新・瘋癲球人日記

野球をこよなく愛する瘋癲球人の日記

くらきた

2006年07月28日 | Weblog
甲子園地方大会、我が故郷(鳥取県)の代表に倉吉北が決まった。
“くらきた”。その名前を呼ぶのに自分が「現役」のときには敵意のような感情があった。嫌悪感とも言っていいかも知れない。
当時の“くらきた”は野球留学の選手を関西圏から集め、全国大会でも通用するチームであった。そういう“くらきた”はよくトラブルを起こしては活動停止、出場停止の処分もうけていた。県の高校野球関係者の心証もよくはなく、必要以上に目をつけられていたフシもあるが....。
僕ら「野球をするもの」にとって、彼らは「侵略者」憎っくき“くらきた”だったのである。
今はどうかと言われれば、野球留学には賛成でも反対でもないし、“くらきた”の甲子園出場を素直に喜んでいる。
この心境の変化は、年をとったこともあるが、実際に野球留学経験者の知り合いからその大変さを聞いたことが大きい。
15、16の子供が親元を離れて知らない土地での寮暮らし。野球をやめることイコール高校をやめること。故郷にも帰るに帰れなくなることだってあるのだ。
文部科学省ではないが、野球留学はそんなに悪いことなのだろうか?

早稲田の野球部の学生コーチ、國府君は“くらきた”出身。奈良からの野球留学だ。
初めて彼と東伏見で会ったとき、
「“くらきた”なんだって」
と話しかけた。
ちょっと照れながら話す彼の顔は確かに故郷の球児の顔だった。

野球留学選手は「侵略者」ではなく、野球の強い地域からやってくる「伝道師」と考えられなくもない。

故郷の代表、精一杯、倉吉北を応援する。ひさしぶりの鳥取県勢の甲子園での勝利を期待する。

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