子どもたちの内心は穏やかではないが、気持ちを切り替え、夏の大会に向けて練習したい」と話した。部員の一人は「親に迷惑をかける形になり、気持ちのやり場がない」と表情を曇らせた。
この部員が何か悪いことをしたのか、ということにしかなりません。「教育の一環としての部活だから、授業料や入学金の減免という形であっても金をもらうことはまかりならぬ」というのが高野連様の教義です。こんな思いをさせることが「教育」なのでしょうか?
昔、某宗教団体の勧誘を受けたとき、「日蓮」と呼び捨てにしたら叱れらました。「日蓮上人様」と呼ばなければいけないようです。アマチュアリズムとは“宗教”だと私は理解していますので、「高野連様」と呼ぶようにしています。まあ、「将軍様」も似たようなものかもしれませんけど…。